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第1話蛇と鴉

前回

名前に仮名をふり忘れ

申し訳無かったです。


なので今書きます。


壬生辰暁

――みぶ ときあき

松生千陰

――まつき ちかげ


千陰のあだ名『松陰』は、『しょういん』と読みます。



ホントに

申し訳ありませんでした。

依頼主は普通の会社員だった。

壬生みぶさんは眠たげに欠伸をしながら鞄からファイルを取りだし開く。やる気がなさそうなのはいつものことだ。

「では、お話を伺いますが、1つ良いですか?」

壬生さんはペンを回しながら口を開く。

「……なぜ呪いだと思われたんですか?」

こういう時の壬生さんは、やけに丁寧で、しっかりしている。

男性は少し躊躇いながら話しはじめる。

「蛇が、いたんです。私の目の前に……」

「蛇?」

思わず言葉が漏れ、僕は口を押さえる。そんな僕を横目で見ながら、顎に手をあてる。何かを考えているようにも見える。

「蛇、ねぇ……」

意味ありげに呟き、ふっと息を吐いた。

「しばらく、様子を見ても構いませんか?」

「……壬生さん?」

そう言うとスッと一枚の紙を差し出す。男性はゆっくりと受け取った。

「その紙は、持ち歩いて下さい。それと破いたり濡らしたりしないように」

「……お札、ですか?」

男性は目を丸くしながら札と壬生さんを交互に見ている。僕も同じだった。

「なぜお札?」

「私が信頼している方のお守りとでも言っておきましょうか」

言いながら壬生さんは立ち上がる。僕もつられて立ち上がった。

「では、数日後。何かありましたら、直ぐに来ますので」

いつもとは違う壬生さんの雰囲気に僕は何も言えなくなった。

「あぁ、それと『蛇を見るな鴉を見ろ』これは守って下さい」

男性は首を傾げ、札に視線を落とした。「蛇と鴉……」と呟き壬生さんをそっと見る。

「蛇はヘビ、鴉は……何ですか?」

「鴉は、カラス。真っ黒い鳥だ。ヘビに悩んでいるなら、当然でしょう?」

呆れたように息を吐いた。僕も分からず首をひねり壬生さんを見た。僕には冷たい目線。酷いと思う。

「……分かりましたね? 言いましたからね?」

念を押すように言い、壬生さんは歩いて行ってしまう。僕は男性に一礼して後を追った。

「あの、どういう事ですか?」

「何がだ?」

「何がって、お札とかカラスとか何なんですか?」

帰りの道で僕は聞く。壬生さんは頭を掻いて荒く息を吐いた。

「仕事なんだよ、こっちも。俺だけの依頼じゃないんだ」

どういう意味か訊こうとし、横を風がかすめていく。見ると一羽のカラスが通りすぎた後だった。


――蛇を見るな、鴉を見ろ。


言葉の意味を僕はまだ知らない……。


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