6 王子たちの末路
すみません、題名間違えたので直しました。(-_-;)
「お帰り、レジーナ」
「ああレジーナちゃん」
「お待ちしておりました、お嬢様」
領地の屋敷に帰宅したレジーナを、両親や使用人が迎え入れる。
「お前には苦労をかけて済まなかった」
「大変だった時に力になれなくてごめんなさい」
優しい言葉にレジーナは涙ぐんでしまった。
今この地は公爵領ではなく公国だ。
レジーナはゆっくり過ごしながらも情報は集める。
トーン王国はまだ騒動が収まっていないらしい。
ベネット公爵はトーン国に娘の冤罪を公表した。
それによりオーディナルは王族から籍を外される。
騙されたとはいえ公爵家の令嬢をおとしめ、さらに戦線を放棄したのだ。
王家もさすがにかばわなかった。彼には兄が2人いる、惜しくはないらしい。
領地もない彼は王妃の実家に引き取られた。おそらく一生部屋住みだろう。
デューカスは王子を正せなかったことを咎められ、婚約も破棄された。
嫡男ではないので文官になるらしい。まあ広まった悪評は消えないだろうが。
ショーンは家を継げるはずだったが廃嫡された。子爵家を残すため切り捨てられたのだ。
財産も渡されることなく、1人の平民として生きるしかない。
行方不明だったサーベルトは生きていた。
王子たちを逃がすため囮になったとか。
そしてサーベルトの証言で、囮を提案したのがフローラルだったことも分かる。
「君のために俺は命をかけたんじゃないか」
「あら、あたしはそんなこと頼んでいないわ」
彼女に再び会うため、命がけで戻ってきたサーベルトだ。しかし顔に大きな傷を負った彼を、フローラルは見捨てた。
(彼女らしいわ)
気がついた時には言いくるめられていたのだろう。
1人敵を食い止めたのをサーベルトの独断にされ、彼は姿を消す。
ジェームズの親が経営する商会は破綻した。
ベネット公爵家が取引を全て終了し、圧力をかけられたのだ。無事には済まない。
全財産を失ったジェームズは仲間に泣きつくが、誰も助けられる状態にはなかった。
そして元凶のフローラルは、どうにか貴族の地位を保持できたデューカスを追いかける。
「ああ、それがレジーナを苦しめたのだったか」
しかしベネット公爵がフローラルを許すはずがなかった。
知り合いに手紙を送りまくる。
「これで彼女を歓迎する家などなくなるさ」
レジーナに向け公爵はほほ笑んだ。
しばらくして届いた手紙には、父親の言葉通りが記されている。
貴族社会の鼻つまみ者であるフローラルを、養父である男爵も見捨てたのだ。
フローラルは修道院に送られるが、その途中で悲劇に見舞われる。
馬車が襲われ、フローラルは刺殺された。
生き延びた御者は彼女をうち捨てたまま町に戻る。
助けを呼ぶためには仕方がないのだろうが、そのせいで警察が発見した時には遺体は野獣に食い散らかされ、無残な状態だったらしい。
新聞は推理する。
『犯人は以前彼女に捨てられた男だろうか? 真相は闇の中である』
記事を読みながら、レジーナは1人フローラルの死をかみしめた。
(あの方は何をなさりたかったのかしら)
彼女のことは大嫌いだった。
その死を聞いても心が痛まないほど。
(だけど)
もし、王子妃の立場を狙わなかったら。レジーナに濡れ衣を着せなかったら。そもそも嫌がらせなんてしなかったら。
男爵令嬢としてそれなりに幸せに過ごせたはずである。
涙が、一筋こぼれた。




