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レビュー執筆日:2019/10/14
●暖かみのあるありふれた情景を非凡な手法で描いた、キャリアを重ねてきた彼らならではの作品。
【収録曲】
1.叫び 祈り
2.Wake me up!
3.彩り
4.箒星
5.Another Story
6.PIANO MAN
7.もっと
8.やわらかい風
9.フェイク
10.ポケット カスタネット
11.SUNRISE
12.しるし
13.通り雨
14.あんまり覚えてないや
前作に引き続き、ストレートなタイトルが付けられたMr.Childrenのアルバム。前作はどちらかというと一筋縄でいかない作風に対して「あえて」そうした感じがあったのですが、今作はタイトル通り『HOME』、つまり「帰ってくる場所」を連想させる、暖かみを感じられるナンバーが多く、歌詞に関しても『Wake me up!』の「鏡の中の湿っぽい顔した自分に手を振るよ」や『彩り』の「ただ目の前の並べられた仕事を手際よくこなしていく」のように日常的な風景を歌ったものが多くなっているように思えます(『フェイク』のように暗い雰囲気の曲も無いわけではありませんが、上手く曲順を工夫して収録されているため、そこまで不自然には感じられません)。また、全体的にスローテンポな楽曲が多いのですが、その合間に『箒星』や『通り雨』のようにアップテンポな楽曲や『PIANO MAN』のようにジャジーな楽曲、『ポケット カスタネット』のように後半でダンスビートになって盛り上げる楽曲等を入れたりして上手くメリハリを出しており、リスナーをダレさせないような工夫がなされているのも面白いところ(まあ、今作に限らず彼らのアルバムには多かれ少なかれそういう点があるのですが)。
タイトルから感じられるように全体的に分かりやすいコンセプトで、それゆえに歌詞に関しても分かりやすくなっているように思えるのですが、そうであっても決して「陳腐」にはなっていません。『しるし』の「狂おしく 鮮明に 僕の記憶を埋めつくす」というフレーズは平易でありながらも独特で耳に残りますし、『あんまり覚えてないや』では「あんまり覚えてないや」「ちゃんと覚えてるんだ」というフレーズで暖かみを出すという発想には「ありきたり」とは程遠いセンスを感じられます。
一言で表すなら、「暖かみのあるありふれた情景を決してありふれているとは言えない手法で描いた」作品と言えるでしょう。デビューからキャリアを重ねてきた彼らならではのアルバムになっているのではないでしょうか。
評価:★★★★★




