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異世界でもアイドルデビュー!?~アイドルの経験を活かして無双します~  作者: Nanairo


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28話:実践演習①

「おはよう、リンくん、アーサーくん。」


C級ダンジョンを攻略して泥のように眠った次の日、俺はミホーク先生の声で目覚めた。


「あれ?ミホーク先生...?なんでここに...」


「いやぁ、昨日魔石を換金したあとも寄ってみたんだけど2人とも死んだように寝てたからさ。授業が始まる前に渡しとこうと思って。」


そういうとミホーク先生は部屋にある机の上にどさっと大量のお金を置いた。


「本当にこれ、2日で稼げる金額じゃないよね。というか普通一生かかってもなかなか稼げないよ。これ、魔石換金所に持っていった時店主が泡吹いて倒れてたからね。なんならエリックも目を向いてて面白かったな。総額白金貨7枚、金貨815枚、銀貨26枚だよ。」


ミホーク先生の言葉に耳を疑った。でも目の前にある白金貨と金貨が現実だと訴えてくる。


「え、ええーーーーーー!?」


(白金貨ってことは...い、1億!?それが7枚で7億ってこと!?というか金貨の数もおかしい...!!)


俺の叫び声に、普段は全く起きないアーサーも飛び起きる。


「な、なんだどうした!?リン、大丈夫か!?」


「お、アーサーくんも起きた?おはよう。魔石を換金した分を持ってきたよ。」


「えっ、ミホーク先生?おはようございます...?」


アーサーはミホーク先生を見て頭に疑問符を浮かべている。


「アーサー、あれ見て。」


俺はアーサーの袖をちょいちょいと引っ張り机の上の白金貨たちを指さす。


「ん?んんんんんん!?」


アーサーも大量の金貨を見て一瞬で目が覚めたようだ。


「え、なにこれ、白金貨ぁぁぁ!?」


「うん、君たちがこの2日間で稼いだお金だよ。じゃあ渡したしまた授業でね。遅れないように来るんだよ。」


そう言ってミホーク先生はシュンッと姿を消した。俺たちは無言で見つめ合い、とりあえず収納袋に入れて見なかったことにした。


(これからは金貨用の収納袋とかも欲しいな...。)


起きるには少し早かったが目が覚めてしまったのでゆったりと身支度をして1階の食堂で朝食を取ったあと実践演習が行われるSSS1演習場へ向かった。


演習場に着くとまだ授業が始まるまで時間があるにもかかわらずクラスの半分くらいの生徒が来ていた。


俺たちが入ると全員が一斉にこっちを向き詰め寄ってきた。


「2人ともおはよう!ねえ、たった2日でC級ダンジョンを攻略したって本当!?」


「ボスってどんなやつだったんだ?」


「どうやったら2日でダンジョンを攻略できるの!?」


などなど。どこから聞きつけたのかもうC級ダンジョンを攻略したことが広まっているようだ。クラスメイトたちから次々と質問を投げかけられる。


それに適当に返しながらこちらもこの2日間の様子を聞いたところ、基礎体力作りと銘打ってなんと永遠に走り込みをしていたらしい。それもゲロ吐いてからが本番とでも言うように全力ダッシュを何本もしたそうだ。それはもう地獄だったとみんなが口を揃えて言う。何人かは来週もまたあるんだよなぁ。と遠い目をしていた。


そんな話をしているうちにクラス全員が揃い、ミホーク先生とエリック先生もやってきた。


「おや、皆さん早いですね。おはようございます。この2日間はどうでしたか?今日と明日は実践演習となりますので戦闘スキルをどんどん磨いていってくださいね。」


実践演習と聞いてクラスメイトの顔が明るくなった。昨日まで永遠に走り込みをしていたメンバーはなおさらだ。


「今日と明日の実践演習の時は午前中は私、午後はエリック先生と1対1で戦ってもらいます。1人あたりの持ち時間は10分。そして戦ってない人達は戦っている子の戦闘を分析してレポートにまとめてください。このクラスは20名いるので1日に19名分を2セット書いてもらいます。そして自分の戦闘についてはクラスメイトからの評価も読んだ上で分析し、次の日に、私かエリック先生にクラスメイトの分もまとめて提出してください。」


そう言ってミホーク先生は全員に真っ白のレポート用紙を40枚ずつ配った。その大量の用紙にみんなゲッソリとした顔をしている。みんなどちらかと言うと脳筋が多いようでこういうレポートなどは苦手なようだ。


