第8話
家の中は外と同じぐらい荒らされている。
何のためにここまでするのかわからないほどだ。
だが、目的になっている場所は荒らされている中でも侵入ができなかったようだ。
「ったく、これじゃあどうなってるかわからんぞ」
それでも部屋へ入るためには、壊されている建材やものなんかを退かせる必要があった。
家に入ってから、普段なら3分かからないくらいで入れるはずなのに、今日は1時間を超えて、ようやく扉が出てきた。
「えっと、パスワードは……」
ダイヤル式錠を右へ左へと何回か回すと、扉の鍵が開く。
カチリ、と4回目の振動を感じると、ようやく部屋の中が確認できるようになった。
「まだ残っているな」
1ヶ月に1回は必ず確認しているこの部屋は、いわゆるパニックルームだ。
壁にはUPSがたくさんあり、30分は発電機を使わずに電化製品を動かすことができる。
部屋は10畳くらいの大きさで、そこに多数のラックを設置して、食べ物や飲み物を3週間分は確保していた。
何かあった時用に備えておいたものだったが、家にいないときにそれが起こってしまったから、ようやくこれからが本番と言ったところか。
「さて、何を持っていくか……」
部屋の中に何があるかは、俺が把握している。
だからこそ、何を持っていくべきなのかも知っていた。