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「何が、起こって……」


 モンタンはしばらく固まってしまっていた。


 だが時間が経ち、余裕そうな俺を見てようやく状況が飲み込めてきたのか、再びつぶやいた。


「あなたが……やったのですか?」


「そうだよ。でもごめん。なんか知らないけどぼうっと見ちゃってたわ」


 本当はこれはよくない。

 俺は魔法に関しては意味不明なものを持っているが、動体視力や運動神経は現代社会の引きこもりレベルだ。

 不意打ちを食らってしまう可能性もあったし、もっと余裕を持って処理するべきだったのかも。まぁ蓋を開ければこれだし結果オーライか。


「魔法……ですか?」


「え? まぁそうだな。正直俺もよく分かってないんだけど、このくらいだったらまぁ余裕って感じかな。全然本気出してないしな」


 せっかくいい感じだし、ここは格好をつけさせてもらおう。まぁ本当に俺からしたらお試し感覚って感じだし、あながち嘘ってわけじゃないんだけど。


「…………」


 しばらく俺の顔を至近距離で見つめた後、急に俺の腕から抜け出し、とんっ、と地面に着地した。


「おい大丈夫か、思いっきり蹴られてたけど……」


「そんな痛みもう吹き飛びましたよ。ええ、なるほど、これは確かに『本物』ですね。百聞は一見にしかず、ラブさんが感じてたことはこれですか」


 モンタンはいつもの調子に戻っているように見えた。

 本当に大丈夫なのかなぁ。


 そういえば俺は魔法を使えるわけだから、回復魔法とかも使えるんじゃないか?

 そう思ったが、どうやれば回復させられるのかというイメージが全く湧いてこなかった。


「……あなたは一体何ものなんですか?」


「普通に人間ですけど。てか同じことラブにも聞かれたわ。何回もしつこいようにな」


「ふぅ。なんかつかれました。もう今日のところは撤収しましょう。目的も達成したことですしね」


「ずいぶんあっさりだな。まぁでも確かに疲れたし早く帰って休みたいな。ふん、しかしこれで俺の実力もよく分かっただろ。俺があまりに最強過ぎるってことが」


「はい。痛いほどよくわかりました。というかちょっとまだよく消化しきれてないので、諸々の続きは明日にしていただいてもいいですか?」


「え? ああまぁいいぜ。確かにモンタン完全に死にかけてたもんな。モンタンの本当の姿を見れた感じがして個人的にはすごく良かったけど」


「……おちょくってるんですか?」



 なんやかんやで任務を達成したので、二人してヘロヘロになりながらモナの街に帰り着いた。











「報告等は私が済ませておきます。あとは任せてユノミさんはゆっくり休んでください。それでよろしいですよね?」


 とりあえず深く考えずに歩いているとギルドにたどり着いていたので、そこでモンタンと別れることになった。


「え? うん分かった。モンタンもゆっくり休めよ!」


「ええ、まぁ……」


 なんだかすごく疲れた様子でどこかに行ってしまった。

 本当に大丈夫だろうか。まぁあれだけのことがあったんだから、もう今からでもぐっすり寝て回復に努めたほうが良いよな。俺が隣で寝言でも言ってやろうか。いや、寝言じゃだめか、子守唄じゃないと!


「ああ! いたー!」


 ギルドの前でどうしようかと考えていると、見知った顔の人物がすごい速度で走ってきた。


「どわ! ラブ!」


「どこ行ったのよ! 散々探したんだから!」


 ラブはシンプルに怒っているように見えた。


「探したって、ちょっと依頼をだなぁ」


「依頼に行くんなら私も連れていきなさいよ。まさか魔法を撃ったとかじゃないでしょうね、依頼先で」


「普通に撃ったよ」


「きいいいいい!! なんで! なんでよ! 私も見たかったわよ!」


 ラブにぐわんぐわん揺さぶられる。

 ああ、もう首がもげそうだ。俺このまま死ぬんじゃないだろうか。


「あっ! ごめんなさい、つい力が入っちゃたわ! まぁ許してね。あ、それはそれで聞いた? 今この街でとんでもないことが起こってるかもしれないって」


「え? とんでもないこと?」


 首が無事つながってることを確かめつつラブに聞き返す。


「ええ、街の一部が崩壊してたのよ。私も見に行ったけどあれはもう災害という言葉でしか言い表せないものだったわ。まぁ私もあのくらいなら簡単にできるけど、それでもあれを引き起こした何者かがいるというのは非常に脅威なことだわ。そう、それに気を取られたのもあって朝一ギルドに行きそこねたのよ!」


 街の一部が崩壊?

 そりゃとんでもないことが起こってんな。地震とかそういうことじゃないよな? だとしたらさすがの俺も気づけたはずだし……まぁ夜寝てる最中とかだったらワンちゃん気付かず爆睡してたかもしれなけど。そうだな、その可能性が高いだろう。


「地震じゃないか? 深夜に思いっきり揺れたとかだろ」


「だとしたらさすがの私も気づくわよ! まぁ寝てる最中にとかだったらその限りではないかもしれないけど……いや、違うわ! あの一部だけえぐれたような被害状況! 地震ならもっと広範囲に被害が出るはずだもの!」


「まぁよくわかんないけども、その犯人を捕まえようとしてるのか?」


「いえ、私は単純な興味が湧いたのよ。もしかしたらものすごく強いやつがこの街にいるんじゃないかってね! それにそういう街でのゴタゴタは治安官が対応してくれるだろうしね。というか実際にやってたわ! 死人も出てたみたい!」

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