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2.女王は扉を開ける

すいません。恋愛ものなのに、その気配が未だ全然出てきません。

相手が登場するまで、しばしお待ちください。

 その書類は地獄への片道切符だと、知っているのはわたしだけだ。


「陛下、我儘も大概になされませ」

「嫌よ、絶対」

 できるオトコ、を目いっぱい体現している美中年。我が国の宰相でありわたしの部下筆頭、ゲインズ侯爵ロートレック。

 彼は今、普段ならあり得ない状況に疲れ果てている。

 彼の主君である女王―つまりわたしの反抗にだ。

 女王(わたし)は彼の傀儡だった。彼の言うことに逆らったり不満を漏らしたりしたことなど一度もない。

 いつも差し出される書類にすぐさまサインし、奏上される意見に是の応えを返す。そういう存在だった。

 それなのに、今わたしは彼に否を突き付けている。

「ロート、あなたはわたしに死ねと言っているのね」

 断じて引かぬと決意を込めて睨むその眼に涙。泣きたくなんてないけど、涙は勝手に溢れてくる。

「陛下、何を仰っておられるのですか。まるで反対です」

 今の今まで、彼はわたしを生きた人間だなんて思ってなかったんじゃあるまいか。

 自分の意志で喋る口があったことすら知らなかった。そうに違いない。

「我儘なんかじゃないわ。今あんたが進めてる相手と結婚なんてしたらわたしは死んでしまう、そう言っているのよ」

「畏れながら、わかりません、陛下」

 そりゃ分からないでしょうよ。分かっていればあんなクズを女王の夫に据えようなんて思わないはず。

「ロート、あなた一体どういう基準で人を選んでるの?」

 分かっているけどね、あえて聞くわ。

「何をおっしゃる、このわたしの人選にご不満があると」

「ええ、そう言っているのよ。分からない?」

「――!」

 ああ、やっぱり。

 このびっくりから怒りへと変化する表情を見るに、この男がわたしを意思のある一人の人間だと認識していなかったのが分かる。

 ましてや自分が頭を垂れなくてはならない上の立場の者だなんて、理屈では分かっていても、実際は欠片も思っていないに違いない。

 無理もないか。わたしは王家に生まれただけの”幼い””女”なのだ。彼にしてみればそのどちらもが自分の下にあるべき者だ。

「どうせあなたの事だから、身分だの血筋だの、自分につながりだのしか見てないんでしょう」

 宰相の顔色が凄いことになってきた。

「その人がどんな性格なのかとか、何を望んでいるかとか、まったく考えていないわね」

 人となりを無視して結婚なんてしたら、待っているのは地獄だ。()()()はそれを嫌と言うほど知っている。

「この男はね」

 ロートレックが差し出した釣り書きと結婚承諾書を殴りつけて、テーブルから叩き落す。

「とんでもないロクデナシなの。女は使い捨ての遊び道具かなにか、民を虫けらくらいにしか思ってなくて、わたしたちを生かしてくれているものは何なのか、考えたことすらないわ。自分の歪んだ虚栄心を満たすためなら、どんな酷いことでも平気でやる。そして罪悪感なんて欠片も感じない、ハッキリ言って、生かしておくだけで害になるゴミクズ野郎よ」

 ロートレックの顔色が、憤怒の赤から驚愕の青に変わった。

 こんなに感情を面に出して、よくまぁ政治の頭を張れるもんだわ。やっぱり最後は潰れて終わりそうな男だわね。

「陛下…いつの間にそんな汚い言葉を覚えられたんですか」

 産まれる前からよ、悪かったわね。

「そんなのどうでもいいでしょう」

 大体ね、この程度でビビってたら、この先あたし――いやわたしの補佐なんて無理なんですからね。

 前世じゃあ成人済みの20代後半。奨学金とバイトで卒業した大学歴と取得した各種資格を糧に、女一匹世間を渡ってたんだ。バリキャリの度胸と口の悪さを舐めんじゃねぇっての。

