表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界でもアイドルデビュー!?~アイドルの経験を活かして無双します~  作者: Nanairo


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/24

18話:D級ダンジョン攻略

10階層からはさらにDランク魔物の割合が増えてくる。その分経験値がたくさん稼げるから俺としては好都合だ。このダンジョンで出現する魔物はスライムや頭に短い角が生えたホーンラビット、ゴブリンがほとんどだ。そしてDランクになるとその進化系や攻撃力が増加した魔物が多い。そのため、9階層までは普通のスライムやゴブリンがほとんどだったがこの階層からは同じEランクでもヒュージスライムやホブゴブリン、角が長く素早さが増したロングホーンラビットなども出てくるし、Dランクのゴブリンアーチャーやグレータースライムも多く出現する。


一般的なD級冒険者たちはこのくらいの階層から攻略スピードが格段に遅くなる。


(まあ俺たちには関係ないけどな。)


10階層に入ってもこれまでと同様に時速280キロで攻略を進めている。時折突っ込んでくるロングホーンラビットも俺の手によってミンチに変えられている。ジンやアーサーもスピードに慣れ、難なく敵を倒せるようになっている。ゴブリンアーチャーの矢も風魔法で全員に保護膜を張っているので飛んできても何ら害はない。


「うわっ!なんだ今の!?」


「何かがものすごいスピードで駆け抜けていったわ!」


「新種の魔物か??」


他の冒険者パーティーだ。ここに来るまでにもすでに何組かは見かけていたが、何せ280キロで移動しているもんだからよく新種の魔物と勘違いされている。それに俺たちが片っ端から魔物をすべて倒しているからこれまで俺たちが追い抜いてきたパーティーはほとんど魔物に遭遇しなくなることだろう。


「やっぱりみんな驚いているみたいだな。明日には”D級ダンジョンで新種の魔物現る!”みたいな記事が出回るんじゃないか?」


「あの人たちには俺らがどんな風に見えているんだろう。」


「何人かは私たちが通る時の風圧で転びそうになっていたものね。ちょっと申し訳ないわ。」


上からジン、アーサー、リサの順で話している。ジンは悪戯が成功したみたいに楽しそうだ。リサに関しては口では申し訳ないと言いつつ顔はめっちゃ笑っている。


俺は歌っているので会話には参加できないが3人とも楽しそうなので問題はない。


こんな感じで各階20分くらいで攻略していき、今このダンジョンでの最高攻略階数の16階も問題なく攻略し、17時過ぎにはとうとうボスが出現する20階に到達した。


(いやあ、本当に1日でD級ダンジョンクリアできそうだな。)


「すごい、本当に1日でD級ダンジョンクリアできそうだ…!」


おっと、俺の心の声とアーサーの声が被った。ジンとリサも少し唖然としながら「おぉぉ。」と感嘆の声を漏らしている。


「やればできるもんだね。あとはボスだけだし最後はユニークスキルなしで行こうと思う。」


「そうだな。ここまではほとんどリンが倒してくれたし、最後のボス戦くらい父さんたちに任せてくれ。」


歌うのをやめて声をかけるとジンが最後は休んでてくれと言い、アーサーとリサも同様の意見だったので言葉に甘えて見学させてもらうことにした。


20階層はボス部屋のみがあり、扉を開けるまでは中にどんなボスがいるのかは分からない。でもジンはBランク、リサはCランクでアーサーも最後の方はあのスピードの中、100発100中でスパスパと魔物を切っていたから問題はないだろう。低く見積もってもC級くらいの実力はありそうだ。それにレベルもアーサーはあの後4回も上がってLv23になったようで、身体がすごく軽くなったと言っていた。新しいスキルも覚えたようだし。


(俺も早くレベルアップしたい。)


俺やジン、リサはアーサーよりレベルが上でレベルアップに必要な経験値がアーサーの20倍以上あることから、今回これ以上のレベルアップはできなかった。


(まあ、楽しかったし良しとするか。)


