表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
男だけど性転換してユニコーン騎士になっている件について  作者: どくどく
グテートス奪還 1日目 ~グテートス周辺浄化開始
25/61

テオとヒデキ

 魔族の触手に絡み取られた青螺旋騎士団。

 シャーロットもノエミも、そしてハンナも触手に動きを封じられ、拘束されていた。このまま魔族により捕らわれてしまうかと思いきや、ただ一人その拘束を逃れた者がいる。

 そのテオが、果敢に槍を構えて魔族に向けていた。


「騎士長!?」

『イリーネ……無事だったのね!』

「流石団長ですわ。この奇妙な生体鞭の動きを避けただなんて……」


 一人無事な団長の存在に希望を見る青螺旋騎士団員。その存在に魔族ヒデキも驚きを隠せなかった。

「ば、馬鹿な!? この僕の『完璧触手パーフェクト・テンタクル』から逃れた……だと! そんなことができるのは複数のLV3スキル持ちか、同じ転生者のチート能力を持つ存在だけなのに……!」

「その者たちを放しなさい。今なら見逃してあげましょう」


 槍を向け、静かに告げるテオ。

 一見相手の能力を凌駕して慈悲をかけている様に見えるが、真相はそうではない。

 ヒデキの『完璧触手』はその言葉通り触手を自在に操り、『完璧な』仕事をさせる能力である。それは『敵を全滅させろ』と命じれば例え軍隊でも全滅させることができるし、『増え続けろ』と命じれば無限に分裂する。どんな命令でも『完璧に』こなす触手を使役する能力だ。

 ヒデキの命令は『そこの女達を捕まえろ!』だった。そして触手はその命令に従い、女性を捕らえた。だがテオは女体化しているとはいえ、元は男性である。ユニコーンすら騙す呪いの霊薬だが、『完璧な』触手はそれを見抜いていた。そしてテオが男だとわかると、その命令範囲外と判断して拘束しなかったのだ。

 そしてそれをテオが理解してやったのかと言うと……。


(よくわからないけど……助かったぁ……)


 そんなわけはなかった。心の中で涙を流しながら、必死に槍を向け続けるテオ。


「そういえば、こいつはステータス確認してなかった……顔アイコンのないユニットだから雑魚だと思ってたけど……」


 魔族ヒデキは慌ててテオを指さす。魔力がテオの肉体をサーチし、その情報を入手していく。ヒデキの頭の中に直接送り込まれるデータ。


(知性C+、魔力C、武勇D+……騎士団に居ること自体がおかしいぐらい低いステータス……だけど妙だよ、これ。表示が少しバグってる。名前も『テオフィル』っていう男のモノだし、性別表記は意味不明な記号になってるし……でも3サイズはH85W60H88のDカップだし状態も『処女』だし……スキルも一個表記が分からないのがあるし!)


(落ち着け……とにかく事実としてこいつは僕の『完璧触手』が効かない。ステータス的に負けるはずがないけど、その謎のスキルが怪しい。とにかくこいつはバグ的存在だ。この世界の『勇者』かもしれない。秘めた力を持つ相手に迂闊に手を出せばやられてしまう。そんな第一部の雑魚的存在は御免だねー!)


 ――実際の所は、魔族ヒデキが見ているのは『性転換の霊薬で呪われた』テオである。その為名前表記は『テオフィル・ゲブハルト』となり、性別も呪われているため不明。3サイズはそのまま体系をサーチし、処女も同じである。

 そして彼が恐れる『表記不明のスキル』は何かというと、『性転換(呪い)』である。だが文字化けしているのか、ヒデキの頭の中には正確に伝わらなかったのだ。

 つまり、ヒデキがテオを恐れるのはただの勘違い以外の何物でもない。


(どう言う理由かはわからないけど、あの魔族はボクを恐れている……)

(そしてそれは『良くわからない』者に対する恐怖だ)


 手を出してこない魔族の顔を見つめ、テオはそんなことを推測していた。どういう理由かは不明だが、あの魔族はこちらへの攻撃を躊躇している。

 それは『弱い』テオだからこそわかることだ。自分より強い者や、正体不明な者。そういった相手に抱く感情。それはテオにもよくわかっていた。

 なぜなら、テオ自身がその経験をたくさん重ねているからだ。

 圧倒的な才能を持つ姉。底の読めない兄。この二人の背中を見て、そして天才の壁に打ちのめされたテオだからこそ、魔族ヒデキの心は手に取るように分かる。

 ならば――



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