第4話 集った任侠者
俺は仁科守義。悪の組織を打倒する組織に入ることに決めた能力者だ。
チンピラ達の襲撃の次の日、俺はTC壊滅軍リーダーの友添さんに呼び出された。
「まさか、君が入ってくれるとは」
「はい。人々を守りたいですから」
「じゃあ、とりあえずうちの者達を紹介するか」
俺と友添さんは組織を見て回ることにした。
「まずここは諜報機関。情報担当だった元ヤクザや元半グレなんかがいる」
「あ、リーダー。おはようございます」
友添さんの所に来たのは、金髪のオールバックの男。
「この人は?」
「この人は千葉の暴力団、湯浅組の情報担当だった青柳高彦だ。諜報機関の隊長をやってもらっている」
「どうも。名前は聞いてるよ」
「よ、よろしくお願いします…」
「じゃあ次だ」
俺達が着いたのは倉庫だった。
「ここは…」
「ここは武器庫だ」
中に入ると、そこには長い髭を生やした老人がいた。
「ん?リーダー、何の用で?」
「新人が入ったからな。顔合わせってやつだ」
「そうか」
老人が葉巻をふかしながら、自己紹介をする。
「俺は興津雅。まぁ、所謂武器商人ってところかな」
「興津さんは傭兵上がりのヤクザで、かつて関東で一番大きかった組織、武藤連合会の武闘派の1人だったんだ」
「ふっ、リーダー、それはもう過去の話だ」
「ははは、貴方はいつでも謙虚ですねぇ」
「よ、よろしくお願いします…」
「あいよ、兄ちゃん。老いぼれだが、よろしく頼むぜ」
次に向かったのはとあるテント。そこは昨日我孫子さんと共に向かった救護所だった。
「おーい。今大丈夫かぁ?」
「お、友添の旦那、今回はなんですか?」
「新人が入ったから、組織を案内してやってんだ」
そこには、医者の格好をした3、40代くらいの男がいた。
「お、君が我孫子を運んでくれた奴かい?」
「は、はい」
「アイツは『すぐに復帰する!』って言ってたが、暫く休んだ方がいいな」
「そうですよね…肩貫かれてましたし」
「申し遅れた。俺は救護班の殿山佳介。元々この町で闇医者をやってた者だ」
「よく色んなヤクザがこの人に救われたもんさ」
「改めてよろしくお願いします…」
「よろしく」
最後に向かったのは5階建てのビル。
「ここが、戦闘班だ」
「戦闘班…?」
「名前の通り、タブーチルドレンの奴らと戦う奴らだ。ここにいるのは普通のチンピラじゃあ勝てない奴ばかりだ」
中に入り、2mもありそうな屈強な中年男がそこにいた。
「よっ、下井」
「おっ、リーダー。どうしました?」
「新人にここに案内させてるんだ」
「どうも、仁科守義です」
「威勢のいい兄ちゃんだなぁ!俺はここの戦闘班で隊長兼軍曹を務めてる下井浩平だぁ!よろしくぅ!」
「よ、よろしくお願いします!」
「下井さんは神奈川の種崎一家の武闘派だった。二ヶ月前まではな…」
「あぁ。タブーチルドレンの奴らに俺のオヤジや舎弟達を殺されたんだ。それでこの前、ここが仲間を募集していたもんで、ここに来たのさ」
「そうなんですね…俺も、自分を引き取ってくれた父親を殺されたんです」
「あぁ。でも、人間はいつまでもクヨクヨしちゃあいけねぇんだ。それだと、親父さんを悲しませちゃうからなぁ」
「そうですよね。ありがとうございます!」
「よし。とりあえずこんなもんかね」
すると、友添さんのスマホが鳴る。
「すまない。電話だ」
電話の相手は青柳さんだった。
「どうした青柳?何!?」
「どうしました?」
「タブーチルドレンの幹部を追ってた奴が、行方不明になったそうだ!」
「な…」
「くそっ…」
友添さんが握り拳で怒りを示した。
「くそっ…奴らめ…」
この時、俺達は知らなかった。タブーチルドレンの奴らが俺達以上だということを…