4話
「ご主人様。コレは殺してしまっても良いのでしょうか?」
「殺すと後々面倒臭い。戦意喪失させてやれ。」
「承知致しました。」
12号が向き直ると兵士が槍を突いてくる。
しかし、そんな一直線の攻撃に12号が当たる訳もなくすぐさま懐へと潜り込み拳を引く。
だが、すぐ様しゃがんだ。
その上を槍が横なぎに振られる。
「………12号。後でお話があります。」
ファーストがおもむろに言葉に出すと、12号は物凄く嫌な顔をする。
一旦距離を取るが、兵士はそのまま槍の届く距離へと詰めてくる。
槍を突くが、どれも紙一重で避ける。
そして一瞬で槍を掴むとそのまま兵士に一瞬で近づく。
次に右足を兵士の足にかけ押すと体制が崩れ、転びそうになる。
しかし流石と言うべきかただでは倒れず、12号の服を掴んで倒れたことにより、一緒に12号も倒れる。
「お見苦しいモノを申し訳ありません。」
「いや、これはこれで面白い。」
ファーストがなにやらメレクに謝っていた。
12号はナイフを取り出すと自身の服を切り裂き、自由となる。
そのまま兵士の右腕を掴み、関節をキメた。
「う、ぅぅぅぅ!!!!」
あまりの痛さに兵士が唸る。
「何をしている!?」
そうすると館から偉そうな男性が出てくる。
「ここで何をしているのだ!?」
メレクはサッと前に出る。
「この兵士の方が力を示せと申されるもので……。エドワード様で御座いますか?」
「そうか。………私がエドワードだ。」
未だに関節をキメている12号にメレクは密かに指示を出す。
うっすらと頷くと兵士の意識を刈り取った。
「ここまでするとは……何の用だ。」
「私共は商人でございます。商談の方をしたいと思い、参上致しました。」
「………兵士。ヤツらを監視しながら別館へ案内しろ。」
「承知致しました。」
兵士に10人程囲まれながら別館へと案内される。
やはりサードの情報収集能力は流石だと思いながら案内されるがままに部屋でエドワードを待っていた。