の偵察隊が逃げる
茂みの中からゴブリンの偵察隊が逃げる
街道の中盤、丘陵の陰に差しかかったところで、道の脇の茂みが小さく揺れた。
エルがフェアリーの光を受けてすぐに感知する。
「ゴブリンの偵察隊です。三匹。こちらに気づいて、逃げようとしています」
茂みの中から小型のゴブリンが三匹、慌てた様子で飛び出し、街道の反対側の草むらへ向かって走り出した。武器は持っているが、戦闘の意思は全くない。ただ情報を持ち帰るために逃げている様子だった。
リナが新しい刃を構えるが、追いかけるのは止めた。
「偵察隊だね。深追いしなくていいよ。報告だけしとけば」
セラが盾を軽く構え、警戒を続けながら見送る。フェアリーが逃げ去る方向を軽く舞い、大きな脅威がないことを確認した。
四人はゴブリンの偵察隊を無理に追わず、巡回を再開する。
街道の静けさが、再び戻ってきた。
偵察隊の連絡で包囲、そして激戦
ゴブリンの偵察隊を見送った直後、街道の前方と左右から新たな気配が広がった。
エルがフェアリーの光を強めて感知する。
「偵察の連絡が届いたようです。小部隊が包囲網を形成しています。逃げようとしていた方向に、チャンピオンの反応があります」
前方の道を塞ぐようにゴブリンが六匹現れ、左右の茂みからも追加の個体が顔を出す。そして、先ほど偵察隊が逃げた方向から、赤い布を巻いたゴブリンチャンピオンがゆっくりと姿を現した。棍棒を構え、こちらを睨んでいる。
「包囲されています。突破します」
セラが前に出て盾を構える。俺は彼女の胸に手を強く置き、防御魔力を厚く補充した。新しい剣が魔力をスムーズに通し、刃に淡い光が宿る。リナが加速魔力を受け取り、新しい刃で側面のゴブリンを鋭く斬り刻む。エルがフェアリーの浄化光を最大限に受け、チャンピオンの足元を拘束する魔法を放った。
チャンピオンが重い一撃を叩きつけてくる。セラの強化された盾が衝撃を斜めに流し、彼女は踏みとどまった。俺は新しい剣でその腕を斬りつけ、リナが背後から膝を深く刈る。包囲のゴブリンたちが次々と倒れていく中、チャンピオンが体勢を崩したところをトドメが刺さった。
激しい戦闘だったが、新しい装備と循環、フェアリーの支援で連携は崩さなかった。
「殲滅完了です。包囲は破れました」
エルが息を弾ませながら告げる。フェアリーが四人の胸の近くを激しく舞い、乱れた魔力を浄化していく。
街道の激戦は、四人の新しい力で確かに終わった。
(続く)