「では早速始めましょう。シグマ・コークリット前へ。他の皆さんはエリック先生の近くで見学しながらレポートを書いてください。」


最初に呼ばれたのはクラス分けテスト20位のシグマという男子生徒だ。綺麗な水色のサラサラとした髪が特徴的で、水魔法を操る魔法士だ。


開始と同時に水魔法の詠唱を始めるが、詠唱に時間がかかりすぎており、じっとしたまま詠唱しているため隙だらけだ。それにミホーク先生が魔法を放ったのに驚いて詠唱を止めてしまい、結局魔法を放てずにいる。そして最後まで魔法を使うことができずに10分が過ぎてしまった。


(あの子の最も優先すべき課題は詠唱の短縮化と動作を伴った詠唱だな。)


「では次、ローラ・ミレット。今日は私たちから評価はしないので皆さんなりに分析をしてみてください。」


次に呼ばれたのは19位で弓使いの女子生徒だ。挑戦的で意思の強い目をしておりやる気十分と言った様子だ。


「お願いします!」


そういうと直ぐに矢をつがえてミホーク先生に向かって放った。矢は的確にミホーク先生の眉間を捉えている。精度は十分だ。だがしかし威力とスピードが足りない。あれでは今のミホーク先生みたいに簡単によ蹴られてしまうし、外皮が硬い魔物だと通用しないだろう。それに距離が離れたら届かなくなる。

ミホーク先生がローラに向かって魔法を放ちはじめ、ローラは何とかそれを避けているが動きながらだと矢を撃てないようで攻撃の手が止まってしまっている。なんとか撃った矢もさっきとは違い的はずれな所へ飛んで行っている。


(威力やスピードの向上と動きながらの訓練が必要だな。)


「次、デューク・ロメストロ。」


次は18位で槍使いの男子生徒。肩まで伸びた黒髪を後ろで1つに結んでいる。12歳にしては身長が高く、165cmくらいありそうだ。手足も長くスラッとしていて槍を使うには持ってこいの体型だ。


デュークはすぐに先生に接近して腹部に向かって突きを繰り出した。先生には難なく避けられていたが、突きのスピードは速い方だろう。でも突きを避けられた後に隙ができている。そこを狙われたら終わりだ。突いた時に両腕とも伸ばしきってしまっているから槍を引き戻すまでに時間がかかりすぎているのだ。そこを改善すればマシになるだろう。あとはデュークはほとんど突きしか使っていないため攻撃のレパートリーも増やす必要がある。


こんな感じでどんどん授業が進んでいき、残り5人になった。


「次、リューク・バースト」


5位のリュークは剣士だ。ギルダやメイとつるんでおり、俺たちを敵視している。今も俺たちの方をちらっと見てから舌打ちを落として行った。なんとも感じが悪い。


まあ、ただ戦闘に関しては5位なだけあって悪くはない。ミホーク先生からの魔法攻撃も剣で軽くうち流し、斬り掛かる姿勢もあまりブレはない。でもここ最近でアーサーの動きに見慣れてしまったからか、アーサーと比べるとだいぶ見劣りする。


斬りかかって、それが避けられてからの切り返しにラグがあるし、剣ばかりを見ていて相手の動きを読めていない。ミホーク先生があんなにも分かりやすく重心を傾けて次の攻撃を予測できるように動いているのに全く対応できていない。


こんなに辛辣に書いたらまた敵視が酷くなるんだろうなあとは思いつつ、事実だしいっか、と書き連ねる。


「次、メイ・リンカウェル。」


4位のメイは炎の魔法士だ。赤い瞳に腰まで伸ばした赤い髪が特徴的だ。


威力を重視しているのか、次々と高火力の炎魔法を放っているが、はっきりいって魔力の無駄遣いだ。いくら魔力が多くともあんなにバンバン使っていたらすぐに魔力切れを起こして実践では役に立たない。詠唱の速さと威力については問題ないが、無駄打ちが多すぎる。ミホーク先生から放たれた攻撃にも最大威力で迎え撃っている。


(あのくらいの攻撃ならあの10分の1の威力の魔法でも十分相殺できるだろうに。)


案の定、10分経つ前に魔力切れを起こしヘロヘロになっていた。


「次、ギルダ・ウルカス。」


ギルダの職業は魔剣士だ。魔法と剣両方を使う俺とスタイルが似ている。ギルダが使えるのは風魔法。


素早く詠唱して風魔法を放ち、その間に距離を縮めて斬り掛かる。防がれたらすぐに後ろに飛びのいて距離を取り風魔法で追撃する。


(おお、ヒット&アウェイか。動きも無駄が少ないな。)


今までの子達と比べたらさすが3位と言うべきか荒は少ない。ただ、それでもやはりいくつか改善点はある。ヒット&アウェイは攻撃を受けにくいし、離れた時に魔法で攻撃できるギルダにとってはいい戦法だが、毎回引くのが早すぎる。そこでもう一撃与えられると言った時でも引いてしまってるので何回もチャンスを逃してしまっている。これが本番なら戦いが無駄に長引いて体力を消耗してしまう。それに先生が攻撃した時も避ける動きが大きすぎる。ギルダの実力ならもっと最小限の動きで避けられるはずなのにそこでも無駄に体力を消費してしまっている。色々ともったいない。


