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失恋ドライブ

作者: 碧花

君にフラレて気分転換に1人ドライブ。


「ゴメンナサイ…!」

君は俯きながら、可愛い小さな声で、でもはっきりと。

その声がこのドライブのセットリスト。


「好きな人がいるの」

僕は背が低くて格好悪くて取り柄もない。

君が好きな人は背も高くて格好良くて、なんでも出来る凄い人なんだろう。

僕は会ったことのない彼に嫉妬する。

悪の感情を握りしめた拳がクラクションを押そうとする。


「このことで関係を悪くしたくないの」

君は真っ直ぐな目で僕を見つめる。

あの時、僕の心臓はその目に撃ち抜かれた。君は誤射してしまったようだね。

僕も君との関係を悪くしたくない。友達でいたい。君の笑っているところが見たい。

僕はハンドルを握りしめる。クラクションを押すのを我慢して。


「これからも…よろしくお願いします!」

君は僕の目を掴むように見る。

待って、また誤射しないでね。

そんな目で見ないで。

ダメ、ダメ、ギュッてしたくなる。

ダメ、ダメ、そんなことは絶対に許されない。

百年経っても、千年経っても、『好きな人をギュッてしていい』なんて法律はつくられない。


…そんなバカなことを考えていたら、目の前に大きな丁字路が現れた。

目的地の海は右折。

左折したら何処に辿り着くのだろう。

なんとなくだけど、樹海みたいな所だと思う。地図にも載ってない村かも。どっちみち、戻れないかもね。


しっかり右にハンドルをきるんだ。

LOVEからLIKEにハンドルをきるんだ。


この丁字路、曲がり切るのにどのくらい時間がかかるのかな。

いつになったら海に着くのかな。

海に着いたら、何があるのかな。

海に着いたら、誰か居ないかな。


今度は楽しいセットリストを流してドライブしたいな。

この車、2人乗りなんだよ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 失恋して一週間アイスしか食べれなかった日々を思い出しました。 あの時は何かのブログに似たような事を書いたなぁ。 [気になる点] 自分自信の話なら、ジャンルはエッセイかと。 [一言] 活動報…
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