 記憶が戻って数年。ついにロクデナシとの結婚が具体化した以上、これまで通りのお人形さんなんかでいられるもんですか。

「とにかくこの男との結婚なんて断固ごめんよ。いや、目の前に連れてこられるのすら忌々しいわ。たとえ何があったって、絶対にサインなんてしませんからね」


 と言う一幕があって。


 わたしが物心つく前からの婚約者だというロクデナシとその生家の調査がされることになったのだ。

 その結果。

「わたしが正しかったでしょう。と、言いたいところだけど…」

 わたしの目の前で、ロートレックが頭を掻きむしっている。

 あーあ、それでなくとも最近大分薄くなってきてるのに、こりゃもう頭皮までスカスカになるかな。

「いくら何でもアレはないわよねぇ」

 ううう、とか、ぐぐぐ、とか、訳の分からないうめき声がする。

「建国以来の名家ですぞ。過去には幾人もの名政治家を輩出して、畏れ多くも王女殿下のご降嫁もあった、王国屈指の大貴族が…なぜ、あんな」

「違法薬物と人身売買、武器の裏取引に税金の誤魔化しに、盗賊との裏取引。あと何だったかしら?」

「…女王との結婚・暗殺による、王位簒奪の計画です」

「フルコンプリートだわ。さすが大貴族、最早一大犯罪組織の元締めね」

「このまま行けば、国ごと犯罪国家と成り果てたかもしれません」

ここ数日で一気に老け込んだ宰相殿は、どんよりと重い空気を背負って座り込んでいる。

 流石にフォローが必要かな。ロクデナシの婚約者が消えても、まだ次期宰相になった鬼畜野郎がいるし、今この男に引退されちゃ困る。

「でも、証拠もそろったことだし、必要な処置はしたんでしょうね」

 ロクデナシとその親どもを片付けたのかと問えば。

「はい、犯罪に加担していた全員を捕らえて、収監してあります。子息は直接法を犯していないようでしたので、監禁場所は王都の自邸ですが、終日見張りを置いて、逃亡できないようにしてあります」

 ん?ロクデナシ本人は監獄じゃないのか。

「正式に沙汰が下れば、財産と土地、爵位も没収となるでしょう。当主本人は処刑でしょうが、一族のどこまでを連座とするかは、協議の必要がありますな」

 たとえ殺されなくても、贅沢に慣れ切った高位貴族が野に放たれれば、待っているのは生き地獄、どいつもこいつも長くはないでしょうねぇ。

「なるほど、で、関わっていた裏組織の方はどこまで引っ張れそう?」

「それが、流石にその筋の玄人だけあって、捕らえられるのは下っ端がほとんどでして。わずかに尻尾をつかめた当地担当の幹部らしき者は、王都からは出ていないらしいのですが、行方不明のままです」

 それは聞き捨てならないわ。

「そいつを逃がすわけにはいかないわね。警邏を担当する部署に通達を、心当たりがある場所は虱潰しに…あ」

「どうなされました?陛下」

 今、ふと思い出した。

 ロクデナシの屋敷。

 この国の中でもトップクラスの高位貴族だった、あの一族の王都拠点。

 あそこは確か。

「!まずいわ、今すぐ伝令を。いいえ、悠長なことは言ってられない、わたしが行きます」

 座っていた玉座から転がるように降りると、ドレスの裾を蹴立てるように走り出す。

「女王陛下!?ルーシェリア様、どうされました、どちらへ行かれるのですか」

 後ろから宰相が慌てて付いてくる。だけど相手してる暇はない、事は一刻を争うのだ。

一応王族のたしなみとして、体を鍛えていて良かった。無駄にだだっ広い王城を夢中で走り抜けて、やって来たのは、本宮殿に隣接している脇宮殿。いくつもの建物が集まっている王宮の中でも最も高い塔を持つ、通称物見の城。

