表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界でもアイドルデビュー!?~アイドルの経験を活かして無双します~  作者: Nanairo


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/24

20話:学園生活スタート

ジンに別れを惜しまれ、それはもう根性の別れかと思うほど惜しまれながらもなんとか宥め、(最後はリサによる鉄拳によって沈められていた)俺とアーサーは学園に足を踏み入れた。


今日は初日なので1日オリエンテーションを行う予定になっている。学園内は余裕で町一個分以上の広さがあるため、アーサーと少し迷いながらもなんとか集合時間前に昨日案内があったSSS1クラスにたどり着くことができた。中からはガヤガヤと話声が聞こえてくる。もうすでに何人かは来ているようだ。


俺はアーサーと話しながら教室の扉を開けるとピタッと話し声がやみ、中の生徒たちの視線が集まった。急に静かになり、視線が集まったことに俺もアーサーも驚いていると生徒たちの中から声をかけてくるものがいた。


「お前がリン、だよな?なあ、お前どんな手を使ったんだ?何か不正でもしたんだろ?でないとあんな点とれるはずがない!」


誰かと思えば、最終日にエリック先生に抗議し、なおかつアーサーにも絡んでいたやつだった。他の子たちもどこか俺を疑うような目で見てきている。


(そんなことを言われても、俺もどういう風に採点されたのか知らないしな…)


どう反論しようかと考えていると俺の右隣にいたアーサーが口を開いた。


「いやいや、リンが不正なんかするわけないだろ。実力が不足しているならまだしもトップレベルの実力を持っているのに何で不正する必要があるんだよ。」


どこかあきれたような口調で淡々と話している。それに対してさらに反論をしようとしていたが、そんなに気になるなら先生が来た後に聞いてみたらいいじゃないかというアーサーの言葉にみんな黙った。


するとちょうどタイミングよく扉を開けて先生が入ってきた。


「あれ、皆さんどうしたんですか?時間が来たのでオリエンテーションを始めますよ。席についてください。」


入ってきたのは何とミホーク先生だった。先生の号令でみんなしぶしぶ席に着く。席順は自由なため俺はアーサーと空いている席に腰を下ろした。


「ではまず、自己紹介から始めましょうか。最初は私から。皆さん初めまして。今年このクラスを担当することになりました、ミホークと言います。職業は魔導士です。一応Aランク冒険者で火・水・風の3属性の魔法が扱えます。選択科目ではSSSクラスの魔法戦闘を担当しますのでよろしくお願いします。

そして今日はいませんが、もう一人、職業剣豪で近接戦闘担当のエリック先生が副担任としてこのクラスにつきます。テスト最終日に前で話していた先生です。また彼がいるときに改めて自己紹介をしてもらいましょう。」


(このクラスはミホーク先生とエリック先生が担当してくれるのか。先生は大当たりだな。)


「じゃあ早速、皆さんにも自己紹介をしてもらいましょうか。最初は誰からいきますか?」


ミホーク先生の言葉にさっきの奴がスッと手を上げた。


「先生、その前に昨日の試験結果について説明してもらえますか。」


そいつの言葉に周りの奴らもうなずいている。


「説明…ですか?」


「リンとアーサー。特にリンについて、あり得ない点数ばかりでした!筆記試験だってほとんど満点か満点を超えているものもありましたよね?何かの間違いじゃないでしょうか。そうじゃなければ不正をしたに決まってます!」


興奮気味にこちらを勢いよく指さしながら先生に詰め寄っている。それについて先生は驚いた様子もなく落ち着いている。


「…やっぱり気になりますよね。誰かはそういうと思って実は皆さんの解答用紙と各テストの評価表を持ってきました。」


そう言ってミホーク先生は懐から分厚い紙の束を取り出した。


(いやいやいや、今どこから取り出した??あんなのを入れているようには見えなかったが?)


