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二 [6/10]

 結界が解けた。


 風でスピードを増した与羽(よう)がいち早く一番近くの精霊に飛び掛る。天力の色的に光属性。与羽の水と相性はいい。

 すでに前もって三回名前を呼び、最大出力一歩手前まで出力を上げていた流王に水を纏わせ、遠慮なく切りつける。


 ぱっと相手の天力が散った。

 与羽の脇をソラの矢が通り過ぎ、その精霊の動きを封じる。


「まずは一匹、捕獲完了です」


「カッコつけんな! 空」


 与羽は怒鳴りながら次は人間に飛びかかる。

 隣に雷乱が並んだ。


「上」「おう」


 それだけ言葉を交わし、またわかれる。


 音使いらしき相手は、思わず頭を抱えるような嫌な音を出してくるが、与羽は何とか風の防壁で防ぐ。

 距離をとって水滴を飛ばした。

 他の敵が襲ってこないのはソラが射倒してくれているからだ。


 水滴が相手の体を深く切り裂く。初めてこれをくらう人はたいした威力はないとたかをくくり、大抵大ダメージをくらう。小さい分天力が凝縮され、貫通力が増しているにもかかわらず。


 相手がひるみ、音波が弱まった隙に与羽は一気に間合いを詰めた。

 閉じた流王に水を細長く纏わせ、剣を形作る。この切れ味も、水滴同様非常に良い。

 纏う水の形によって多種多様な武器になる。それが、与羽の流水波紋扇だ。


 青く輝く水の剣を見て、相手は大きく引いた。危険なものを感じたらしい。


 そこに、フュイッと短い鳥の鳴き声。

 誰もが聞き逃す声を与羽は聞き取り、深追いしなかった。

 晴れた空から雷が落ちる。雷乱だ。

 不意の落雷に撃たれ、相手は気を失った。


 ソラが導いたのだろう。次に、与羽の右から左肩を射抜かれた男が飛び出してきた。与羽を見てこの小娘なら倒せると思ったのか、右手で長剣を構える。

 与羽は長剣を流王についた鎖で弾き飛ばした。ちなみに、こちらの鎖にも(みお)という名前がある。

 鎖には長さ調節に使う一つを除いて、全ての輪に細かく守りの呪文が彫ってあり、鎖自体が非常に強力な盾となる。


 重い長剣を弾かれた勢いで、大きくよろけた男を、鳴き声と共に雷乱の落雷が貫く。

 しかし、相手は長剣を用いて雷のダメージを逃がした。それを見てとり、与羽は鎖の先についた刃を投げた。

 鎖を止めようと男が手を伸ばし、鎖を掴もうとした瞬間、さきほどよりもさらに大きく弾かれた。


「気安く触んな。澪は私よりもガードが固い女の子じゃけぇな」


 木に打ち付けられて気を失った男に面白そうに言った与羽のほほを鋭いものが掠める。つ、とほほを血が伝うのが分かった。

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