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隣国で愛されますからお気になさらず  作者: ノーネアユミ


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1 婚約破棄と国外追放

 テンプレ感てんこ盛りの作品を作ったら人気は出るのだろうか? を検証するため描いてみました。

 パクリ疑惑がありましたら指摘して下さい。削除するか直します。


「レジーナ・ベネット、話がある」


 その日のレジーナはいつもより早く家を出た。

 今日は学園の卒業パーティーだから。


 まさかそのおめでたい場所で断罪されるなんて。



「お前のような悪女とは婚約破棄だ」


 やっとこの難儀な学生生活とお別れできるとホッとしていたレジーナは想定外の出来事に息を飲む。


 ホールの中央で、婚約者のオーディナル第三王子が声を高らかに上げていた。隣には着飾った少女を侍らせて。

 平民出身で男爵家の養女で、卓越した治療魔法のため聖女とあがめられているフローラル・ガーデン。

 彼女はレジーナが一番会いたくない相手だった。



「貴様は聖女のようなフローラルに毎日悪口を言ったそうだな。私物を隠し、困惑する彼女を笑いながら見ていたとか」


 王子の言葉にレジーナは首をかしげる。

 彼女がやったとされたことはことごとくフローラルがレジーナにしたことだ。


「逆ですわ、先生方に確認は取りましたの?」

「ふん、見苦しいな。貴様のことだ、買収でもしたのだろう」


(どうして、そんな)


 余りにもいわれのない罪に、レジーナは恐怖で声が出せなくなる。



「それだけならまだしも、フローラルに毒を盛るとは」


 それもレジーナが受けた仕打ちだった。

 三日三晩苦しんでやっと回復したのは記憶に新しい。


(なのに、なぜわたくしが彼女を害した話に作り変えられているの?)


 レジーナがふせっていたことは婚約者だって知っているはずだ。


「お前は自分が犯人であることを隠ぺいするため、自分も毒を盛られた演技をしたそうだな。医者まで巻きこんで」




 ああそうか、とレジーナは納得した。

 もうオーディナルはすっかりフローラルに魅了されている。

 彼女の言葉を丸々信じこむ程度には。


 レジーナは彼らの後ろにひかえる側近に目を向けた。



 侯爵令息デューカス・ロングは生真面目な顔でレジーナをにらんでいた。


(殿下との仲を相談しても、わたくしに非があるようにしか受け取らなかったわ)

 

 彼もフローラルと親密にしていた。手をつないでいる場所を目撃してから、彼女の攻撃がより増えた。



 隣ではショーン・グラッシーズ子爵令息がメガネを光らせる。

 穏やかな性格だったがフローラルが側に寄るようになってから、レジーナへの対応が陰湿になって行った。



 ジェームズ・リッチーは侮蔑的な笑顔を浮かべている。

 裕福な商家の息子は話し上手の人気者だったが、フローラルに言いくるめられレジーナを嘲笑するように。



 サーベルト・マークス伯爵令息は剣に手をかけている。今にもレジーナに切りかかりそうな形相で。彼もまたフローラルに心酔していた。




 周りの学生たちは誰も声を上げない。教室でレジーナが受けた仕打ちを見ていた生徒は多かったはずだが、王族には反論できないのだろう。


 いや「まあやっぱり」とクスクス笑う数名はいる。

 フローラルと一緒に嫌がらせを楽しんでいた女子生徒たちが。



「ここにいる勇気ある者がお前の罪を僕に訴えてくれた」


 彼女たちが虚偽の証言をしたようだった。


「そして僕の寵愛がフローラルに移ったことを恨んだ貴様は、この僕まで呪い殺そうとしたな」


 王子の側近がスッと不出来な人形をさし出す。


「この呪いの人形が証拠だ!」



 もちろんレジーナには見覚えがない。

 そもそも彼女は呪詛の力など持たなかった。


 もし持っていたらフローラルを殺していただろう。



 彼女らの嫌がらせは決して証拠を残さなかった。


 面と向かって悪口は言わない。だがレジーナが聞こえる場所を選んでいた。

 隠された私物は探せば出てきた。盗んだ罪に問われないように。しかし必ず汚れや破損が、目立たないようにつけられていた。


 毒だってレジーナ1人を対象にしない。

 レジーナが茶菓子を食べざるを得ない状況に追いこみ、自分たちも口にする。茶会の後ですぐ吐き出せば軽傷で済む。

 相手がためらいもなく口にしたのでレジーナは対処が遅れた。



 陰湿すぎて、具体的な被害を父親の公爵に伝えるのも遅れる。

 そして大人に助けを求めた時でさえ、父も教師も身分の低い側がそんなことをするはずがない、と取り合ってくれなかった。


 レジーナの気のせいにされたのだ。




「王族を呪う不届き者との婚約など破棄し、国外へ追放とする」


(そんなのおかしいわ)

 

 一国の王子と言えど、裁判もなしに刑を決めることはできない。

 だがレジーナの口から声は出なかった。

 悪意に心が削られ続け、体が先にあきらめてしまう。正当な主張すらできない。



「衛兵よ、この女を連行せよ」


 オーディナルの手先がレジーナを拘束する。

 レジーナは無理やり引きずられ、そまつな馬車に押しこめられた。




 ガタゴトガタゴト、着の身着のままでレジーナは馬車に揺られた。


「せめて家に帰らせて下さい」


 衛兵にすがるも無視される。


 無力感に打ち負かされたレジーナは、意識を失った。


 断罪の場で言い訳ができないのはパニックで言葉が出なくなるからかなーと思います。

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