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「でも大丈夫なのかよ、今はもうやつらのテリトリーにいるわけだろ? もし本当に襲われたとして、俺が撃退できなかったらあんたも捕まっちまうぞ」


 なんやかんやで心配になってしまい、ついそんなことを口走ってしまう。


「その辺は心配いりません。私がその辺を考慮していないはずがないですよね。人間の走る速度なんてたかがしれてますので、逃げようと思えばいとも簡単ですよ。むしろ逃走難易度は全体で見てもかなり低い方です」


「まぁ確かに獣とかに比べれば大したことはないのか……? でも言うても相手は男だぞ。そう簡単に逃げれるのかな」


「その辺のなんのトレーニングも積んでいない男に負けてるようじゃ私の名が廃れますね」


「トレーニングって……モンタンも普通に内勤だろ? 運動とかも全然できてないんじゃないか」


「確かに最近は少し体が凝り気味ですが、これでも元Dランク冒険者ですからね」


「なるほど……て、ええ!? モンタン冒険者だったの!?」


「まぁ今は活動自体はしていませんけどね。というか何を今更驚いてるんですか? そもそもこれはEランクの依頼なわけなのでFランクのユノミさんは受けれませんよね? 私名義で受注してるんですよ。一応活動をやめたといっても席は残してあるので」


 た、確かに言われてみればそうだ……


「なんで冒険者をやめちゃったんだ? Dランクならそれなりに強いんじゃないか?」


 ラブほどではないのかもしれないが、それでもランク的に考えればあのオークとかも倒せてもおかしくないよな? この歳の女の子でそこまでやれるのは冷静に考えてみればかなりすごい気がする。


「まぁ話すと長くなりますし、あなたに教える義理もないですので黙秘させていただきますね。さぁそろそろ休憩も終わったでしょう。歩いた方が遭遇する確立は高くなりますからね。大体見張るのにちょうどいい場所を見つけてそこで待機していたりするんですよ。わかりますか?」


 モンタンにそそのかされてしまったので、仕方なく行軍を再開することにする。

 といってもほんとに道なりに沿って歩きまくるだけだったが。






「お、おいぃ、もう一時間くらいは歩いてないか……それに日も照ってきた、いつ終わるんだよ」


「おかしいですね。私が睨んだ感じだとそろそろアプローチがあってもおかしくないと思うのですが」


 日が高くなっても、一向に盗賊さんたちが現れる様子はなかった。もうずっと歩きっぱなしだ。


「あー! もう無理だ! こんなの耐えられないです。もう流石に休まさせていただきます」


 俺は大の字になり寝転がった。

 あー、生き返る……なんで俺はこんなにつらい目にあってるんだ。でも寝転がったら寝転がったで日が熱くて邪魔だなぁ。日差しが眩しくて全然休憩に集中できない。


「もうムカつくなぁ!! どいつもこいつも俺を邪魔しやがって!!」


「子供ですか…………きました」


 ふとモンタンの気配が変わった気がした。


 俺がでかい声を出したからなのかはわからないが、ついにその時が来たらしい。


「うーん、どこだぁ?」


 周りをキョロキョロするが、平原が広がるのみで特にこれと言って変わったところはない。


「あっち方面ですよ。完全にやる気のようですね」


 モンタンが示す方向を見てみると、確かに遠くの林の方で何かがうごめいているのがわかった。

 そしてそれは段々とうごめきをましてきていて、やがてそれが人間の集まりだということがわかった。

 うお、本当だ……


 近づいてくるにつれわかったが、武装した人間が一直線にこっちに向かってきた。全員馬に乗っていた。


「止まれ!」


 そいつら――十人組くらいの男らが、俺達に威圧的な声を掛けてきた。

 俺達の周りを包囲しつつある。

 こ、こいつらが盗賊か? なんか思っていたよりも立派な装備つけてるんですけど、結構ちゃんとした白くていい感じの鎧をつけてるんだが大丈夫か? まぁこの辺の盗賊は余裕とか言ってたし、大丈夫なんだろうなたぶん。


 隣を見てみると、モンタンの顔が若干険しくなっている気がした。も、モンタン?


「…………」


「ふん、案外おとなしいじゃないか。ちょっと一緒に来てもらおうか、そこのお嬢ちゃん。俺達がお前を飼わせてもらうぜぇ。そしてそこの男は用済みだ、やれ」


 リーダーっぽい男が的確な指示を出す。


「ふぅ、あなたたちが最近この辺をうろついているという盗賊ですよね? その割にはなんだか装備が充実しているように思えるのですが」


 いささか緊張した様子でモンタンがしつもんを投げかける。


「はっ、なんだ。ずいぶんと強気じゃねぇか。いいねぇ。そういう女はマジでそそるんだ。いいさと特別に答えてやろう。俺達をその辺のごろつきとやらなんやらと同類にしてもらっては困るねぇ。俺達はスペシャルでハイパーなチームなんだ。誰の追随も許さない、自由の象徴のようなチームなんだよ、それがオレたちが無敵たるゆえんさ誰も俺達をめくることなどできないのさ、はははははははははははははははははははは!!!!!!!」

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