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二 [5/10]

輝希(キキ)師」


 ソラは輝希に意見を求めた。同じ黄色の布を身につけていても、輝希の方が先輩だ。


「残念ながら、二時間くらい前から占いを妨害されてるんだよね~。ここは与羽ちゃんとソラの運命に抗う力次第かな」


「いいでしょう」


 ソラは挑戦的にほほえんだ。


「占いにばかり頼っていては夢見最強の名が廃ります。今一度お願いします、青炎(せいえん)の龍姫。あなたの力を貸してください」


「お任せください、ソラ様」


 与羽は皮肉げなくほほえみ、ソラの肩を叩いた。


「ただし、ソラ様。この布邪魔なので取って戦ってもいいですか?」


 与羽が言っているのは、身にまとった黒の布――夢見の伝統衣装だ。


「様付けで呼んでいい気にさせて――、結局そのためですか?」


 ソラは苦笑した。


「もちろん」


 与羽はソラの返事も待たずに、纏っていた黒い布を取り、いつもの膝丈七分袖の着物姿をさらした。ただし、今はちゃんと篭手(こて)やすねあてをつけ、肌の露出は少ない。


「まぁ、いいでしょう。布のせいで死なれても責任取れませんしね」


「不吉な事言うなよ」


 与羽は呆れたように笑んだ。


  * * *


 ソラの采配で戦闘隊形が組まれた。どちらの方角からの敵にも対応できるように戦闘力を平等に分配した、と言うが――。


「明らかにここ他んとこより強いじゃろ」


 与羽は左に立つソラと、後ろに控える雷乱、白銀(しらかね)を見て言った。


「私なら確実にここ回避するわ」


「大丈夫です。誰もあなたが強いということは知りませんから。わたしを避けてあなたに襲い掛かってきたところを一網打尽にして下さい」


「結構無理なこと()うるで、あんた」


「まぁ、気楽にやってください。後方からこれで援護します」


『これ』とはソラの背負っている洋弓。


「矢が私に当たったらどうしてくれるんな」


「それはありえませんが、そのときは以前約束したこんぺいとう百年分プラス、一本当たるごとにゼリービーンズ十年分プレゼントでどうでしょう?」


「なんか、ええ事みたいに言うなよ。しかも、私別にゼリービーンズ好きじゃなぁし。甘いもんずくめじゃな。三回に一回はお茶、緑茶にして」


「了解しました。では、いきましょう」

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