表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/43

三 [3/11]

 相手は与羽(よう)を迎えうつために短剣を抜いた。前言撤回、武器を持たせた相手でも操れるらしい。さきほどのは与羽を油断させるためだったのか。

 与羽の動きまで捕捉して操っているとしたら、術者は相当の使い手だ。


 流王と短剣がかち合う。

 後ろに現れた気配に与羽は蹴りを繰り出して、短剣の相手は澪で弾く。

 そして振り返り、後ろにいた気配に札を貼った。夢見の女だった。たしか、彩色(さいしき)

 与羽はすばやく彼女の腕をひねり上げ、他の敵が迫ってきたので仕方なく結界を張った。


 完全に術で縛った後、他の敵が助けに来ないように、動きを封じられた人が集められている青麗(せいれい)のそばに放り投げた。

 青麗はこれ以上怪我をさせないように、風で包んでそれを受け取る。輝希(キキ)白銀(しらかね)がそうとうな働きをしているらしく、結構な数の人が集められていた。


 いつの間にか与羽は戦いの中心から外れていたらしい。敵はほとんど輝希と白銀が相手し、与羽のまわりにはもういない。

 雷乱(らいらん)も与羽に襲いかかろうとしていた敵を一手に引き受け、輝希たちのそばに誘導し戦っていた。


 与羽は一息ついた。何とか収拾がつきそうだ。

 運がよかったのか、守護の神のお守りのおかげか、あまり巻き込まれずにすんだ。


 そう安心した瞬間、背後に鋭い殺気を感じた。ここに来て感じたどの殺気よりも、強く恐ろしい殺気。

 与羽は身をすくめそうになったが、生存本能が働いて振り下ろされたナイフを流王で受け止めていた。


「……ソラっ!」


 与羽は彼の名を叫んだ。

 その声は雷乱達にも聞こえたらしい。与羽の方を見て、目を見開く。


 与羽は左手で鎖を弾きあげ、ソラを弾こうとした。

 しかし、ソラは他の敵とは違い、天力と足とでその攻撃を受け止めた。少しはひるんだものの、すぐにソラのナイフが重くのしかかる。


 ギッ……、と硬いもの同士がふれあう不快な音が続く。


「……っ」


 ソラの攻撃は重い。男女の筋力差はどうしてもあるが、今まで与羽は天力で補助してそれと同程度、いや、それ以上の強さを発揮してきた。

 しかし、今は完全に全ての力においてソラに圧倒されている。ソラは片手でナイフを持ち、涼しい顔をしているにもかかわらず、与羽は両手と天力を総動員してやっとそれと釣り合う程度だ。


 その時、与羽のわき腹に激痛がはしった。一瞬ひるみ、ナイフが左腕を大きく切り裂く。

 与羽は痛みに歯を食いしばって耐えながら、流王を握りこんだ右手で手刀を打とうとするが、ボウガンを持つ左手に止められてしまった。ソラの腕はびくともしない。


 与羽はためらわずに距離をとった。

 そこに雷乱が割って入り、与羽をかばう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