「へ、陛下…一体何を」

 息を切らしながらもついてきたロートレックが声を絞りだす。

 答えようと振り返ると、あら、いつの間にか増えてる。

 宮中の警護を担当している兵士が何人か、ロートレックの後ろに控えている。流石に彼らは息を切らしていない。

 まぁ、ごまかせないわね。宮殿の廊下を全力疾走してきたんだから。

 彼らも目の前を走り去る女王その人を見て仰天したに違いない。

「ちょうどいいわ。貴方たち、ここからはわたしの護衛と露払いを命じます」

「は、承知いたしました。して陛下、一体こちらにはどのような御用で?」

 兵士の中で、指揮官らしい男が問いかけてくる。

 まぁ疑問は当然か。

「いいこと貴方たち、これから見せるモノは、一応王家の秘事なの。だから余計な質問は一切なし。わたしの指示通りに動いてちょうだい」

 兵士たちの間に微妙な緊張が走る。

 本当は一般兵に見せて良いものじゃないけど、この際仕方ない。それに、このまま放っておくのも勿体ないだけだしね。

「開けて頂戴」

 目の前には塔の入り口。横は狭いけど縦には長い、独特な入口。鍵は掛かっていない。入ろうと思えば誰でも入れるけど、中には何にもない。ただ壁伝いに上に上る螺旋階段があるだけだ。

 兵士二人がかりで扉が開かれると、明り取りの小窓から入る日光の中で埃が舞っていた。

 だけどこの建物、実は上じゃなくて下が肝心なの。

 石畳の床。階段の終わり、入口の対面になる場所。そこから石1つ分手前に、ちょっとだけ色の違う箇所がある。

 自然石の色合いにしか見えないそこがスイッチ。

 わたしがしゃがんでそこに手を当てると、()()()()()()()()()

