その旅路はリバーシのようで
百合の間に挟まった男は、死ぬ。
死した魂は、生前の罪を洗い流してから自由となる
もしも因果がそれらを定めるなら、その先にあるものは...
「ねえ、あそぼうよ」
昔から、自分が誰かなんてどうでもよかった
遊ぶ相手だって気にしてなかった。
男に生まれたのは認めるが、それだけだ。
「橘さん、今日は...ああ、柊さんも呼んだよ」
性別なんて気にせずに、友達は友達のはずだった。
そもそも恋愛なんてどうでもよかった。
将来はどちらかという親の話も、よく分からず聞き流した。
わざわざどちらかを切り捨てる意味も、わからなかった。
「柊、今日は...橘と約束...? それならまあいいや、楽しんで」
でも、2人はそうでも無い様子だった。
段々、自分抜きで遊びに行くことも増えていたらしい。
何故か噂になっていたから少しは聞いていた。
それでも一緒に遊びに行けた、ある日
"えっ、在坂! ねえ! ねえってば!"
在坂家の一人息子は...僕は...死んだ。
不自然にも落ちてきた何かに当たった、そこまでは覚えている。
そう、それから今まではあっという間に過ぎたんだ。
『サリアちゃん、ばしゃばしゃするよー。せーの...』
『〈流れを開け、帯の如く、巡れよ巡れ〉』
こんな、小さい女の身体になったことも。
ここがで元いた世界でないと知ったことも。
何故か、見た目は小さな魔女にお世話され始めたことも。
風呂で魔法詠唱を始める馬鹿が、魔女をできる理由も。
「えっ、ちょっ、待っ...」
どうして、こんな目にあったのか。
どうなったら、女2人の傍で死んで女体に入れられるという、リバーシのような扱いを受けるのか。
そもそも、この魔女は何故こんな扱いをするのか...
まずは、それを思い出すことから始めよう。
『サリアちゃん、覚悟っ! 【生ける全てを堕とす滝】!』
こんにゃく(略式挨拶)、NULLです。
少し前に書いていたリバーシ転生百合(?)ですが、以前の物では完成度に納得がいかなかったので書き直し&再投稿する運びとなりました。
つまり気分を入れ替えたので1周目です、よろしくお願いします