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 冒険者ギルドで職員に今回の依頼についての報告をした。

 なんやかんやで対応、処理してもらい、俺達が死んでしまった冒険者についてそれ以上どうこうするとかいうこともなかった。


 気づけば時刻は夕飯時を迎えていた。



「なんとそのようなことがあったとは、この私も流石に驚きましたよ」


 受付にいるモンちゃんがあまり驚いてなさそうな表情で言った。


「まぁ冒険者である以上こういうのはつきものよね! あの人達も冒険者でありながら天へ昇れたんだから本望なんじゃないかしら!」


 ラブは相変わらず能天気だった。


「ラブさん……言いたいことはわかりますが、人の死を本望で締めくくるのは流石に人としてどうかと思いますよ」


「そ、そうなの? ごめんなさい!」


 モンちゃんはラブに対してであっても厳しい面はあるようだ。


「まぁ今回は許して差し上げますよ。他でもないラブさんですからね。ところでその男は今回の依頼で何か役にたったのでしょうか? すごい魔法を使う、とはラブさんのお言葉ですが」


「この男は何もしなかったわ!」


「そうだな、何もしなかったというかできなかったな」


「はっ、やはりその程度の実力でしたか。やはりラブさん、この男にこれ以上関わるのはやめておくべきかと。ラブさんの沽券に関わりますよ。それと同時に股間にも関わるかもしれません」


「え、どういうこと?」


 キョトンとするラブ。

 俺も何かを喋ろうとしたが、続く言葉がまったくでてこなかった。はたから見れば金魚のごとく口をパクパクさせていることだろう。しかしそれは懸命な判断だったのかもしれない。自分から火事現場に突っ込むことはないだろう。俺はへへっと、アホな声を出してごまかした。


「まぁそれはそうと報酬よね! 今回はオークといえどもめちゃくちゃ倒したんだから。もうそれははずんで貰えるんでしょうね」


「具体的にはどれほどでしょうか?」


「うーん、百匹くらいかな。あっ、あと明らかに大きいのが一匹いたわね!」


「わかりました。それではオークキング一匹と通常のオーク九十九匹で計上させていただきますね、少々お待ち下さい」


 そう言って下がっていくモンちゃん。

 えー、そんなに雑でいいのか? 明らかに適当すぎるだろ、大丈夫か?


「それはではこちらが報酬の778000イイネになります」


 パンパンに詰まった袋をラブは受け取った。


「こんなんでいいのか。もしかしたらラブが嘘を付いてるって可能性もあるだろ?」


「私がそんなしょうもないことするわけないじゃない。なんのために生きてるかわからないじゃない。私嘘はつかないのよね」


「……あなたの懸念は最もかもしれませんが、ラブさんはなんて言ったってSランク冒険者ですからね。特例で口頭での報告が認められているのです。そしてラブさんは数々の実績をもたらしてますから、ギルドとしても良好な関係を気づいていきたいというのがあるんですよ。わかります?」


 へー、そんなに厚い信頼関係にあるんだ。羨ましいぜ。ラブについて聞けば聞くほど凄さが増してる気がするな。


「俺もそのうち適当に報告できるようになりたいな!」


「それにはSランク冒険者になる必要がありますね。あと伝説的な実績も必要です」


「そんなに難しいのか、Sランク冒険者って」


「世界に六人しかいませんからね。この国にはラブさんともう一人しかいません。まぁ二人いるってだけでも相当奇跡に近いですけどね。なにせ世界には100国以上はあるとのことですから」


 俺が三人目になってやるぜ! と威勢よく言おうとしたが、小物感が出る気がしたのでやめた。


「少しでも近づけるように努力させてもらうよ」


「まぁ近づくだけなら誰でも可能ですけどね。さて、今日の業務はこのへんで終わりですかね。私もう十五分も残業してるんですよ。もう流石に帰らさせてもらいますよ」


 ぶつぶつ言いながらモンちゃんは下がっていった。

 お疲れ様と言ってあげたいな。


「ラブってやっぱりかなりすごいやつだったんだな」


「まぁね。だって世界最強なのよ、当たり前でしょ。それと報酬は半分でいいかしら。一応あなたが受けた依頼だから、どうしたらいいかなって」


 え、そうか。そういや俺が依頼を受けたんだっけ? 俺なんにも関わってない感覚だったから報酬は全部ラブのものかと思ってたぜ。


「いいのか? オークを倒したのはラブだろ?」


「まぁそうだけど、正直言って別にこんなの大した金額でもないしね。一応報酬は貰えるだけ貰う主義ってだけで。なんなら依頼初成功のねぎらいってことで全額あげてもいいけど、一応わたしも冒険者だしその辺の仕切りたりに乗っ取れば均等に配分ってことになるかなって」


「もう半分も貰えればばんばんざいです。バンザイしてあげたいよ、ラブに。ちなみに後ろからな」


「どういうことよ。じゃあちょっと半分にするから待ってて」


 ラブはそのへんのテーブルにお金を広げた。

 お金はすべて硬貨だった。

 金色の大きな金貨がいっぱいだった。

 それなりに時間をかけラブが袋を渡してきた。


「大体半分にしたと思うわ! 受け取りなさい」


「結構時間かけてだいたいなのかよ。まぁいいけど」


 俺は遠慮なく受け取った。

 なんか知らないけど大金ゲット! さーて宿を探すとしますか。ラブについていっちゃおっかな。

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