さて、やっとアーサーの番がやってきた。


「次、アーサー・クレイル」


「アーサー、頑張って。」


「おう!ちゃんと見とけよ!」


エールを送るとニカッと笑って先生の元に歩いていった。


「よろしくお願いします!」


アーサーはペコリと頭を下げると腰に指していた剣(授業用の木刀)を引き抜くと一瞬で先生との距離を詰め斬りかかった。先生との距離は5m以上あったのに瞬きする間に距離を詰めていた。クラスメイトたちから「おおっ!」という歓声が上がる。おそらく他の生徒たちにはアーサーが瞬間移動したように見えたことだろう。先生もほんの一瞬ではあるが驚いたような顔をしていた。


そこからはアーサーの猛攻撃が始まった。息付く暇もない剣さばきにエリック先生も含めたクラス全員が固唾を飲んで見入っている。時折ミホーク先生が魔法の攻撃も挟むがそれをアーサーは毎回スレスレで躱し、お返しとばかりに剣を切り返して様々な方向から斬りかかる。


永遠に続くかと思われた猛攻は2人の木刀が同時に折れてしまったことで中断された。


「あれ、木刀が折れてしまいましたね。時間もそろそろ10分たちますし、ここまでにしましょうか。」


正直ずっと見ていたいくらいの戦闘だったため、中断されたのはとても残念だ。


「では午前中最後はリンくん。前へ。」


「アーサー、凄かった。お疲れ。」


「おう!ありがとな、リンも頑張れよ!」


あんなにずっと動いていたのにアーサーはほとんど息切れをしていない。


(俺も首席として負けてられない。)


「お願いします。」


俺は初っ端からユニークスキル"Fire"を使用し、風魔法と組み合わせて炎の竜巻を発生させる。前回はミホーク先生の風魔法によって炎を消されてしまったが、こちらも風魔法と同時に発動させることで炎を消されないように対策した。そうしてミホーク先生の視界を奪ってから足元から土魔法で無数のトゲを出現させる。ダンジョンでウェアウルフを串刺しにしたあのトゲだ。


こんなにも遠慮なく殺傷力の高い魔法をバンバン打っているのは攻撃を代わりに受けてくれるバッチを互いにつけているからだ。決してミホーク先生を殺したいとかではない。


まあでもこんなことでミホーク先生がやられる訳もなく、すぐに炎の中から姿を現した先生は一瞬のうちに距離を詰め斬りかかってきた。それを俺は受け止めつつ、風刃を先生の体中にぶつける。先生がそれを避け後ろに飛び退いたところで着地地点を予想していた俺はピンポイントで爆発を使って先生の体勢を崩した。しかし先生も崩れた体勢のまま俺に向かって風刃を放ち俺の追撃を防ぐ。


俺が風刃を防いでいる間に体勢を立て直した先生はすぐさま足に風魔法でブーストを掛けまた距離を詰めて斬りかかってきた。俺はそれを受け止めると同時に今度は自分が持つ木刀に炎を纏わせた。


俺は炎魔法を出す時任意で燃やす・燃やさないを選択できる。今回は自身の木刀のみ燃やさないようにしたため、俺と剣を交えた先生の木刀は燃えてしまっている。


しかしここでも油断せずに追撃を行うと、先生はすぐに木刀を氷でおおい、氷剣を作って対応してきた。俺の木刀と合わさる度に氷が溶けてはいるが先生がその都度補強しているためあまり意味は無い。互いに魔法を纏った剣で戦いながらも通常の魔法攻撃も手を緩めず猛攻を続けた。


「はーい、ストーップ!お前らいつまで戦う気だよ。もうとっくに10分経ったっての!」


互いに集中しすぎて20分以上戦っていたらしい。クラスメイトも先生も見入っていたため止めるのが遅くなったそうだ。


「ありゃ、すみません。楽しくてつい。では午前中はここまでとします。各自書いたレポートをクラスメイトに渡したあと昼休憩に入ってください。休憩時間は2時間とするのでその間に貰ったレポートも呼んで午後の授業に活かしてくださいね。では解散。」


先生の合図でレポートを書き終えた子からそれぞれに手渡し休憩に入った。俺も途中だったアーサーの分のレポートを書き終え、それぞれに手渡す。ギルダ達に私に行った時はちょっと嫌な顔をされたが、授業課題というのもあってギルダたちもちゃんと書いたものを渡してくれた。


そうして俺とアーサーはクラス全員からレポートを貰い終え、昼休憩に入った。

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