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終 [4/5]

 翌朝、まだ朝日も昇らないような早朝に与羽(よう)は万年の夢中腹にある広場へ立っていた。

 隣には、大きな鳥の姿をした雷乱(らいらん)。少し離れた場所に、ソラと白銀(しらかね)もいる。


 与羽は雷乱に向き直り、優しくくちばしをなでた。


「雷乱、飛べるよな?」


「当たり前だ」


 鳥形の雷乱はいつもの声で答えた。

 それを聞き、与羽は雷乱の背に慣れた様子でよじ登る。雷乱が翼を開いた。


「じゃあ、行くわ。いろいろとありがとな」


 与羽はソラと白銀にほほえんで、風を操り雷乱の離陸を助ける。


「また来てください。次はカキ氷でもご馳走しましょう」


「それって、この夏に来いってことか? もう初夏じゃん」


 与羽の不機嫌な問いにソラは笑顔だけで応える。

 与羽はもう一度ソラをにらみ、雷乱を見た。


「まっすぐ辰海んとこな。どの風に乗るかは任せる。急ぎもせんし。私は寝るかも。落とさんように飛んでほしい」


 それだけ雷乱に告げ、与羽はまたソラに目を戻す。


「…………」


 何か言いたそうにしていたので、ソラは無言で与羽の言葉を待った。


「なんか、あれじゃ……」


 つぶやいた与羽の言葉は要領を得ない。


「ごめんな」


 しかし、ソラは口をはさむことなく、与羽の言葉を待つ。


「私があんとき操られんかったら、暗鬼(あんき)を捕まえられたかもしれんのに……」


 言いにくそうに、申し訳なさそうにする与羽を見て、彼女が目覚めた時からずっと謝るタイミングをさがしていたのだろうと察せた。

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