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異世界でもアイドルデビュー!?~アイドルの経験を活かして無双します~  作者: Nanairo


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30話:聖剣グラム

「いや〜、みんな凄かったな。午前と午後でガラッと戦い方が変わってるやつがほとんどだった。」


午後の授業を終えて寮の部屋に戻ったきた俺たちは明日提出するレポートを書いている。


「確かに。ギルダたちもなんだかんだ結構変えてたもんな。でもそれを言うならアーサーだってそうじゃん。」


手を止めてアーサーを見やるとアーサーもちょうどこっちを見ていた。


「や、だってリンが体術も組み込んだらいいってアドバイスくれたからさ!今まで剣だけでしか練習してなかったから結構楽しかったぜ!」


「アドバイスしたからって普通あんなにすぐ動けないって!この才能マンめ。なんなの、あの動き。バランス感覚とか体幹どうなってんだよ!」


そのあとも2人でやいやい話していると部屋のチャイムが鳴った。誰だろうと思い、ふたりで玄関に行ってドアを開けるとそこにはミホーク先生とハンスさんがいた。


「やあ、突然ごめんね。もしかしてレポートを書いてたのかい?えらいね。でも二人ともなにか忘れてる事ないかい?」


「忘れてること...?あっ!」


(そういえば昨日のアイテムを鑑定してもらおうと思ってたんだった!)


アーサーは未だに思い当たらないらしく疑問符を飛ばしている。


「そうだろうと思ってハンスさんに来てもらったよ。私も昨日のアイテムがなにか気になるしね。」


クスクス笑いながら話すミホーク先生の言葉にアーサーもやっと思い出したようだ。


とりあえず玄関のままだと目立つので先生たちに部屋に入ってもらう。


「ではちょっとお邪魔しますね。あれ、でもそういえばSクラスは一人一部屋と聞いてたんですが君たちは相部屋にしたんですね。」


部屋に入ってきたハンス先生が部屋を軽く見渡しながら言う。


「そうなんですよ!結構部屋広いし俺たち仲良いんで!それに俺一人だと朝起きれる自信ないんで...。」


アーサーが俺の肩を抱き寄せながらハンスさんに答える。


(本当は俺が1人が無理だからだけど。俺が恥ずかしくないようにいつも庇って話してくれるんだよな。)


「仲がいいのはいい事ですね。私も学生時代に戻りたくなってきました。まあでもレポートとかはめちゃくちゃ嫌いでしたけどね。」


「確かに、私もとても嫌いでした。と言いつつ今日早速レポートを大量に出したんですけどね。」


「なんすかそれ〜!嫌がらせじゃないですか!」


先生たちの言葉にどっと笑いが起きる。俺もアーサーもそこまでレポートに苦手意識はないから笑えるが、他の生徒が聞いたら一気にミホーク先生の株が落ちそうだ。


「さて、あまり長居するのもあれですし、早速アイテムを見せてもらいましょうか。」


ハンスさんにそう言われ俺たちは部屋の隅に立てかけておいた剣と仮面を持ってきた。


「これです。こっちがC級ダンジョンの10階層の金箱から出てきた大剣で、こっちが30階層の金箱から出てきた仮面です。」


俺たちは部屋の中央にある机の周りに座り、その机の上に剣と仮面を置いた。


「金箱が2つも出るとは...!ではまず剣から見せてもらいますね。」


反対側に座ったハンスさんが大剣を両手で持ち上げ凝視する。


「これは...!」


ハンスさんが驚き目を見開く。剣を持つ手がワナワナと震えている。


「何か書くものはありますか?鑑定結果を書きたいのですが...」


そういうハンスさんにミホーク先生が懐からレポート用紙を取り出す。


「レポート用紙でよければたくさんありますよ。」


(いや、だからいつもどこにそんな大量の紙を忍ばせてんだよ。)


懐からじゃんじゃん出てくる紙に突っ込む暇もなく、ハンスさんは鑑定結果を紙に書き記している。そして書き終えたハンスさんに紙を貰ってアーサーと見てみると...。


【聖剣グラム】

・レベル1

・攻撃力+150


・聖騎士が使用する際、その者の全ステータスを1.5倍。

・所有者の魔力を一定量流すことで剣を成長させることが可能。(所有者:アーサー・クレイル)


「剣が成長する...?」


「そうです!これは本当に滅多にないんですよ。私も実際目にするのは初めてです!この武器は既に所有者をアーサーくんと認めているようですしどんどん魔力を流して剣を成長させましょう!」


ハンスさんがまた興奮している。本当にこういうところが研究者って感じだ。


「アーサーくん、良かったですね。これ、剣を成長させたら攻撃力かもしくはステータスの倍率アップが見込めるってことですよね。」


「おそらくそうだと思います!ああ、早く剣が成長したところをみたい!!」


ミホーク先生の言葉にハンスさんが同意する。でもアーサーはどこか浮かない顔だ。


「どうした、アーサー?」


「いや、こんなすごい剣、本当に俺が貰ってもいいのかなって。それにそんなすごいなら俺なんかよりもっと所有者にふさわしい人がいるんじゃ...」


「何言ってんだよ。アーサーの他に誰がいるんだ。それにその剣で俺の事守ってくれるんじゃなかったのか?」


剣の性能に珍しくしり込みするアーサーに声をかける。


「そうだよ、アーサーくん。今はアーサーくんよりも実力が高い聖騎士がいるのは確かだ。でもアーサーくんはまだまだ成長段階だしアーサーくんの持っているポテンシャルは目を見張るものがある。だからその剣はアーサーくんが持つべきだと私も思う。」


アーサーは少し考えたあと、ひとつ頷きいつもの力強い笑顔で答えた。


「...分かりました!そうまで言っていただけるならこの剣は俺が使わせていただきます!そんでしっかりリンも守る!あ、でもこの剣ばっかり使ってると性能に頼りすぎて実力を疎かにしちゃいそうだから普段は魔力だけ流してこれはここぞって時にだけ使うことにします!」


アーサーらしい宣言に場が和む。


「そうですね。それがいい。性能が良すぎる武器は逆に毒となる時もありますからね。じゃあ次は仮面の方も見てみましょうか。」

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