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奇跡へのカギ  作者: 狼息
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始まりのワンシーン

ここは、容赦城ようしゃじょう

砂漠中央に高くそびえ立つ城。

戦闘に特化した傭兵が城主を守っている。そのため、城に約束なしに入ろうとしようものなら即座に首がはねられてしまう。

容赦ない城……容赦城。いつしか人はそう呼んでいた。



そんな城の主である部屋……すなわち城主の間と言えばいいのか、そこで、ある話が行われていた。



「キサ様! 突然のことゆえ、お許し下さい!」

そう言って入ってくる傭兵たち。

「んぁ〜。…なんだ? 騒々しい」

眠そうに欠伸をしながら応じる主、キサ。意外にもその声は女性特有の高い声だ。

「はっ! それがこの容赦城………非常に申しにくいのですが…、」

「はよ申してみよ。我は眠いのじゃ」

「はっ。……容赦城に侵入者多数。そのうちの六人がツワモノで城の半分を攻め落とされました…。容赦城、初めてのことで皆の衆が混乱しております」

「そうか。……しょうがない。我が客人と手合わせしよう。」

「……すみません。我々の力不足です」

「よい、いずれはこうなることは分かっておった。…その時がきただけのこと。心配するな。我にはこの妖刀がおる」

そう言って城主キサは飾ってある刀を手にとった。それをみた傭兵たちはざわめく。

「そ、それは!」

妖刀ようとう薔薇ばら…!」

「気をつけて下さい、侵入者の狙いは……」

こんな傭兵たちの口を塞ぐかのように高く手をあげるキサ。

「分かっておるよ。我の命と……この薔薇ってことくらいはな。だからこそ迎え撃つ。これを欲する愚か者に…罰をあげなきゃ…ふふっ、あはははははっっ! あはははははっっ!!」

高笑いをする城主。まるで侵入者と戦うのがゲームかのように…。


「待ってなくていいからね。我から迎えにいくから…」




*****


容赦城・内部

ここに二人の侵入者がいた。

その者たちは、それこそ容赦なく人を斬っていった。



「ホントにここは容赦城か?」

一人の男が疑問を口にした。

「間違いないよ、ちゃんと調べた」

そんな疑問に答えたのは大人とは言えず、子供のような女だ。

「だとしても、弱すぎ。もうちょっと手強い相手が欲しい」

「しょうがないでしょ、貴方の武器はそんじゃそこらの刀とは違うんだから。これに対応できるのは…」

「この刀と同じ妖刀だろ?だから俺はここまできたんだ。……それに俺には妖刀が必要だ」

「はいはい、分かってますよ」

「…ワリぃな、コール」

「…別に。ルエンのそばにいたいだけよ」

そう言って頬を赤くするコールという女性。

「それじゃ、ゆっくりとするためにちゃっちゃと終わらせるか」



そう言って城の中を突き進む二人。

二人の前に階段が見え始めた。



「あれを登れば近道よ」

「へぇ、そんなのあるんだ。…それじゃ登らせて」

「もらわなくても我がきたから安心じゃろうて」


「「…っっ!!?」」


いつの間にか背後を取られていた二人。驚きながらも距離をとる。そんな二人をみて高笑いを始める。



「誰だ、あんた」

「…それよりもよくみてよ。あの人、刀持ってる…。それにあの刀、ルエンの刀と同じ妖刀だよ…!」

「ほぉ、こいつを知っておるのか?…なのに我のことを知らんのか」

言いながら、刀を見せびらかすように前へ突き出す。

「我は容赦城城主のキサ。ツワモノ侵入者は六人と聞いておったが、残りの四人はどこじゃ?」

「ばーか、敵に教えたりしねぇよ。俺たちは別々に動いてんだ」

「…教えてるよ、ルエン……」

「バカはそなたじゃったな。…さてと、それではまず、そなたらと対戦願おうか」


鞘から刀身を抜き出すキサ。それをみながらルエンという侵入者も刀に手を伸ばす…。


「…下がってろよ、コール。これはチャンスだ。妖刀の所有者もちぬし自ら来てくれたんだからな。これを見逃すわけにはいかねぇ」

「そういうと思った…。助けが必要ならいってよね」

「あんがとよ。でも必要ねぇから」


ルエンも刀身を相手に見せる。


「妖刀所有者なら知ってるよな?」

「………あぁ、あの伝説か? まさかとは思うが信じておるのか? 確かめようのない伝説を?」

「悪いか?」

「まさかここまでバカとは……戦いたくなくなったわ、バカのせいで」


「あまりルエンをバカ呼ばわりしないで…。彼は真剣なの」


コールが口を挟んできた。


「彼には必要なだけ、その伝説が…。私はそれに付き合ってるだけ。……伝説が現実になるまで、あと少しなんだから…」

「あと少し…とな? では、これを入れたらどれくらいなのか教えてくれない? 興味でてきちゃった…。ふふっ」

「教えるわけないでしょ。…知りたいなら、その妖刀を寄越しなさい」

「……ぜんげーん、てっかーーい! 口車に乗ってあげる。だから戦いましょ? その伝説のために」


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