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異世界でもアイドルデビュー!?~アイドルの経験を活かして無双します~  作者: Nanairo


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37話:職業バレ

「お前の職業はアイドルだろう?」


驚いて振り返るとクリスが真顔でこちらを見つめていた。


「わー!バカ、クリスそれ言っちゃダメなやつ!!」


「あちゃー、すまんの。クリスはこう見えて天然なんじゃ。」


シリネが慌ててクリスの口を塞ぐが時既に遅し。ドワーフのディクトルも額を押さえながら謝ってくる。どうやらクリスは先にハンスさんから俺の職業について聞いていたようだった。


(え、あの人天然だったのか...。)


クリスは未だに真顔で(もしかしたらキョトンとしているのか?)なぜ怒られて口を塞がれてるのかわかって無さそうだ。


今俺たちのパーティーとクリスたちのパーティーの2つで同時に動画配信をしているため多くの視聴者にもバッチリ職業バレをした。


"アイドル?初めて聞く職業だ"

"さっきすごい魔法使ってた子のことだよね?"

"ゼクト様に抱かれてる子のこと?"

"なになに?あの子の職業を当てるゲームをしてたの?"

"クリス様天然だったんだ...。美味しすぎる...''

"強くてイケメンでその上天然要素まで...?ありがとうございます"

"クリス様が当てたってことはあの子仮面を取るの?"

"どんな顔してるんだろ?"

"早く取って〜!"

"どうかイケメンじゃありませんよーに!"

"強くてイケメンなのはもう十分だ!"


"名前リンくんって言うんだ!"

"やっと顔が見れるのか!"

"これでフツメンだったらかわいそ..."

"土曜からずっと待機してたんだ!早く早く!"

"仮面取って歌って欲しい〜!"

"歌とダンスすごいかっこいいのに仮面のせいで目が滑ってたんだよな〜"

"クリス様ナイス!"


コメント欄もクリスが職業をバラすまではさっきの魔法のことについて話す者がほとんどだったのに今はふたつとも俺の顔のことで大盛り上がりだ。


(めちゃくちゃ外しにくいんだが...ていうか外したくない...。)


「えーと、皆さん、盛り上がってるところ残念ですが、皆さんにはお見せできません!」


ゼクトの腕の中でゲンナリしているとアーサーが前に出て視聴者に話しかけ始めた。


"えー!なんでだよ!"

"職業当てたじゃん!"

"アイドルだろ!?"

"職業当てたら見せる約束じゃん!"


アーサーの言葉に当たり前だが視聴者は不満を露わにする。


「いやいや、皆さんなにか勘違いをしているようですが、職業を当てたのは皆さんではなくクリスさんです。なのでクリスさんとパーティーメンバーには見せますよ。」


"そんなぁ〜"

"楽しみにしてたのに!"

"そこまで隠されたらめっちゃ気になるじゃん!"

"アーサーくんのケチ〜!"

"リンくんお顔見せて〜!"


アーサーは視聴者の言葉に心外だなという雰囲気を醸し出しながら言葉を続ける。


「でもやっぱり皆さんも気になると思うのでチャンスをあげます!俺たちのチャンネル登録者数が100万人を超えたらリンの顔を公開します!!」


これには視聴者も驚きの声を上げる。


(こいつ、番組の司会者とかめっちゃ向いてそう...。というか100万人って途方もないな...。俺の顔にそこまでの価値はねえよ。ハードルを上げんなよ...。)


さらに仮面を外しにくくなってゼクトの腕の中で小さくなっているとアーサーが駆け寄ってきた。名残惜しさはあるがゼクトの腕の中から降りてアーサーに掴みかかる。


「アーサー!お前なんであんなこと...!尚更外しにくいだろ!!」


「落ち着けって!でもこれでハンスさんが言ってたようにより多くの人にリンのパフォーマンスを見てもらえるだろ!?そうすればみんなのステータスも上がるしリンのステータスもバンバン上がるじゃん!」


