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第1話 転生お願いした

はじめまして。一作目なので、覚束ない物あると思いますが、頑張るのでよろしくお願いします。


会話を結構変更しました。


2021/2/27

改稿しました。


2022/7/19

大幅に改稿しました。


2024/4/10

気付いたら2024年でした。

再びの大幅改稿です。

 


 ━━━━━━━━目が覚めると、上下前後左右、全てが白く塗りつぶされた空間にいた時、人はどういう反応をするのでしょうか。


「(とりあえず、ここはどこなのでしょう)」

「ウケるわね、なにそのありきたりな感想」


 フッ、と到底似合わないニヒルな笑みを浮かべる目の前の幼女は、奔放に跳ねた派手な桃色の髪にギラギラ輝く金の瞳を持っています。目に悪い。


「(この幼女、どなたでしょう?)」

「はぁ?誰が幼女よ!どう考えてもないすぼでぃの美女じゃないのよ!!」


 ぷく―、あるいはむすーという効果音が聞こえてきそうな感じの顔をする幼女、もといないすぼでぃの美女(冷笑)

 どう見てもツルツルぺったんこな幼女でしょう...と一部を見て思いましたが、自分は何故か今声の出ない状態で、なのに会話ができていると言う事は、そういう類の能力を持つ超能力者、或いは人の心を読むことが出来る上位種……言うなれば神と呼ばれる種でしょうか?


「ええそうよ。馬鹿(ヒト)のわりには話がわかるじゃない!」


 残念ながら、一応は現実主義者(リアリスト)を自称する自分はそんな存在を信じていませんが。


「(しかし、確かに――)」


――言うなれば、畏怖。

にこりと笑みを形作る(くち)に反し、じいとこちらを観察する瞳は到底人のものだと思えないほどに美しい、のでしょう。


「(こういう美的感覚と呼ばれるものに関し、自分はイカレている方だと言われるのですが)」

「少なくとも第六感に関してはイカレてないわよ。私は神――女神アルナ。貴女には特別に、アルナ様と呼ぶことを許可しましょう!」


 次はドヤァですか。随分と感情表現が激しい女神さまですね。

 神、と言えばヒトよりも上位の種であるはずですが、感情表現はヒトと変わりないように――否、一部のヒトよりも人間臭く感じます。


「さて、最初の質問に答えましょうか。ここは、サントルナティア――貴方達地球人が言うところの剣と魔法の異世界よ!」


 ナ、ナンダッテー!?

 無い胸を張るアルナ様に、心にもない驚きを心の中で返す。面倒なのでそれも一瞬のことで、ところで、と彼女に問うた。


「(どうして、自分がここに?)」

「切り替え早っ!はぁ……私も知りたい!貴女を喚んだ覚えはないもの!!」


 貴女(自分)を喚んだ覚えは無い……ですか。はてさて、もしやですが。


「(姉と間違えましたか?)」


 そう伝えれば彼女の目の前にいきなり水晶のようなものが現れました。そこに、自分とよく似た――けれど自分のような凡庸の目から見ても明らかにオーラの違う人間を映し出します。


