表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ふれあい  作者: 日寝月歩
11/68

昼休み

「疲れたー」

長い午前中も終わって昼休み。ほっと一息つく。

 昼食はいつも保健室で食べている。しかし、今日は臨視のせいで行く気になれなかったので、教室の自分の席で弁当の包みを開くことにした。

 ふたを開いたところで、水萌が自分の弁当を抱えて近づいてきた。

「めずらしいね。今日は教室でたべるの? おにーちゃん」

 ようか は だめーじ を うけた。

「ダメだ、水萌。教室でそれはやめておこう、さすがに」

 喜びに沸きあがる心を抑え、水萌をたしなめる。

「あはは、冗談だよ。陽火くん」

 今朝、冗談にならない事態に陥ったのだが……。今晩どうしよう。

 あと後ろの席から殺気じみた視線を感じるし。

 そんなことは気にしていない様子の水萌は近くからイスを拝借し、ぼくの目の前に座って向かい合う形で机に弁当を広げた。

二人分の弁当を置くとこの机は少し狭いのだが。

「一緒にたべていいよね?」

「いいよ」

 水萌、聞く前からもう食べる体勢だったし。

「ボクも一緒に食べていいかい?」

 臨視が満面の笑顔でよってきた。

「いやだ」

「なんで!?」

「変態だからだ」

「ひどっ!」

 言いながら臨視はすごすごと後ろの席へと戻っていった。

 今回の迎撃は成功したようだ。

「じゃあ、食べよっか」

 今のやり取りをなかったことにして箸を取る。

「うん。いただきます」

「いただきます」

 水萌の弁当を覗くとサンドウィッチだった。ちなみにぼくのはかなみさん作、彩弁当だ。

「……弁当がサンドウィッチって実際はあんまり見ないよな」

「そう? うちはお父さんと、お母さんがパン屋さんだからよく出るよ」

「そうなんだ。……もしかして水萌の手作りだったりするのか?」

「うん、親二人とも朝早いからね。陽火くんのは?」

「ぼくのはメイドさんが作ってるよ」

 すると水萌は驚いた様子で

「メ、メイドって?」

「家政婦さん。家事とかしてくれる人」

「陽火くんの家ってお屋敷だったりするの? お金持ち?」

「いや、普通の一軒家だよ」

 お金持ちかと聞かれたら、まあそれなりだ。

「へぇ、メイドさんが居るなんてそれこそ実際あんまり聞かないよね」

「けっこう珍しいみたいだからね」

 我が家のちょっとした自慢である。

「やっぱり、メイドさんが作っただけあってすごくおいしそうだね」

「うん、うちのメイドさんは家事万能だからね。水萌のもおいしそうだよ」

「ありがとう。……ちなみに陽火くんのお弁当に入っている玉子焼きが、あたしに食べてほしそうなんだけどどうすればいいかなっ?」

 目を輝かせて玉子焼きを見つめる水萌。ぼくも好きなんだけどな……

「ほしいならあげるけど」

「ほんとにっ!? じゃあ、お言葉にあまえてっ」

 ひょいっと、玉子焼きが水萌の小さな手にさらわれる。

「うんっ、おいしっ。じゃあお返しに、あーん」

 と、水萌がサンドウィッチを差し出してきた。

 後ろからの視線が刺さる刺さる。あーんしなくてはいけないのだろうか。

 しかし、まあいいや。意を決してあーんされた。

「む、うまいな」

 かなり良い味だ。パンが特にうまい。オーソドックスなハムとタマゴのものだったのだが、マスタードが良いアクセントとなり、今まで食べたことがないくらいハイレベルなものだった。

「えへへ、ありがと」

 誉められた水萌は少し照れくさそうにはにかむ。

「うん、こちらこそありがとう」

 こういう風に食べる昼食もいいなあ、と思いながら昼食を済ませる。

「ごちそうさま」

「ごちそーさま」

 その後昼休みが終わるまで水萌と二人で雑談をした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