告白
湧き上がる驚きを隠す。……隠しきれているだろうか。ぼくの心音や息遣いは、自分でわかるほどには乱れた。
心はもっと乱れている。何がどうなっているのだ? 避けられていたのに好きって……。それより、この好きって言うのは?
「どうゆう……」
大荒れに荒れた思考の中で、出てきた言葉はこの四文字だけ。混乱というより混沌としている。どうゆうことなのだ?
「……わたしは、お兄ちゃんが好き。だけど、こんなことは普通じゃないし……。
このことが気づかれたら、きっとお兄ちゃんはわたしを避けるだろうって思ったから、自分から避けてた。
また、昔みたいに嫌われるくらいなら、自分から距離をとって。落ち着いてから、元に戻そうって思ってたの。
気持ち悪いって思った? 自分のお兄ちゃんを本気で好きになった妹なんて気持ち悪いよね……?」
そんなこと思っているはずがない。だが、言葉が出ない。
「嫌いにならないって言ったよね? 避けたりしないよね? 拒絶しないよね? ごめんなさい。お兄ちゃん、ごめんなさい。……好きになって、ごめんなさい」
……そんなことは、謝ることではない。初火の気持ちはうれしい。少し複雑ではあるが、正直うれしい。
そうか、初火はぼくのことが好きだったんだ。
「ごめんなさい、もうこんなこと言ったりしないから。……何か言って?」
胸の中から聞こえる嗚咽に混じったその声はすがるようで、か弱く、弱々しく、脆弱で、ぼくが次に放つ言葉次第では簡単に崩れ去るだろう。
そんな弱さが、才能に恵まれたなんでも持っている彼女のそんな弱さが、こんな時に不謹慎も極まるが、ぼくは可愛く感じた。




