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異世界でもアイドルデビュー!?~アイドルの経験を活かして無双します~  作者: Nanairo


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36話:全部燃やしちゃお

S級ダンジョンに入ったあと、記録用にそれぞれ配信機能をONにしてからSランクパーティーに続いて設置型転移ポータルで30階層に移動した。


そこは動画で見た通り、ダンジョン内にも関わらず広大な大地と森林、川、そして真上には燦々と輝く太陽が存在していた。そして襲い来る倦怠感。ステータス画面を確認すると本当にステータスが10分の1になっている。アーサーもミホーク先生も急なステータスの減少に違和感を拭えないみたいで軽く身体を動かして状態を確認している。


「気を引き締めろ。来るぞ。」


ステータスを確認しているとクリスから声がかかった。


この階層のテーマはどうやら「ジャングル」らしく、様々な動物型の巨大な魔物が木々の間から出現した。


まず向かってきたのは蛇型の魔物だ。クリスたちのパーティーが応戦するがデバフのせいで7人がかりでも1匹を倒すのに時間がかかっている。その間にもまた別の蛇型の魔物が数匹襲いかかろうとしている。


「くそっ、ゼクトとローズはあっちを頼む。ハクは精霊を呼んでくれ!」


クリスがパーティーメンバーに指示を飛ばしながら応戦するがステータスがほぼ初期化された状態では歯が立たない。


「リン、どうだ?歌えそうか?」


「ああ。大丈夫だ。それよりいいこと思いついたんだけど、この森を全部燃やしちゃうのはどうかな?」


「森を燃やす!?」


「うーん、いいんじゃないかな。ここは所詮ダンジョンだし木々が燃えても問題は無いと思うよ。」


俺の思いつきにアーサーは驚き、ミホーク先生は頷く。そして俺たちの会話にクリスたちがギョッとした顔でこちらを振り返りながら怒鳴る。


「世迷言を言ってないで着いてきたならお前たちも戦え!遊びじゃないんだぞ!」


それを軽く無視してアーサーとミホーク先生に声をかける。


「じゃあユニークスキル"Fire"を基本の型で使うんで、邪魔が入らないように援護をお願いしていいですか。」


二人の了承を得てから俺は前に進み出て大きく息を吸い込みできるだけ遠くまで声が響き渡るように歌い出す。


初めのフレーズで森の入口一体に森を覆えるくらいの高さの炎壁(ファイアウォール)を出現させ、そのまま津波のように森を包み込んだ。


急な出来事にクリスたちは呆気にとられて森を見つめている。大賢者のシュベールでさえも規格外の炎に目を見開いている。


「なんだ、これは。どうなっている...。」


クリスたちが手こずっていた蛇型の魔物にも巨大な炎玉をぶつけて燃やした。Aランクとありさすがに一瞬でとはいかなかったものの魔物は汚い断末魔を上げながら塵となった。


森の方も炎を操って入口からどんどんもえ広がらせ炎の海と化した。一体どれくらいの数の魔物がか潜んでいたのかあちこちから幾つものおぞましい断末魔が響き渡っている。何体かは身体に火をつけながらも森から出てこちらに襲いかかってきたがミホーク先生が簡単な風魔法で更に炎を燃え上がらせて魔物がこちらにたどり着くまでに始末したり、アーサーがレベルの上がったスキル聖剣で致命傷を負わせて倒したりと特に危険はなかった。


そして1曲終わる頃には目に見える範囲の木々は炭となり、大地は焦土となっていた。


今までのダンジョンは洞窟で炎魔法を使いすぎると酸素が無くなる恐れや爆発(エクスプロード)で洞窟が崩れる恐れがあったからこんな大々的に使えなかったがここでは開けてるからこそこの方法が取れる。


