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深海

レビュー執筆日:2019/5/30

●人気絶頂の時期に出したとは思えない、つかみ所の無い奇妙なアルバム。


【収録曲】


1.Dive

2.シーラカンス

3.手紙

4.ありふれたLove Story ~男女問題はいつも面倒だ~

5.Mirror

6.Making Songs

7.名もなき詩

8.So Let's Get Truth

9.臨時ニュース

10.マシンガンをぶっ放せ

11.ゆりかごのある丘から

12.虜

13.花 -Memento Mori-

14.深海


 Mr.childrenが人気絶頂の中リリースされ、「問題作」と称されたアルバム。本作はいくつかの楽曲がノンストップでつながっていたりと「コンセプトアルバム」の様相が強い作品となっており、一曲ごとに完結している印象が強かった前作とはある意味対照的な仕上がりになっていると言えるでしょう。


 個人的には「問題作」という評価は同意できるのですが、おそらく、分かりやすく「『深海』をイメージしたような暗い曲を集めたコンセプトアルバム」だったらそういう評価はなされなかったのではないでしょうか。「コンセプトはある程度感じられるもののそれが何なのか掴み辛い作品」だからこそ「問題作」になっているのだと思います。


 それが一番よく表れているのが、『マシンガンをぶっ放せ』~『ゆりかごのある丘から」~『虜』の流れではないでしょうか。一曲一曲を見ていくと「世間に対して毒を吐く攻撃的な曲」→「いなくなった『君』を思う、終始穏やかで悲しげな曲」→「『君』に虜になってしまった情けない自分をつづるジャジーな曲」となっており、世界観はバラバラと言ってもいいのですが、曲はノンストップで上手く繋いでおり、それゆえに「ちぐはぐ」とも「全部合わせて一曲」とも言い切ることができず、奇妙で何とも言えない流れになっていると思います。もちろん、「1曲目の『Dive』は水音で始まり、最後の『深海』は水音で終わる」といったコンセプトアルバムとして分かりやすい点もあるのですが、全体的に見れば一言で説明できるようなテーマ性があるわけでなく、かと言って「曲をただ集めたアルバム」というわけでもなく、それがこの作品の不思議さを際立たせていると言えるでしょう。


 大ヒットシングルである『名もなき詩』や可愛らしい感じの『Mirror』が収録されていることもあって、曲単体で見ればそこまで実験的な感じはしませんが、アルバム全体で見ればやはり「問題作」という言葉が似合う本作。この奇妙な感覚はこれ以上上手く言い表せそうにないので、実際に聴いてみた方が早いかもしれません。


評価:★★★★

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