第一話 プロローグ
童貞のまま30歳をになると魔法使いになるらしい。
それも良いけども、30歳にならなくても魔法みたいなのが使えるといいな。
「わたしの思い届くかな。。。」
教室の窓際に飾ってある花瓶に丁寧に水をあげている空くんの姿を愛おしく思う。
落ち着いた雰囲気で少し微笑みながら水をあげている空くん。素敵だな。
今は教室にいるのは、水やりをしている空くんと日誌を書いているわたしだけ。
わたしは今日、空くんに思いを告げたいと思う。
授業の実験とか、グループディスカッションでしか話したことがないけども、話し方や一つ一つの行動から優しさが溢れている。そんな優しい空くんが好きだ。活発な性格ではなく、小学校からの親友といつも二人ぼっちで過ごしているし、彼女がいるという噂もないからその辺は大丈夫かな。
あとは、わたしの勇気を振り絞るだけ。。。
この数日間何度も何度も「好きです」って言えるように練習したんだもん。
大丈夫。
水やりが終わり、空くんが水道へ向かう足をわたしは止めた。
「あのね、空くん話したいことがあるんだけども、いいかな?」
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「そろそろ決める時期じゃないかな。淫乱色ボケ女を。」
「なんて言い方するの、『女帝』でしょうが。」
「だって、男の子を従え回るからまさにそうじゃん。」
「確かにそうだけども、、、」
「今の女帝が18年前につけて回った紋章を持っている「魔童師」たちは無事育っているかな。」
「問題なく、みんな育っているよ。18歳になっても童貞のまま。4つの町で計69人だね。」
「そっか、3人はせめて従えたいかな。参加する女は結構いるよね。」
「それはいるね、世界の運命を握る力が手に入るんだもん。」
「世界の運命か、手に入れたら何しよっかな。」
「参加するからには、ちゃんと女を磨いておきなさい。魔童師見つけても、落とせなければ魔童師の能力が発動しないんだから。」
「わかってるよ、エステ行ったら出発の準備をするわ。」