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第11話
「……なんだよ、これ」
市役所へは路面状況最悪な道路を通って、ようやくたどり着いた。
15分あればつくところ、1時間半は軽くかかってしまった。
そうやってたどり着いた市役所であっても、誰かがいるかとは思ってはいなかった。
そして、荒廃しきっている市役所を見てから、その覚悟はより一層強くなっていく。
市役所は地上5階、地下2階建てで、道路に面して直方体のようになっている。
玄関のところに大きなひさしと、道路から引き込まれている乗り降りができる場所があったが、それらのところにはすべて大慌てで作っただろうバリケードがあった。
だが、そのバリケードは、明確に攻撃跡と、地面を抉る砲弾のあとが残されている。
どうみても攻撃を受けたのは明らかだ。
当然、玄関部の自動ドアのガラスをはじめとして、それ以外のところも風通しがよくなっていた。
俺は車を車寄せのところ、バリケードで邪魔にならないところに止めて、市役所の中へと入っていった。