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奴隷商人の矜持  作者: 夜
13/30

2話

メレクは適当に豪華な家の前にいる兵士に話しかける。


「すみません、商人をしているメレクと申します。ご主人様はおられるでしょうか?」

「……いえ、すみません。今外出しておりましてここにはいません。」

「ああ、そうですか。いつ頃お戻りになられますか?」

「まだわからないですね。」

「そうですか。ではまた来させていただきます。」


メレクはお辞儀をすると去っていく。


「ふむ、結構厳しそうだな。」

「そうですね。恐らくですがあそこの貴族は指定の商人と契約をしているのでしょう。」

「ああ。そうだろうな。」



メレクはその後も3件ほど行ったが同じ結果に終わった。


「どうするか……。」


泊まる宿を見つけて部屋で考えていると今朝買った奴隷がファーストと共に入ってくる。


「この子の身なりを整えても良いでしょうか?」

「……ほどほどなら大丈夫だ。」

「承知致しました。」


現在あの奴隷は髪の毛も伸びっぱなしで痩せており、いかにも不健康そうな体格をしていた。

それを見たファーストが代表で俺に言ってきたんだろう。


「サード、フォース。」

「はい。何でしょうか?」


2人を呼んだが、流石にサードの方が早かった。

遅れてフォースもやってくる。


「サードはこの国の現状を調べて欲しい。フォースは今から俺と情報収集だ。」

「「かしこまりました。」」


一瞬でサードが消えるとメレクは立ち上がる。

行く場所は高級そうな料理店だ。



しばらく歩くといかにも豪華な料理店があった。


「入るぞ。」

「はい。」


店へ入ると店員が席へと案内する。

メレクは周りを見渡すと豪華な服に身を包んだ男性や女性がいる。


「すみません、ここには初めて来たもので……おすすめの料理とかありますか?」


近くにいた男性へ話しかけると振り向き、フォースへと目線が一瞬移動する。


「初めてですか。ならこの料理が私は好きですよ。」

「ありがとうございます。ではこれを1つ。」


無難に返事を返し、店員に注文をする。


「そのお付の女性は奴隷ですか?」

「はい。私の……と言うよりも商品として提供する人間ですが。」

「ほほう。では奴隷商人なのですね。」

「はい。しかしなぜこの女性が奴隷だと思われたのですか?」

「それは1つしか料理を注文しなかったでしょう?この様な女性に料理を食べさせないとなれば奴隷しか有り得ませんからね。」


男性は得意げに解説をする。

メレクは少し笑い、驚いた表情をすると拍手をした。


「お見事です。その観察眼、さぞ良い奴隷をお抱えになっているのでしょう?」

「いえいえ。そうでもないですよ。奴隷はかなりの数を買いましたが……直ぐにダメになってしまって。」

「…ああ!そうですか。周りの貴族の方でもそういった使い方をする人は多いのでしょうか?」

「多いですよ。だからこそこの国では奴隷商人がいっぱいいるのですから。」

「なるほど、そういうことだったのですね。」


メレクは言葉を切るとちょうどよく料理が運ばれてきた。

料理は豪華であったがその味はどうにもメレクは不味く感じた。

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