泣き虫
雪が降る。
ただ、ひたすらに降る。
「雪、好きなんだ・・・。なんでか、寂しい気持ちが減るんだよね」
君がいつも通りヘラヘラ笑ってそう言った、一年前・・・。
ふと気づいたら、寝ながら泣いていた。
どうやら夢を見ていたようだった。
「大丈夫!?、るう。あんた、何泣いてんのよ!」
「あくびよ、これは・・・」
そう、私は<るう>と呼ばれています。
声をかけてくれたのは、親友の<らむ>。なんでも言い合える仲です。
「午後の授業始るよ!ほら、涙ふけ~!」
「ん~・・・」
「あっ!先生来た!じゃあねっ。授業中泣くなよ!」
そう言ってらむは自分の席へ飛んで行った。
国語の授業。めんどい・・・。ふと窓を見ると雪が降っていた。
君を思いだしてしまう・・・。
君とはクラスは違うけど、メル友だった。
結構馬があい、いつしかお互い惹かれあって、付き合うことにした。
けれど私のせいで・・・。
今でも君が好き・・・。
つらくても笑う君だから、諦められないよ・・・。
そう思うと泣けてきた。
机に顔をふせて泣く。
「るう、泣くなよ~。大丈夫だから。な?」
優しい君を思いだす。
私、いつになったら君を諦められるのかな・・・。
振り向いてなんてくれない君を、どうしてこんなにまだ好きなんだろう・・・。
中2の12月。
泣き虫な私は、君がいなきゃしんでしまいそうだった。