「!地下室」

 兵の一人が口に出す。

 そう、この塔は、物見なんかじゃない。

「どんな国にもあるでしょう。何かあった際の脱出通路―いえ」

 ぽっかりと開いた地下への道筋に迷いなく近づいて、その深みを覗き込む。

「王族が全てを捨てて消えるための、最後の手段よ」

 そこを示して、先行するように指示する。

 当然だけど中は真っ黒だ。

 兵たちは顔を見合わせて、無言で誰が行くかを協議している。

 やがて指揮官が、二人の男と視線を合わせてうなずき合った。

「灯を用意します」

「必要ないわ」

 わたしは兵に先んじて階段を下りた。

「陛下、危険です。お待ち―!」

 指揮官が驚いて声を詰まらせた。

 わたしが階段を一つ下った瞬間、細い階段通路にパパパッと明かりが灯ったからだ。

 前世、21世紀を知っているわたしは人感センサーの照明みたいだと思ったけど、他の面々は魔法か何かに見えただろう。

消失技術(ロストテクノロジ―)…」

 それを呟いたのはロートレックだったが、すぐにそこにいた全員がざわめいた。

 多分大きな神殿以外で見たのは初めてなんだろうから、無理もない。

「へ、陛下、これは…」

「大丈夫よ、足元に、いえ念のため罠にも気を付けて降りて行ってちょうだい」

 多分ないとは思うけど、もしもわたしの懸念が当たっていたとしたら危ない。

「でも、急いで。本当に時間がないかもしれないの」

 わたしの真剣さが伝わったのか、二人の兵士が神妙な面持ちで下りていく。

 そのすぐ後に指揮官が、そしてわたしが続いた。その後ろにロートレックと数人の兵士。

「陛下、危険ではないのですが。指示していただければ我々のみで参りますので」

「ダメよ。わたしが――いえ、王家の者が行かないと意味がないの」

 対象となるのは、今やわたしだけ。

 傍系じゃダメで、王本人かせいぜい王子王女までだもの。王妃や王婿じゃあ、まず無理ね。

 そして十メートルほども下っただろうか。階段は終わりを迎え、大人が三人ほど並んで歩ける通路になった。

 明かりは変わらず点いている。だから通路の先にある部屋にもすぐ気づいた。

 警戒しながらも、そこまでたどり着く。

 そこは、部屋全体の壁にに幾何学模様が刻まれた小ホール。

「こ、これは」

「明かりは天井に埋めこまれているようですが、なんでしょう?火ではない」

「ですな、松明とは比べ物にならない明るさです」

 うーん、見た目LED照明にそっくりなんだけど、まさかねぇ。

 まぁいいわ、今はそれどころじゃないし。

 入口の対面に色違いの部分があるのは、(うえ)と同じ。ただしこちらは床じゃなくて壁だけど。

 指揮官を促してそこへ近づき、何か起こらないか警戒しながらそこに手を置く。

 すると。


 壁の幾何学模様が一斉に光った。


「な、なんだ?!」

 そして、壁が動き出した。

 カシャン、ガシャン―キュインと軽い音を立てて、幾何学模様に沿って壁が動く。

 模様はパズルのピースのようなもののようで、各パーツが組み合わさって一面の壁を作成していた。それがわたしのタッチにより起動された仕組みによって、複雑な動きを見せている。

消失技術(ロストテクノロジー)…しかし、こんなものは見たことも聞いたことも」

 でしょうねぇ。

「もう終わるわ。念のため、警戒を」

 やがて壁は止まった。正面に、地図を示して。

「これは、まさか王都の…」

 ロートレックは流石にすぐ気づいたみたい。

「そうよ。ただし、最後に登録されたものだから、ざっと百年くらい前のものね」

「…それは?」

「ロート、覚えてない?百年前、とある大貴族に王女が降嫁したことがあったでしょう」

「!」

 そう、建国以来の大貴族に嫁入りした、当時の王の愛娘。彼女を溺愛していた王は遠方へやることを良しとせず、王都に屋敷を構える家臣に嫁がせた。

 記録によれば、その姫は父親が存命中、ほとんど実家に入り浸っていたそうな。しかし王の希望とは言え、出入りが厳しく管理されている王宮にどうやって出入りしていたのか不明だったと、当時の日記に記されている。

 何のことはない、本宮殿の隣から行き来していただけ。

「これはね、地図の中なら場所を指定して移動できるの。仕組みなんてわからないけど、そういうものなのよ。でも動かせるのは王族だけ」

 一同はぽかんと壁を眺めている。

 うんうん、わかるわ。

 中世ヨーロッパクラスの文明で、こんな訳のわからないものが出てきたら、茫然自失よね。

 わたしがこれを知っているのは。

「陛下、これは、一体いつご存知になられたのですか?」

「…言えないわ」

 だって、これは。

「前国王に伝えられたとしても、いつのことなのでしょう?亡くなられたのは一年前、貴女様はまだ十歳になるかならないか…」

 うん。お父様が亡くなって、急遽即位させられて…大変だったわ。だけど。

「ロート、いえ宰相。それについては言えません、これは王家の秘事です」

 これで押し通すしかない。

「…承りました」

 渋々ではあるだろうが、とにかく引き下がってくれた。

「して陛下。なぜ今ここへ?王家の秘事と言われるなら、我々を同行させたのはいかなる理由でしょうか?」

 それは。

「移動先は指定できる。百年前、王は娘を呼び寄せるために、嫁ぎ先に出入口を作ったわ」

 王の娘なら、起動できる。自宅のどこに指定したか知らないが、王と王女が亡くなるまでは、そこから王宮に行き来できる(ゲート)が存在していたはず。

 もしもそれが残ったままなら。

 起動できる人間がいなくて、認識すらされていなくても、そこに王宮への直通路があることには変わりない。

「何らかの理由でそれを知った裏組織の人間が、かの屋敷を掌握するために、あの一族を抱き込んだとしたら危険よ。それに、(ゲート)自体は王都のあちこちにあるわ。中には脱出の為に、郊外ギリギリの場所にもある。ただし、ほとんどが片道で、出口のみよ。王宮に入ることも出来るのは、多分あの屋敷にあるものだけだわ」

