魔物転生2日目後編
町に出発(相当近い)です!
2021/3/14
改稿しました。
2022/7/19
軽く改稿しました。
体が光って、だんだん人型になって、光が収まっていきます。顔は、鏡がないから見えませんね。髪は鎖骨くらいまでの白...銀、ですかね?角や尻尾は生えていません。年齢としては5歳くらいですか...?性別は無、ですね。排泄の必要はないので良いのですが。服はどうしましょう?武器生成で行けますかね。
「<武器生成>」
スキル名を呟くとパソコンの画面みたいな半透明のウィンドウが目の前に出てきます。ステータスの方は頭の中だったのに何故?
まぁいいでしょう。【材質:糸】、【形状:ワンピース】、でいいですかね?よし、決定、と。
ポンっと音が出そうな勢いで煙を立てて服が出てきます。うん、思った通りの出来ですね。どちらかというと動きやすいズボンのほうがよかったですけど。あとは下着ですね。カスタマイズして、【材質:糸】【形状:パンツ】【形状:シャツ】、と。よし、OKですね。
あとはこれを着て、街に入るのはいいですがお金がないといけません。魔物を何匹か狩りますか。狩った魔物は収納しましょう。
「<魔力感知>」
魔力を薄くのばして魔力を感知します。いました。これは、狼ですかね。ウルフというらしいです。そのままですね。汚れてはいけませんし、武器を作っておきますか。
「<武器生成>」
カスタマイズ、【材質:緋色金】【形状:刀】。少し短めで。鉄だけじゃなくオリハルコンとかの鉱物も選べるんですね。自分の体格に合った刀が出てきます。使いやすそうです。
そういえば持ち歩くために鞘もいりますね。【材質:皮】【形状:刀】
コロコロしましょう。すっぱーん、という感じでオオカミの頭と首が分かれます。切れ味いいですね。狼を1撃ですか。やはり伝説の鉱物にしたからですか?収納に入れておきましょう。
状態にもよりますけどウルフの大体の価値は1匹50レオル(レオルが価値ですね)前後...石貨5枚なようです。石貨1枚が10円、銅貨1枚が100円ほどの価値らしいです。安いですね、これじゃあ足りませんか。
あと100匹ほどあればいいですかね。3秒で終わりますし、5000円あればしばらくは持つでしょう。最高速度で、切っては収納していきます。
3秒後。森の魔物がほぼいなくなりました。特に問題は...ありそうですがないという事にしましょう。町に行きますか。
=======≫カートスの街≪=======
ここはカートスの街というのですか。持ち物検査などの審査の列ですかね?並びましょう。
ぼーっと並んでいると、後ろが騒がしくなりました。
「王子の視察であるぞ!平伏せよ!」
あんなに大声出して、うるさいし迷惑じゃないですか。面倒臭い...
「そこの娘!平伏せよと言っている!聞こえんのか!不敬であるぞ!」
??どこの娘でしょう?周りはみんな平伏していますし。
と思っていると、隣の人のよさそうなお時差、お兄さんが声を掛けてきます。
「嬢ちゃん、嬢ちゃんのことだよ」
「え?自分のことですか?なぜ自分が平伏しなければいけないのでしょう?たかが王子でしょうに」
「っ!!捕らえよ!あの娘を捕らえよぉぉぉ!!」
「何ですか急に」
顔を真っ赤にした騎士の命令で騎士が幾人も突っ込んでくる。にしても遅い。
「<神の鑑定眼>」
一番高い人でレベル84。速度は1058ですか。遅く見えるのは当たり前ですね。
「はぁ、その程度じゃ自分を捕まえるなんて無理ですよ」
「っ!消えっ!」
落胆。後ろの人を考慮して前につっこんで、彼の騎士らの目の前でジャンプ、後ろに着地。
「てないですよ?」
「はっ⁉い、いつの間に」
「王子だから先に行く、っていうのはまだわかりますよ。ですが、平伏せよ、は違うと思うのですが?」
どうですか?と問う。
周りの人はみんな目を丸くしている。
「貴様ァ!どこの国の人間だ!親はどこにいる!」
「さァ、知りませんね。自分は気付いたらそこの森の中にいたので。狩りをして生活していました。親は、強いて言うなら神々ですかね」
次の瞬間ただでさえ赤い顔をさらに赤くして唾を飛ばし怒鳴ってきます。
「貴様!神々などと宣うな!不敬であるぞ!神の子である王族に対しその言、ただで帰れると思うなよ!」
「さっきから不敬だ不敬だと幾度も言っていますけど、それは本人が決めることで、あなたが決めることではないと思いますが、違いますか?」
「ぐっ!」
正論に思わず押し黙る騎士っぽい人。そこに、別方向―――馬車から声がかかる。
「クレイズ、何をしているの?」
「お、王子!この娘が平伏せず、王子方を侮辱いたしますので捕えようとしたところ、反発するのです!」
「へぇ、そうなの。ねぇ、君の名前は?年齢は?」
10歳ほどのオウジサマによる子供らしい好奇の瞳と質問に少し眉を顰めるも、その奥に隠された何かを認知し、少し厄介そうだと思う。
「神の子であるオウジサマに名乗るほどの名はありません。年齢は知り〔5歳って言いなさい〕...5歳です」
【急に神託しないでください、アルナ様】
〔ごめんごめん〕
「ふぅん...年齢の割には落ち着いてるね。ところで君、そんなに強いなら僕の騎士にならない?」
「「はい?」」
「なぜですか?」
なぜ自分が騎士に指名されるのかが全く分からずに先ほどよりもわかりやすく眉をひそめて見せます。
「だって、グレイズよりも強いでしょ、君。王子である僕の騎士は強くなくちゃいけないからね」
先ほどは大人びているように見えましたが、やはり子供らしい自己中心的な性格だったようです。再び落胆。にっこり笑って言い放ってやります。
「お言葉は嬉しいですが、自分は自分より弱い者に仕える気はありません」
〔そんなのパンドラを従えられるものなんていないじゃないか〕
【当たり前ですね】
「だから、そうですね。なんでもいいので、自分を負かしてみてください。そうすれば騎士になることも前向きに検討しましょう」
もちろんあくまで『前向きに検討』するだけですが。これの意味を分からないような方に仕えたくはないですしね。
「そうか。なら、そうだな。礼儀作法について、とかどうだろう?」
「そこまでして勝ちたいんですか。いっそのこと清々しいですね」
〔ちょっ!パンドラ、大丈夫なの?〕
【アルナ様がサポートしてくれるでしょう?】
〔礼儀作法に詳しい神呼んでくる。無茶ぶりはやめてよ!〕
【すみません、ありがとうございます】
そして転生二日目でありながら、なぜか礼儀作法対決をすることとなりました。解せぬ。
礼儀作法対決、勃発!