俺にとってボスは全然おいしくないイベントだ。たった1匹しかいないし、倒しても貰える経験値は500~800と微々たるものでそれを4人で分けるから1人当たり125~200程度だ。これなら他の階層だと俺だったら1秒で稼げる。でも他の冒険者たちが苦労してでもこぞってボスを倒そうとするのはボスの魔石が他の魔石に比べて高額で取引されるのと、ボスを倒したときにのみもらえるダンジョン攻略報酬のためだ。


ダンジョンでは魔物を倒しても魔石しか回収できないが、ボスを倒したときにだけ、ランダムで宝箱に入ったアイテムが得られる。宝箱にも等級があり、金箱、銀箱、銅箱、木箱の4つと、嘘かホントか分からないが虹色の箱の5つがあるらしく、どれを貰えるかはボスを倒すまで分からないという一種のギャンブルの様な要素がある。そのためどのパーティーもこぞってボスを倒そうとするのだ。


まあ、ほとんどは木箱か銅箱しか出ないという話だが。


(でも俺とジンは2人でE級を攻略したときほとんど銀箱しか出たことなかったんだよな。)


ジンたちのパーティーについて行ったときは8割木箱で2割銅箱、そのほかの宝箱は一切見たことなかったが、ジンと二人でダンジョンを攻略したときは銅箱1割、銀箱9割という割合だった。おそらくこれには運の値が関係しているのだろう。


(毎回銀箱を持って帰るたびにリサの狂喜乱舞がすごかったな。)


「じゃあリン、部屋の隅で待っててくれ。あと魔石も預かっといてもらえるか。」


ジンに19階分の魔石(魔物約19万匹分)が入った収納袋を渡され、ボス部屋の隅で待機するよう言われた。この収納袋はE級ダンジョンの銀箱から出てきたアイテムで今のところ収納数は未知数だ。これだけ魔石を入れているのにまだ限界を感じない優れモノだ。おそらくこれを売ろうとしたら金貨10枚はくだらないだろう。


ボス部屋に入ると俺たちを待っていたのは体長3mほどもあるオークだった。右手には体に見合った大きな斧を持っている。


「グオォォォォォォォォ!」


「じゃあ、アーサー君。始めようか。」


「は、はい!」


「リサは後方で支援を頼む!」


「分かったわ!」


俺はジンに言われた通りボス部屋の隅に行きそこで待機する。オークはさっそく目の前にいたジンに狙いを定め巨体を揺らしながらジンに向かって行っている。


「たまには俺もリンにかっこいいところを見せないとなっとッ!」


ジンはまずオークの懐に素早く入り両足首を切りつける。オークが痛みに膝をついたところで続けざまに背中に一太刀浴びせる。でも見た感じ手加減をしているようだ。


「ほら、アーサー君。早くしないと俺一人で倒しちゃうよ?」


どうやらアーサーの見せ場も作ってやろうとしているらしい。アーサーは初めてのCランク級の魔物に少しビビっていたようだがジンに触発されて緊張が解けたようだ。


「はあぁぁぁ、聖剣!!」


アーサーはLv3のスキル、聖剣を発動しオークに命中させた。だが、オークを倒し切るには攻撃力が足りなかったらしく致命傷にはなっていない。


「おお!さすが聖騎士、やるね!ほら、そっち行ったよ、気を付けて!」


またもや背中から切り付けられたオークは憤慨し、今度はアーサーに向かって突進していく。右手の斧を大きく頭上に振りかぶり、そのままアーサーの頭頂に向かって振り下ろす。しかしさっきまで時速280キロの中で攻撃をしていたアーサーにとってそれをかわすのは朝飯前でスライディングの要素でオークの股下を潜り抜けた後素早く体を起こし、さっき攻撃を与えたところと同じところにまた聖剣を浴びせた。


オークの皮膚は硬く耐久力も高いため、攻撃力が低いとなかなか攻撃が通りにくいが、一度傷がついているところは別だ。2度目の聖剣による攻撃によって致命傷となったオークは続けざまのアーサーとジンの追撃によってあっけなく消えていった。


