2話
「最近全く商売の邪魔をする輩が増えてきて困る。俺に何の価値があると思ってやがる。」
「メレク様は魅力的ですよ。だからこそ私共が着いてきているのですから。」
「セカンド、そうか?俺はそこまで俺を評価していないさ。家事全般に関しては誰にも負けないだろうさ。」
メレクの売る奴隷の1人、セカンドと呼ばれる女性は1歩下がりお辞儀をする。
この名前は奴隷として入手をしてからの番号だ。
ファーストは戦闘技術を、セカンドは家事全般を、サードは暗殺技術を、フォースは愛玩道具として販売している。
そしてその4人のリーダーだけが名前を与えられた。
それ以外は戦闘奴隷であればファースト10号等と呼ばれている。
これはひとえに名前を付けることが面倒くさくなったのか、感情移入しないようにしているかはメレク以外知らないし、知ろうともしていない。
あくまでも彼ら彼女らは奴隷であり、メレクの商品だ。
だがこの4人は技術が高すぎて未だに売れていない。
「これはどうしましょうか?」
何も無いところから現れた黒いダボッとした服を着た女性の両手には2人の人間がいた。
意識を失っているのか、体を引きづられていても痛がる素振りもない。
「………サード、ご苦労だった。処分しておけ。」
「承知致しました。」
そして再び消える。
メレクはため息を吐くと綺麗な青空を見上げる。
元々からメレクを狙う存在はいたが最近は頻発している気がする。
「さて、エミニル法国へ行こうか。」