「まずは各筆記テストの点数についてですが、複数の教師で採点、チェックを行っていますので間違いはありません。満点を超えているものについては後程説明しましょう。そして一番気になっている方も多いだろう攻撃力テストの点数ですが、あれは皆さんの攻撃力をそのまま点数化しているだけです。スキルが二つ以上あり、複数回攻撃をした者はその合計を点数としています。」


「は!?いやいや、そうだったとしてもそいつの点は確か10万を超えていましたが!?」


まだ納得いかないのか俺をまたも指さしながら疑問をぶつけている。だが周りの奴らは思い当たる節があったのか「あ…」という声もいくつか洩れている。アーサーも俺の隣で「あーなるほど!」と納得している。


「あれ?君は攻撃力テストの時リン君のところに見学に行かなかったんですか?あの時リン君はユニークスキルで壁に10万を超えるダメージを与えたんですよ。おかげで学園ができてから今まで傷一つなかった壁がボロボロになりました。」


その言葉にそいつもやっと思い当たったのか、口をつぐんだ。


「防御力テストについては、満点の基準が10分間攻撃を耐え切りかつ、バッチの耐久力を8割以上残していることだったんですが、リン君の場合、1分かからないうちに上級生を全員制圧してしまったので特例として満点の倍の点数を与えることにしたんです。これは今までにも事例があるため決してリン君だけを特別扱いしたとかそういうわけではありません。そして最終日のテストについても1位を満点としていましたが、アーサー君の場合は30人を超える集団をまとめる統率力、瞬時に最適な作戦を練りそれを実行する指揮力、全員を守り鼓舞するリーダーシップ性、自分以外は敵という状況で他者から信頼・応援されるカリスマ性などを評価し、こちらも満点以上の実力があると判断し特例で600点としました。」


ミホーク先生からのべた褒めの言葉にアーサーは耳まで赤くして頭から湯気を出している。


「……一応、納得はしました。でもじゃあ筆記試験はどうですか?貴族なら小さいころから教育を受けるためあの点数を取れるかもしれませんが、あいつは平民!何かズルでもしなきゃあの難易度のテストで満点ばかりとれるはずがない!!」


(こいつも貴族至上主義か?今のは思いっきり差別的な発言だぞ。)


そいつの言葉にアーサーは今度は怒りで顔を赤くし、ミホーク先生も眉をひそめている。


「ギルダ君、でしたか。言葉を慎みなさい。今のは差別的発言ですよ。それにそれを言うなら私ももとは平民です。今は貴族の養子となっていますが学園に通っていたころはまだ平民でした。私にも同じことが言えますか。」


ミホーク先生もクラス分けテストで主席となり、その後も主席をキープし続けるどころか学園在学中に職業を2段階昇級させ大魔導士となったそうだ。そのため、さっきの俺に対する言葉はミホーク先生も否定することにつながる。


「それは……すみませんでした。」


「私ではなく、リン君に謝りなさい。でもそうですね、実は私も疑っているとかではなく純粋にリン君の解き方に興味を持っていたんです。なのでもしリン君さえよかったら各教科の筆記テストの解説をお願いできないでしょうか。もちろん、ただでとは言いません。何か要望があれば私のできる範囲で聞きましょう。どうですか。」


ミホーク先生の提案にアーサーは目を輝かせながら「あいつらをぎゃふんといわせるチャンスじゃん!やって来いよ!」とこそこそ話しているのか大声で話しているのか分からない声量で言ってきた。


(なんか最近こんなのばっかだな。)


周囲を見渡してもギルダというやつ以外、好奇の目を向けている奴がほとんどだったので引き受けることにした。


「分かりました。要望は後で考える、でもいいですか。」


「大丈夫ですよ!じゃあ、皆さんにはこの前の問題を再度配りますね。」


そう言ってまたもや懐から大量の問題用紙(11科目分)を取り出した。


(いやだから、どこにそんなスペースがあるんだよ…)


不思議に思いつつも俺はさらっと解説を始めることにした。黒板も自由に使っていいとのことだったのでいろいろと書きながら説明する。


国語や古代語はほぼほぼ暗記問題が多かったため、覚え方のコツや文章問題は読み方、解き方のコツを言うくらいでさらっと解説を終えた。数学に関しては前世で学んだ様々な定理を用いながら説明をしたが、この世界ではそんな定理は一つも提唱されておらず、根性で長時間かけて解くか、膨大な計算を積み重ねて解くかの2つしか方法がなかったため世紀の大発見扱いをされた。三平方の定理を用いて魔方陣の説明を行ったときは全員の目からうろこが落ちていた。ミホーク先生なんか「そんな簡単な方法があったなんて…」と目からぽろぽろ鱗を落としていた。