「これ、お姉さん?」

「(ええ、そうですね。能力的にはともかく、確かに自分の血のつながった姉です)」

「なるほど、間違えたのね! いやーめんごめんご」


 ニコニコと随分と楽しげに笑う彼女。いちいち無駄に癪に障る言動ですね。


「(なに笑ってるんですか…原因も、人違いもわかったことですし、元の世界に帰してください)」

「ごめんね、無理!」


 全く悪びれる様子もなく満面の笑みで軽く謝る様子にイラつきましたが、とりあえず話は聞いてみよう、と落ち着きます。


「ま、帰れないこともないけど、世界間の行き来ってのは膨大な力がいるの!」


 彼女は右手の人差し指を立てて説明口調で話しながら、自分を見ていた顔を目の前の水晶に移します。


「残念ながら彼女を喚ぶのにその力使わなきゃいけないから、貴女を帰すことはできないんだ。分かる?」


 次は諭すような口調でまたこちらに目を向け、にっこり笑います。殴りたいこの笑顔。


「(…なぜ、姉を?)」

「んーと、元々君の姉って、こっちに勇者として生まれるはずだったんだよね。それが手違いで地球に生まれちゃって、だから勇者として召喚しよって思ったんだけど...」


 さらなる手違いで自分が喚び出された、と。


「っていう、建前」

「(……建前?)」


 タテマエ、ですか。彼女にもなにか事情がありそうですね。


「…けど貴女、向こう(地球)で異世界もの好きだったらしいじゃない? ()()()()の力あげるから、こっちで恙無く生きてくれない? 人が一人生きた分のパワーがあれば十分地球の輪廻の輪に戻してあげられるから」


 話をそらしましたね。まぁ、いいでしょう。この世界の知識も教えてくれますか?


「欲しい能力言ってみて? ()()ではあんまり強すぎるとあげられないけど、種族とかスキルとかは制限緩いから。知識は詰め込んでおくわ!」

「(分かりました)」


 さて、どうするか。浪漫か現実か。浪漫を取れば生存確率は低くなるが生き延びれば楽しい生活が待っているだろう。現実を取るとすれば、神と同等とは行かないまでもある程度近い力を授かれば無双状態で俺TUEEEE!!!になることは必至。どうせなら自分の知恵と力のみで成り上がりたいと思うのはどうしようもないオタク心だ。しかしこの生が終われば地球の輪廻に戻されることが確定している。つまり輪廻転生を考えると最終的には記憶なしで生まれ変わるということ。


「(まあ、死んだらその時はその時か)」


 どうせ転生が確約されているのなら、別にロマンを取ったっていいでしょう。


「(…ということでお願いします)」

「考えを読み取れって? わかったわ! ……貴女、相当細かいわね」


 貴女には細かくしないと、絶対ステータスを適当に組むでしょう。自分はそういう軽いノリの人のことは良く知っていますよ。

 とりあえず、よろしくお願いしますね。


「おっけい! 貴女の知識で言う中世くらいの世界観で、命の価値って結構軽いから、しばらくは死なないように頑張ってねー」


 へぇ…薄々察してはいましたが、命の価値が軽い、ですか。


「アハ、悪い顔してるねー」


 盗賊などもいるということですし、生きるためにならいいですよね?


「いいよ、そこら辺なら」


 ありがとうございました。貴女のお陰で愉しくなりそうです。


「んー、()()()こうなったか…人間の敵なら、もっと手応えのある冒険者とかの方もできるわよ。忌避感がないなら魔物にしてあげてもいいけど」


 勧めるということは何かあるんでしょうね。ここは貴女の思惑に乗って魔物になりましょう。


「(ところで、殺す生物に制限などはありますか?)」


 そう聞けば、彼女はからからと笑って好きにすればいいわ、と頷きました。

 先ほどから随分と年寄り臭いというか、なんというか…神だと言ってましたが何歳なんでしょう?


「元はと言えば私の手違いだし、命はすべて運命に従っているから。死因が違うだけ。君が殺したところで問題はないよ」

「(なるほど)」


 …なるほど。命は全て運命に従っている、つまり自分も――。


「(アルナ様、ずいぶんと目をかけていただきありがとうございました)」

「せいぜい生き延びなさいよ!」


 激励をありがとうございます。そうですね、しばらくは生きてみましょう。


「(ではアルナ様、また)」


 自分の足元から光に包まれて消えていきます。


「うん、バイバイ…私たちの娯楽のために、せいぜい頑張ってね」


 頭の先が消えていく最後、ぼそりとつぶやかれた言葉は、ギリギリ自分の耳に届くことはありませんでした。

アルナ「私の娯楽のためにコメントと星を絶対お願いね!」

皆さんご存じアルナ様は娯楽の神です。こういう設定は、コメントと星によって暴露していきます。ということでどうぞよしなに!

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