俺にはもしかしたらS級ダンジョンの方が向いているのかもしれない。経験値も今の一瞬で大量に手に入りなんと昨日上がったばかりのレベルがまた上がった。


歌い終えてからこの前のC級ダンジョンで手に入れたダンジョンマップを確認すると今俺が燃やしたのはこの階層の約20分の1程度だった。

思った何倍もこの階層は広いらしい。


「今のは...なんだ...。」


ダンジョンマップを見つめているとクリスから声がかかった。


「さっきのあの魔法はなんという魔法だ?お主の魔力は一体いくつあるんだ!?」


シュベールもすぐさまこちらに駆け寄ってきて疑問をぶつけてくる。


「リンくんのユニークスキルですよ。最初に言ったでしょう?この子のユニークスキルは魔力消費無しで無制限に魔法を使うことができると。」


クリスの真顔とシュベールのあまりの勢いに仮面をつけているにも関わらず少し恐怖を感じているとミホーク先生が前に出て代わりに答えてくれた。アーサーもそっと俺の横に寄り添ってくる。今は仮面をつけているのによく俺の感情の機微がわかるものだ。


「もしかして怖がらせちゃった?ごめんね!ほら2人とも顔が怖いのよ!もっと朗らかに!!」


シリネが元々顔の怖い2人を注意する。すると今度はいつの間に近づいてきたのかライオンの獣人のゼクトが俺をひょいっと持ち上げて破顔する。


「リン、だったか?さっきは侮って悪かった!お前まだ小さいのに凄いな!助かったぜ!!俺はゼクトって言うんだ、よろしくな!」


右腕だけで俺を抱えたゼクトはそのまま俺の頭をワシャワシャと撫でる。身長が2mほどあるためだいぶ高く感じる。急に抱き上げられたため驚いてゼクトの頭にしがみついたのだが、その時触れた耳がフワフワで虜になってしまった。無意識にフニフニと触っているとゼクトが喉を鳴らした。


「グルル、くすぐったいな!俺の耳が気に入ったのか?」


「はい、すみません。」


「いいぜ!好きなだけ触れ!触られるのは嫌いじゃないからな!」


お墨付きが出たので遠慮なく触らせてもらう。ふわふわで気持ちいい。後で眼下で揺れているしっぽも触らせてもらえるだろうかと馬鹿なことを考えているといつの間にか話が進んだようでそのままダンジョンの奥へと歩みを進めていた。


俺はまだゼクトに抱えられたままだが居心地がいいのでこのまま甘えさせてもらう事にした。


「君はアーサー、だったか?アーサーも凄かったな。聖剣を使ってたってことは聖騎士か?」


ゼクトが隣を歩いていたアーサーに話しかける。


ほかの面々も一応周囲を警戒しながら話を進めているようだ。ミホーク先生はクリスやシリネと話している。


俺が辺り一帯を燃やし尽くして視界が良くなったので魔物が出てきたらすぐに分かるがその魔物も燃やし尽くしたので絶賛手持ち無沙汰なのだ。


俺の風魔法で移動してもいいんだが、ダンジョンが再生して新しく魔物が生み出されるまで1週間はあるしのんびりしてもいいかと思い、今はゼクトの腕の中にいる。


「そういえば〜なんでリンくんは仮面をつけてるの〜?それ認識阻害の面でしょ〜?なんか全然記憶に残んないし目がズレるしで変な感じするから取って欲しいんだけど〜。」


アーサーとゼクトの会話を聞いていると後ろから近寄ってきたローズが声をかけてきた。


「確かに!俺もリンの顔が見てみたい!仮面を取ってくれないか!?」


ローズの要求にゼクトも便乗する。


「あー、今視聴者とゲームをしてるんですよ。」


「「ゲーム?」」


アーサーが続ける。


「そうです。リンの職業を当てれるまで顔は公開しませんって言う感じの。」


「え〜、なにそれ面白そ〜。そういえばリンくんの職業、私達も聞いてなかったね〜。」


「じゃあ俺たちがもし当てたら顔を見せてくれるのか!?」


(別に顔くらいいつでも見せるけど...)


ゼクト達のキラキラした顔にどうしようかとアーサーの方を見ると意外なところから声が上がった。


「お前の職業はアイドルだろう?」


アーサーも俺も驚いて振り返るとクリスが真顔でこちらを見つめていた。

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