ジンもアーサーもどこか物足りなさそうな顔をしているしリサに関しては結局出番がなく終始暇そうだった。


「あっ!きたわ!お願い、金箱出て!!」


オークを倒して少しすると部屋の中央が光り出した。宝箱が出現する合図だ。リサは両手を組んで部屋の中央に祈りを飛ばしている。ジンもワクワクとした顔で光源を見つめ、アーサーは宝箱が出現するのを見るの自体初めてらしく、目をキラキラとさせている。


そしてだんだんと光が収まり現れたのは…


「銀箱だ!!」


やっぱり銀箱だった。


リサは金箱じゃないことを惜しみながらも、銀箱も本来であればめったに出ないので喜んでいる。アーサーは銀箱に大はしゃぎだ。


「やっぱりリンがいると銀箱が出る確率が高いな。リンは可愛さのあまり神にまで愛されているのか!」


ジンの戯言は無視し、宝箱の中身を確認するため近くに集まる。


「アーサー、開けていいよ。」


俺の言葉にアーサーはびくっとすると、本当にいいのかどうか聞き返してくるが、俺とジンは今までたくさん開けてきたしリサは中身にしか興味がないので開けたそうにしていたアーサーに譲る。


するとアーサーは喜びながら恐る恐るといった感じに宝箱を開けた。

中に入っていたのはダンジョンマップだった。


めちゃくちゃレアなアイテムで、ダンジョンに入るたびにそのダンジョンの全体図が地図となって写し出されるものだ。ほぼ1本道のE~C級ダンジョンとは違い、迷路のようになっているB級ダンジョン以上で重宝されている。人為的に作り出すのが難しく、こんな風に宝箱からしか出現しないためこれ1枚で白金貨(1億)以上の値段がつくこともある。


これには4人とも無言になってしまった。


「え、これ、ダンジョンマップよね…?確か前オークションで同じダンジョンマップが白金貨5枚で取引されてなかった?」


「え、ええ。少なくとも白金貨1枚以上の値はつくと思います…。」


「う~ん。これ、もしアーサー君さえよかったら、リン、お前が持っといたらいいと思うんだが、どうだ?」


「え、俺?」


全員唖然としているとジンが急に話しだした。


「一応俺もBランク冒険者だが、パーティーとしてはまだC級までしか潜れないし、アーサー君もまだB級以上のダンジョンに潜ることはないだろ?でもリンはA級冒険者だからB級以上のダンジョンに潜る機会も多くあると思う。だからリンには必要じゃないかと思うんだが。」


「そうだよ、リン。お前はこれ必要じゃん!俺はダンジョンマップなんか使う機会まだまだないと思うし、嫌味に聞こえるかもしれないけど俺も一応貴族だからお金にはそんなに困ってないしさ。持っとけよ!」


「ありがとう、アーサー君。うん、それがいいかもしれないわね。でも高価なものだから盗まれないように十分管理には気を付けるのよ。」


という事で満場一致でダンジョンマップは俺が所有することになった。なんかものすごく申し訳ないがその分ほかで返していこうと心に誓った。


ダンジョンマップをとりあえず収納袋にしまっているとゴゴゴゴゴという音とともにダンジョンが揺れ始めた。ボスを倒したため、ダンジョンが消滅しようとしているのだ。ダンジョンが消滅する際、中にいる冒険者たちはランダムに近くの場所に転送されるため、俺たちはバラバラに転送されないよう一塊になって消滅を待った。


そして消滅後、転送されたのはダンジョンがあった学園付近の森の中だった。空はもう薄暗くなってきている。ダンジョンに入ったのが朝の8時頃だったため、ダンジョンの中に約10時間いたことになる。逆を言えばたった10時間でD級ダンジョンを1からクリアしたという事だ。


(16階層を攻略していた人たちは驚いただろうな。自分たちが最高階数を攻略していたはずなのにいつの間にかダンジョンが攻略されてしまったんだから。)


