表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/24

4話

「まあ、これは言い訳にしかならないが」

と強盗は言い、話始めた。

彼が幼い頃だったと言う。家族仲良く暮らしていた。ただただ幸せに暮らしていた。そんなときだった。彼の家に、犯罪者が入ってきた。その人は、国際手配の殺し屋だったらしい。殺し屋はもちろん人殺しだ。その人は強盗以外の家族全員を亡き者にした。強盗だけは、傷が浅かったため助かった。しかし彼が目覚めたとき、目の前には家族の死体が転がっていた......彼の家は代々漬け物を作っていた。せめて、漬け物作りは続けようとした。が、就職難の今、仕事は見つからずにいつしか貯金がきれた。漬け物作りの資金が必要だったことで今に至ったらしい。

「本当にくだらないだろう。漬け物のために強盗なん か」

私は、ぶんぶん首を横に振る。私は話を聞いて涙を流していた。

「くだらなくなんかありません。確かに言い訳だし、

強盗はしちゃいけないことですけど......」

強盗は、私の言葉を聞いて今にも泣き出しそうな顔をした。そして微笑み、私に謝った。私ははじめて見せる彼の表情に、ドキッとした。

「こんなことで人質にして悪かった」

そう言って、彼は謝り続けた。

「家を継ごうって気持ちはすごいです。私は逆でした

から」

「家出か?」

「はい......あの、私、あなたの漬け物が好きです。」

彼は、笑顔を見せた。根っからの悪人ではないようだ。いつしか、私は彼に惹かれていた。

その日は、二人でずっと語り合っていた。私は強盗に心を開いていた。今までこんなことはなかったので、この気持ちが何なのかは分からなかった。

次の日もそのまた次の日も壺の整理を手伝った。今までは嫌だった整理も一生懸命になれた。私は不思議な気持ちに支配され、しばらくは思い悩んだ。ふと、何かが頭の中をよぎった。

「そういえば、あの人の名前知らないかも。いつまで

も強盗って呼ぶわけにはいかないし......」

思い立った私は、すぐに強盗の元へ向かった。

「あの、名前。えっと、教えていただけませんか?」

「そうだな。お前は何となくだが信用できる気がする

しな」

私は、彼から名前を教えてもらった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