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~見える僕と見えない姉~
僕には姉がいる。
小さい時から頭の上がらない姉が。
それは、二卵性の双子の姉、秋音。
いや、姉が一人いるのではなく、あと二人。
つまりは三人の姉がいる。
一番上は春香、二番目は夏海、そして三番目が秋音で、僕が四番目の冬樹だ。
頼れる兄、とかいう存在は無い。残念ながら男は父さんと僕だけだ。
そして、父さんは出張で長く家を出ている。
母さんは去年僕らが中学生までは家にいたが、高校に合格した途端に父さんの所に行ってしまった。
一番上の姉は社会人になって、家を出てしまっている。
あとは大学生の夏海と僕ら高校生になったばかりの二人だけ。
そんな三人だけで、父も母も長女もいない広い家に暮らしている。
あ、忘れていたが、僕の名前は城見冬樹、これから話すのは城見家の起こした、もしくは起こされたというか、巻き込まれたが正しいかも知れない事々だ。