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レビュー執筆日:2019/7/5

●『DISCOVERY』の続編ともとれる、アルバムという名の「旅」。


【収録曲】


1.CENTER OF UNIVERSE

2.その向こうへ行こう

3.NOT FOUND

4.スロースターター

5.Surrender

6.つよがり

7.十二月のセントラルパークブルース

8.友とコーヒーとうそと胃袋

9.ロードムービー

10.Everything is made from a dream

11.口笛

12.Hallelujah

13.安らげる場所


 前作の『DISCOVERY』である種のコンセプトを見せたMr.children。前作は「暗さ」と「明るさ」を上手く配置して一枚のアルバムとしてまとめ上げられていたのですが、今作は「暗さ」を感じられる曲はほとんどありません。冒頭の『CENTER OF UNIVERSE』で「世界はこれでいて素晴らしい」と歌われているように、全体的に明るい雰囲気の曲が多く感じられます。


 それならば、前作と全く違うかと言われると、そうとも言い切れません。時には実験的と思える様々な要素を取り入れているという点では前作の延長線上にあると言えるでしょう。前述の『CENTER OF UNIVERSE』は2番から急に早口になる点が面白く感じられますし、『NOT FOUND』はこれまでに無かった8分の12拍子のエモーショナルなナンバー。『十二月のセントラルパークブルース』はタイトルの通りブルースの要素がかなり強いですし、『友とコーヒーと嘘と胃袋』や『Everything is made from a dream』は曲の途中に「語り」が入ってきます。また、前作が「絶望から希望への旅」と例えられるなら、今作は「様々な音楽を探しにいく楽しい旅」と例えられ、「旅」をイメージしたコンセプトアルバムと捉えられるという点でも前作と共通していると言えるでしょう。『十二月のセントラルパークブルース』で明らかにニューヨークの情景が描かれていたり、『ロードムービー』というタイトルの曲が収録されていたりという点も「旅」の要素を強くしているように思えます。そうなると、Mr.childrenの王道とも言えるナンバーである『口笛』の辺りで「旅から帰ってきた」と捉えることができ、シングルとして聴く以上に曲の良さが上手く引き出されているように感じられます。


 前作が明るい感じで終わり、今作も明るい感じで始まるため、コンセプトが似ていることもあって、『DISCOVERY』の「続編」と言っても差し支えない本作。少々音楽性を広げ過ぎなところがあり、「Mr.childrenはシングル曲しか知らない」という人が初めて聞くにはあまり向かないかもしれませんが、「多様な楽曲」と「アルバムとしてのストーリー性」が上手く組み合わさった名盤であることには違いありません。ある意味「アルバムらしいアルバム」と言えるのではないでしょうか。


評価:★★★★★

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