一応他の人には聞こえないようにコソコソ話しているがそばにいるゼクトには獣人ということもあり聞こえてそうだ。


確かに昨日と一昨日だけでもかなりミッションを達成してステータスをあげることができたし一理あるが、それと自分の顔を餌にされるのとはまた別だ。俺はそこまでナルシストじゃない。仮面を外して1人にでもガッカリされたら立ち直れそうにない。


「...それにリンの顔誰にも見せたくないし...。」


仮面を外した時のみんなの反応を想像して吐きそうになっている(仮面をつけてなかったら吐いてた)とアーサーが何かを呟いた。


「ん?何か言ったか?」


「いや、何でもない!」


聞き逃したので尋ねると慌てたように誤魔化された。


(一瞬暗い顔をしてたが何だったんだ?)


ゼクトは何か聞いてないかと思い顔を見るとニヤッと笑ってからパチンとウインクをされた。


(なんなんだ??)


「ねえ〜、さっきの話からすると私たちには顔を見せてくれるんでしょ〜?」


アーサーと話しているとクリスたちパーティーメンバーが集まってきた。ミホーク先生もその後ろから楽しげにやってくる。


そしてローズたちに急かされながら2つのカメラに背中を向けた状態で仮面を外す。


「おお!」


「これは...!」


「わあ〜」


「か、か、か、かわいい〜!!!」


上からゼクト、ディクトル、ローズ、シリネの順だ。シリネに至ってはぎゅっと俺の頭を抱え込んでおり、今にも豊満な胸の中で窒息しそうだ。


「む、むぐぐぐ...!!」


息が苦しくなりシリネの方をパシパシと叩くがより胸に押し付けられてしまっただけで離してくれない。


「シリネ、離してやれ。リンが死ぬ。」


クリスの言葉でようやく開放された俺は何とか生還した。


「ご、ごめんね!あまりにも可愛かったからつい...!」


「ふむ、しかし私たちエルフにも引けを取らないどころかそれを凌駕する美形ですね。リンくん私の嫁に来ませんか?」


こんな奇天烈なことを言いながら俺の手をぎゅっと握ってきたのはエルフのハクだ。コメント欄から察するにコイツは大の美形好きらしい。しかも男女問わず。今日そこにショタも可が追加された。Sランク冒険者なのになんて不名誉な称号なんだ...。


アーサーがさりげなくその手を外させて俺を抱き込むと同時に鉄拳がハクの脳天に落とされてハクが地面に沈んだ。


「すまんの、リン。またこやつの持病が悪化してもうた。こやつのことは気にせんでええからの。こやつになにかされたらワシに言いに来い。ワシが去勢しちゃるきに。」


ディクトルがサラッと怖いことを言いながらハクを回収して行った。俺も男なのでアソコがヒュンッとしてしまった。


「ん〜。でもホントに美形ね〜。隠してるのが勿体ないわあ〜。ほら、後ろのコメント欄も見せて〜っていってるよ〜。」


ローズが後ろを指さしながら言うとアーサーがさらにぎゅっと俺を抱き込んで言った。


「ダメですよ。リンの顔を見たらハクさんみたいな人がいっぱい現れるでしょうし100万人突破するまではリンの顔はもう誰にも見せません!」


(いや、ハクさんみたいな人がいっぱい現れてたまるか!怖いわ!)


心の中でツッコミを入れているとアーサーに再度仮面を被せられた。


「ふ〜ん、そっかそっか〜。なるほどね〜。」


何がなるほどなのかローズはニマニマしながら何か納得している様子だ。同じくゼクトやシリネ、シュベールも各々違う表情で頷いている。ミホーク先生は相変わらず楽しそうだし。わけも分からずキョトンとしているのは俺とクリス(真顔とキョトン顔の見分けがつかない)くらいだ。


その後はコメント欄の阿鼻叫喚を受け流しながらもまだ魔物がいるであろうエリアを目指して歩みを進めた。

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