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エル・ピコロコ ~名も知られずに消えてゆくフジツボ達に讃美を送らねばならぬ~

作者: 黒実 音子

名も知られずに・・・!!

名も知られずに消えてゆく

藤壺(ピコロコ)達に讃美を送らねばならぬ。


海の底で藤壺(ピコロコ)達はミサ・ヴレヴィスを行い、

「栄光を!!」と叫びながら

パルトアウフ斑を浮かび上がらせ死んでいくのだ。


倣え!!

「キリストは・・・

信仰は、

藤壺の中にいる」


この世の尊いものの為に、

腐敗した豚の群れの中に

飛び込んでいった君はそう言った。


ああ!! その時、

何千もの聖書の美しさや、

文章が燃えたのだ!!

沢山の神の言葉が燃えたのだ!!

そのページは永遠に知られる事はない。


しかし、私は見た!!

この世の尊いものを!!

気高さを!!

永遠の命を!!


「確かに私は去る。

しかし、アナタは見たじゃないか。

そうやって伝わってゆくのだ。

誰かによって、目撃された愛は。

すなわち、気高さは!!

何千年もの間、

この世界の中で密かに伝えられるのだ。」

と君は笑って言った。


だから、この世から気高さは消えないのだ、と。

それは秘教の秘儀なのだ、と。

例え、治安警察(グアルディア・シビル)の拳銃で

何度、尊いものが撃ち殺されようと、

肺が結核性の空洞に侵されようと、

それは十字架の中で燃え残るのだ。

ああ、そうだとも!!

地獄の火で気高さを燃やす事は出来ないのだ!!


「名も知られずに消えていく事こそが最も尊い事だよ。

メイオフォーナ達のミサを受け入れるのだ」

と君は言った。


だから、私は

名も知られずに消えてゆく

藤壺(ピコロコ)達に讃美を送らねばならぬ。


ああ!!彼らによって作られたこの世界で、

その世界の中で、

私は光を見た!!

それは栄光であり、

暖炉の火であり、

ああ、そうとも。

あれは、永遠に憧れる

神の家の窓の灯りだ・・・

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