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IT'S A WONDERFUL WORLD

レビュー執筆日:2019/8/26

●Mr.Childrenが「ポップ」と真剣に向き合ったアルバム。


【収録曲】


1.overture

2.せい

3.Dear wonderful world

4.one two three

5.渇いたKiss

6.youthful days

7.ファスナー

8.Bird Cage

9.Loveはじめました

10.UFO

11.Drawing

12.君が好き

13.いつでも微笑みを

14.優しい歌

15.It's a wonderful world


 「Mr.Childrenはポップな作風のバンドである」と思っている方は結構多いかもしれません。確かに、シングル曲にはそういった作風のものが多く、そういった曲しか知らない人にとってそう映るのは別に不自然な話ではありません。それに、個人的には、アルバム単位で聴いてみても印象に残るのはシングル曲が多く、彼らと「ポップ」という単語は切っても切れない関係にあると思えます。


 今作は、Mr.Childrenがそういった「ポップ」と向き合った作品と言えるのではないでしょうか。『Loveはじめました』のように実験的な曲も無いわけではありませんが、収録曲の大部分がシングル曲から連想されるような分かりやすい楽曲となっています。インパクトのあるフレーズも多く、『蘇生』の「何度でも 何度でも」はその最たるものと言えるのではないでしょうか。また、『君が好き』や『いつでも微笑みを』はサビの冒頭にタイトルを持ってくるというこれまた分かりやすい手法を取っています。


 もちろん、実験性が減ったことによりにここ数作と比べて曲のバリエーションも減った点は否めないのですが、かと言って、「似たような曲ばかり」というわけでもありません。むしろ、実験的な要素に頼らなくてもメロディやリズムの組み立て方で曲ごとの違いを出せる、という点がクローズアップされていると言えるでしょう。特に、『ファスナー』はメロディラインからこれまでの彼らの楽曲に無かったものを感じられます。また、分かりやすさゆえにボーカル・さくら和寿かずとしの癖の強い歌い方が際立っているように思え、それゆえに「個性」もしっかりと感じられます。これらのことから、ポップでありながらも決して「凡庸な商業音楽」に陥っていないという点も見逃せないでしょう。


 前作とは異なり、「Mr.childrenはシングル曲しか知らない」という人が初めて聞くにはうってつけとも言える本作。この作品自体も傑作ですが、これを取っ掛かりにして、過去作をさかのぼって「ポップ」とは少し異なる彼らのディープな世界観に足を踏み入れてみるのも面白いかもしれません。


評価:★★★★★

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