生物、歴史、地理についても暗記がほとんどだったため割愛し、化学や物理の計算問題に関しては公式を用いて解説した。こちらも公式などは今まで一切なかったようで全員開いた口がふさがらないといった様子だった。


「リン君の知識には驚かされますね…。私の代わりに授業をしてもらいたいくらいですよ。これでリン君が不正をしていないことは分かりましたね。あとは戦術・戦闘学についてですがこれはリン君の回答を見てもらった方が早いでしょう。リン君、この回答、皆さんに配ってもいいですか?」


「構わないですよ。」


ミホーク先生の要求に承諾するとまた懐から俺の回答のコピーを取り出し全員に配った。


(改めてみるときもいな…)


あの時、俺は時間の許す限りいろいろな職業について戦法や戦術を書き連ねたため、解答用紙は文字でびっしりだ。ぱっと見呪いの文書のようになっている。


「うわっ、リン、よくあの時間内にこんだけの戦法を思いついて書けたな…。もう紙の白いところがほとんどないじゃん…。わ、裏にも文字がある…」


予想を超える文字量にアーサーがちょっと引き気味になっている。


「今見てもらっているとおり、リン君は自分の職業についてだけでなく、近接戦闘の場合、中距離戦闘の場合、遠距離戦闘の場合、サポート職の場合など様々な職業についても戦法や戦術を書いています。またそれらの記述は各職業を極めた教職員から見ても非の打ちどころのない回答でした。そのため、リン君自身の職業の場合も含め、各分野の記述もそれぞれ200点満点とし、加算すると1000点となったわけです。

各分野それぞれとても参考になる戦術が書かれているので皆さんも自分の職業での戦い方のヒントとなると思います。」


(あー、なるほど。それで1000点か。まあ褒められて悪い気はしないけど他の奴らはより反感を抱くんじゃ…)


そう思ったが、数人を除いて全然そんなことはなかった。


「へー!こんな戦い方もあるのか!これは思いつかなかったな…」

「リン、誤解して悪かったな。お前すごい奴じゃん!」

「俺も疑ってごめん!今度俺にも勉強教えてくれよ。」

「私もごめんね。戦術参考になるよ!」


などなど、疑いの目を向けていたやつらが謝ってきて友好的になったのだ。さすがSSS1クラスに配属されるだけはある。闘争心やプライドはありながらもそれに振り回されず、素直に努力を積み重ねてきたんだろう。まあ、例外もいるが…。


ミホーク先生はこの光景を見てニコニコしている。俺と目が合うとウインクを飛ばしてきた。


(この状況も予想通りって事か。)


「はい、じゃあ皆さん。誤解も解けたところで改めて一人ずつ自己紹介をしましょうか。最低1年間は皆さん同じクラスですし多くの時間を共に過ごすことになるのでお互いを知るところから始めましょう。」


という事でやっと自己紹介が始まった。みんな自分の名前と出身、職業、レベル、スキルについて話した後は3分間自由に話すという流れで自己紹介を行っている。SSS1クラスというだけあって全員がレベル20を超えている。昨日ダンジョンに潜ってなかったらレベルではアーサーが一番下になるところだった。


だいぶ個性的なメンバーが集まっており、俺に敵意を持っている人も数人いるため今後の学園生活が少し不安になる。本当にアーサーがいてくれてよかった。


俺はこれから4年間、この学園で過ごすことになる。俺は前世でいろいろあってこういう学校にちゃんと通うのは初めてなので不安もあるが実はちょっとワクワクもしている。でも目下の目標はS級ダンジョンの攻略のため、ダンジョンに潜る時間も確保したいところではある。


(まあ、交渉したらそこはどうにかなりそうだしな…)


こうしてみんなの自己紹介を聞きながら学園生活初日がスタートした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