「それは、聞き捨てなりませんな」

 事の深刻さを理解したのか、ロートレックの声に真摯さがこもった。

 指揮官も兵士たちも、意味するところを多少は理解したらしい。緊張感が増した。

「もし、もしもよ。裏組織の幹部とやらが、何らかの方法で(ゲート)を知ったとしたら。例え開けることはできなくても、どうにかしようといじくり回すに決まっているわ。消失技術(ロストテクノロジー)は貴重だもの、存在を教えるだけでもお金になる」

 だけど同時に。

消失技術(ロストテクノロジー)は危険も含んでいるわ。下手に手を出せば何が起こるか分からない。だから、あの屋敷にある(ゲート)は無くすわ。こちらからも行くことができないように、完全に消去する」

 そのためには。

「それが出来るのは王とその子女だけ。つまり、わたしだけよ。だから危険は承知だけど、一刻も早くここへ来ないといけなかったの」

 でも、わたしは。

「でも、わたしはご覧の通りまだ幼くて、守ってもらわないと何もできないわ。だから、ここの仕掛けが正常に動いているかどうか確認が取れたら、改めて護衛を連れて出直すつもりだったんだけど」

 みんな勝手に付いてきちゃった。

「…陛下、最近の貴女様は、まるでお人が変わられたようだ。いつからそんなお転婆になられたのですか」

 いやまぁ、記憶を取り戻したら、行動力まで前世に戻っちゃって。なまじ若返って体力も充実しているものだから、大人しく座っているのがつらいのよ。

 11歳なんて、やんちゃ盛りなんだから。

「むしろ、妙に大人びられたような気もしますが…」

 指揮官が引きつった顔になって、ポツリとこぼした。

 うーん、中身はアラサーだからねぇ。言えないけど。

「気のせいよ。とにかく、わたしはコレを何とかしないといけないわ。そのためにはどうしても一度この(ゲート)をくぐって、あちら側に行かないとダメなの。だから、護衛してちょうだい。幸い王宮とは近い所だから、帰りは徒歩で充分よ」


 そしてわたしは、宰相と兵たちを連れて(ゲート)をくぐった。


 そこは、一見ドレッサールームのような小部屋だった。

 壁は大理石のような、つるりとした素材。

 だけど実は王宮との直通経路が内蔵されている、特殊部屋。王族が開けない限り、何もないようにしか見えないそこは、現在ただの物置と化していた。

 だけど、正面にある扉はとても重厚な造りになっている。

  その重厚な扉を開け放った途端、甘ったるいむっとする匂いが溢れてきた。

 香華なら慣れているが、これは明らかに違う。

 香りを認めた途端にくらりときた。どう考えてもヤバい類のケムリだ。

 そしてそのケムリが充満していた部屋では、惜しげもなく肌をさらした数人の男女が――涙やら汗やらその他もろもろの体液で……。

 どう見ても、正気な人間はいない。

 ここは、当主夫妻の主寝室。

 部屋の真ん中にでんと据えられたどでかいベッドの上で、未だ正式に婚約解消されていない我が婚約者殿がアヘ顔で美女たちの奉仕を受けていて…。よだれを垂らして喘ぐ様に、本気でゾッとする。

「じょっ、女王陛下、見てはいけません!ここは危険です、直ちにお戻りを!」

 そうしたいのは山々だけど。

「…窓を開けて。見張りの兵も呼んで、この場の全員を逮捕しなさい!今、すぐに!」

 こみあげてきた吐き気をどうにか抑えて、命令した。

 いくら何でもコレはないでしょう。

 (ゲート)を消したら、この屋敷ごと取り壊して更地にしてやろうか。

 そうしよう、その方がいい。

 たとえこの場が重要ポイントだとわかっていても、”エラー”の発生地点となった以上、価値はない。


 ここは、乙女ゲーム【久遠の愛を知る人よ】の序盤分岐点。

 共通ルートを終え、攻略対象者を決めるための選択の場―だったはずの場所。


 世界の崩壊は、ついに始まったのだ。



いじくりすぎて、訳が分からなくなって、結局当初の無茶苦茶な設定をそのまま使ってしまった感じです。

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