出発
翌日の早朝、北門から深部丘陵へ
早朝、四人はフェアリーとともに北門を出て、北部深部丘陵へと出発した。
街道を進むにつれ、周囲の木々が深くなり、空気がひんやりとしてくる。途中、ゴブリンの小集団が三度襲撃してきた。いずれも五〜六匹程度で、街道の脇から飛び出してくる。
一度目は森の入口付近。セラが盾で受け止め、俺が胸に触れて防御を補充し、リナが側面から斬り込んで短時間で殲滅した。
二度目は少し進んだ岩場。エルがフェアリーの浄化光を受けながら魔法で足元を拘束し、連携で素早く処理する。
三度目は深部に近づいた薄暗い道。数が少し多かったが、循環を崩さず、フェアリーの支援で魔力の質を保ったまま撃退した。
戦闘を繰り返しながら進むと、日が傾き始めた頃、途中の小さな村落が見えてきた。
「今日はここで宿泊しましょう。深部まではまだ距離があります」
エルが静かに提案する。四人は村落の宿屋に部屋を取り、フェアリーとともに一夜を過ごすことにした。
深部への道のりは、まだ続いていた。
村落の宿屋 ― 雰囲気と食事
村落の宿屋は、街のものより小さく、木の温もりが強い建物だった。
一階の食堂はランプの光が柔らかく、壁に干し草と木の匂いが漂っている。カウンターの向こうには、宿の女主人が立っていた。四十代前半の女性で、薄いエプロンの下のシャツが透け、豊かな乳房が揺れている。彼女は四人とフェアリーを見て、優しく微笑んだ。
「ようこそ。深部へ向かう方ですね。今夜はゆっくりしていってください」
夕食は素朴ながら温かいものだった。焼いた鳥の肉と根菜のスープ、焼きたての硬いパン、少量の漬け物。スープは野菜の甘みと薄い塩味が溶け合い、一口すすると体の芯から温まる。パンは噛みごたえがあり、スープに浸すと柔らかくなった。肉は香ばしく、旅の疲れに染みる味だった。
フェアリーがテーブルの端で小さな光を揺らし、食事の時間を静かに照らす。リナがパンをちぎりながら笑う。
「街の宿より素朴だけど、美味しいね。体に染みる」
セラがスープをすすり、少し肩の力を抜く。エルは静かに食事を進めながら、明日の深部に向けた魔力の状態を確認していた。
宿屋の空気は穏やかで、外の夜の冷たさから守られているように感じられた。
村落の一夜は、素朴な食事と温かい雰囲気とともに、静かに更けていった。