「さあ、じゃあ帰って魔石を交換してからパアーっとうまいもんでも食うか!!」


「うふふふふ、一体今日だけでいくらになるのかしら。」


「あー、すっごい楽しかった!早くまた潜りたい!(最初は吐きそうだったけど!)」


そうして4人で談笑しながらまずは換金所に向かった。


「すみません、魔石の換金をお願いします!」


「か、かしこまりました。そしたらこちらに魔石を置いていただけますか。」


換金所の受付には若いきれいなお姉さんばかりいて、ジンを見て頬を赤らめる人も多かったがジンは全く興味無さそうに換金を申し出ていた。これにはリサも満足そうだ。


ただ、魔石を置けと言われた場所はどう見ても20~30個くらいしか置くスペースはなく、とても19万個を出せそうになかった。それにこんなところで19万個もの魔石を換金したら他のたちの悪い冒険者たちに絡まれそうだ。そのため俺はジンに代わって受付のお姉さんに話しかけた。


「お姉さん、すみません。実は少し量が多いので個室で換金をお願いしたいんですけど…ダメですか?」


もちろん自分の顔面を最大限活かして、上目遣い+小首をかしげる小技も忘れない。お姉さんはウグッとうめき声を漏らしながら胸を抑え、「承知しました。少々お待ちください。」と奥に消えていった。


(うん、チョロいな。)


まあ、お姉さんのほかにジンやリサ、そしてなぜかアーサーにも効いてしまったようだが問題はない。

すぐに俺たちは個室に案内され、言われた通りに魔石をすべて出すと驚きの声を上げてまたもや奥に消えていった。


その後、おそらく休憩中だった人も含め新しく5人が部屋に入ってきてさらには換金所の責任者も一緒に現れた。そして予想どおり、「こんな量の魔石を一体どこで」と聞かれたので隠す必要もないかと思い、「D級ダンジョンの全階層の魔物を倒して」と答えた。責任者は一瞬スペキャ顔になったが何とか自分を落ち着け、それでもまだ半信半疑といった様子で自分も魔石の換金作業に加わった。


責任者から、魔石を数えて換金するのに1~2時間は欲しいと言われたので了承して俺たちは先にご飯を食べに行くことにした。リサは盗まれないかどうか心配していたが、責任者の人はそこらへんしっかりしてそうだったし大丈夫だろう。それにたとえいくつか盗まれたとしてもあの量では誤差の範囲だ。また稼げばいい。


と、いう事で俺たちは高級焼き肉店にやってきた。あれだけ稼いだんだ。今日くらい散財しても問題はない。


(ああ、すごい、口に入れた瞬間にこんな肉厚の肉が一瞬でとろける…!幸せだ…。)


「こんな肉ならいくらでも食えそうだ!毎日でも食いたい!!」


「ほんと、すごく美味しいわあ!今日はお腹が張り裂けるまで食べるわよ!」


アーサーも普段から多分いいものを食べているんだろうがそれでも個々の肉は格別なのか頬がだらしなく緩んでいる。ジンに負けず劣らずのスピードでバクバクと食べ進めていっている。


タレも種類が豊富にあるが俺はレモンを垂らして岩塩を少し振りかけて食べるのが一番気に入った。肉自体が甘く風味が豊かなためこの食べ方が一番肉の風味が引き立つからだ。


俺たちはそれぞれ腹が張り裂ける寸前まで肉を堪能し店を後にした。高級店だけあって目をむくような金額を請求されたが今日稼いだお金を思うと痛くもかゆくもない。


焼き肉店には1時間半ほどいてちょうどいい時間になったため俺たちはまた換金所に戻った。するとすぐに責任者の人が来て先ほどの個室に案内された。


「本日持参された魔石は全部で19万8725個あり、そのうちEランクの魔石が7万4095個、Dランクの魔石が12万4629個、そしてDランクダンジョンボスの魔石が1個でした。そのためお渡しする金額は金貨697枚と銀貨27枚となります。」


目の前の金貨と銀貨の山に俺たちはテンション爆上がりだ。日本円で言うと69,727,000円にもなる。一般的なサラリーマンの十数年分の給料をたった1日で稼いでしまった。これを4等分しても1700万越えだ。


俺たちはそれをいったん収納袋にしまい、責任者に礼を述べてから宿に帰った。そして興奮冷めやらぬまま金額を4等分して分け合って入学前最後の夜を楽しんだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