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忌み子という名の能力者  作者: 蔵品大樹
第4章 寡黙の鋼鉄と関西ヤクザ
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第27話 寡黙の鋼鉄

 タブーチルドレン本部、ボスの部屋。そこにはボスと幹部の金岡がいた。

 「ほう…メキシコの奴らがお前に手を出したと」

 「はい。ですが全員返り討ちにしました」

 「流石鋼鉄だ。それはそうと、幹部の者達が立て続けに死んでいる。雷と植草。さらに裏切り者の黒岩は死体は見つかってないが死んだらしい」

 「えぇ。とても悲しきことです」

 「そして彼らを殺っているのは仁科守義。奴を殺さぬ限り、儂らの組織がこの世を乗っ取れん」

 「それで、俺に?」

 「いや、そういう訳ではない。もしそれでお前が死んだら意味がない」

 「ほう」

 そして、ボスは金岡に命令した。

 「そういえば、関西の担当はお前だったな?」

 「はい」

 「大阪の泉興業を破壊するのだ」

 「破壊…ですか」

 「あぁ。儂の直感だ」

 「……分かりました。では、そこを俺の手により破壊してきます」

 「頼んだぞ」

 そして、金岡は部屋を出た。




 金岡練。彼は小学生にしてフェンシングの天才だった。

 彼の出る試合は必ず勝利。負け知らずだった。そんな彼には師匠とも呼べる人物がいた。

 『真白木フェンシング塾』のコーチ、剣持鋭児(けんもちえいじ)だ。剣持はかつてオリンピックで金メダルを取ったこともあり、彼の育てる練習生はとても優秀で、彼らの中で一番最強であったのが金岡だったのだ。

 だが、そんな最強でも友達は出来なかった。

 それは金岡があまり喋らない性格で、誰とも関わるような人間では無かったのだ。

 他の子からも、『親無し』という事から避けられていたのだ。(強い金岡に嫉妬を抱き避けた者もいたが)

 しかし、金岡が唯一関われる人間が剣持だった。

 実は剣持も小学生の頃に親と死別し、その悲しさを下手ながらも習っていたフェンシングで埋めていた。そのうち、剣持はフェンシングがみるみる上手になり、オリンピックで優勝するまでに至ったのだ。

 金岡はそんな剣持を父のように慕い、二人は親子のような仲となっていた。

 だが、それを切り裂く者がいた。

 例の誘拐事件の日、金岡は塾にて剣持と二人きりで休憩していた。するとそこに乱入者が現れた。

 「ちょいと失礼」

 そいつは黒服の男で身長は180もあった。

 「だ、誰だ!」

 「ボスの命令ですわ。恨まんでください」

 男が金岡に近付く。男と金岡の間に剣持が入る。

 「俺は…生徒を守らなければならないんだ!」

 「ほう…?まぁ、邪魔するんやったら死んでくれや」

 男は懐から拳銃を取り出し、剣持の脇腹を撃つ。

 「がぁっ!」

 「どいたどいた」

 邪魔者を退けようとするも、男にしがみつく剣持。

 「なっ…」

 「俺の…生徒に……手を出させはしない!」

 「くそったらぁ…」

 「金岡ぁ!すぐに逃げろぉ!」

 「は、はい!」

 金岡は男の横を通り抜けて、部屋を出た。

 「この野郎……」

 男は剣持に何発も撃った。

 「がぁっ」

 「けっ、とはいえ外にもいる。そいつらに任せるとするか」

 実は外にも誘拐犯がいたのだ。

 塾を出た金岡の前には何人もの誘拐犯が。

 「あっ…わっ…」

 「さて、行こうか」

 その後、解放の後能力に目覚た金岡は塾の生徒に蔑まれ、塾に行くのを止めた。そして、今に至るのだ。





 東京駅。金岡は大阪行きの新幹線に乗ろうとしていた。

 「さて…ん?」

 金岡が向こうを見る。そこには、見たことがあるような青年がいた。

 (仁科…いや、そんな訳無いか)

 自分の考えを否定し、金岡は新幹線に乗り込む。片道切符を手に持って。

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