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ラストダンジョン

作者: 闘魂

荒れ果てた北の大地。

闊歩するのは凶悪なモンスターの群れ。


モンスターたちはその場所からは離れないため、人間とは完全に棲み分けが出来ていた。

しかし、その大地のさらに奥に、忘れ去られたダンジョンがあるという伝説が、太古より受け継がれてきた。

なんでもそのダンジョンは神話の時代よりもさらに古くに住んでいた部族が造ったものらしい。


そのダンジョンの差深部には、想像を絶する何かが眠っているというが、所詮は伝説。真相は不明である。


だが、伝説を求め、あまたの冒険者たちがその大地に足を踏み入れた。


大抵は海岸沿いに住むモンスターにやられていたが、徐々にモンスターへの対処も知れ渡り、またモンスターたちの皮や肉、骨などが希少材料として取引対象となったことから、数百年後には冒険者たちの村が作られるほどになった。


そうなってくると、その村で生まれ、一生を過ごす者たちも出てくる。


頻繁に村は襲われ、そのたびに被害が出て、モンスターに恨みを抱く者たちも増えた。


そしてまた年月が経ち、もともとは人畜無害であったモンスターは討伐の対象となり、人間にも勇者と呼ばれる者たちが現れてくる。


初代勇者はただの戦士であったが、定期的に村を破壊しにやってく身の丈10mにも達するトロルを一人で倒したことから、伝説の勇者となった。


初代から29代目の勇者が、ついに北の大地の最深部・・・ダンジョンの入り口を守っていたドラゴンの首を切り落とした。


ついに、ダンジョン探索が開始されたのである。


ダンジョンは粘土で埋め尽くされていた。

魔法使いが杖から最高出力のファイアで粘土を溶かし、勇者一行はダンジョンを進む。


壁には恐ろしい絵が刻まれている。

もとは人間だったのか、皮膚が崩れたもの、手足が増えたもの、異様に長いもの、双頭、単眼、複眼・・・

途中から異様な音がそこら中から響いてきた。

この音を聞いていると、気が狂いそうになる。

防御魔法を使って、遮音して乗り切った。


一歩歩くごと、弓やヤリ、炎、落とし穴などのトラップ。

ブラックドラゴンやアークデーモンなど、S級モンスターがグループで襲い掛かってくる。


それらの苦難に何度も撤退をしながらも、何度目かの挑戦で、ついにダンジョンのボスと対峙した。


それは光沢のある体をしており、強力な魔法も、戦士のヤリも、勇者の剣ですら一向にダメージが通らない。

だが、魔法使いごと巻き込む禁断呪文を炸裂させ、ボスを封印した。


ついに、伝説との対峙である。


扉を開けると、筒上のものが数えきれないほどぎっしりと並べられていた。


「これが、お宝なのか?」


「伝説では、とんでもないパワーを持っているらしいが・・・」


その筒はしぃんとして何も動かない。


しかたなく、勇者たちは仲間を呼び、それらの筒を村まで運び出した。


長老たちに見て貰ったが、見当がつかないという。


仕方なく、世界中の国々に筒を送り、研究してもらうが、謎は解明できなかった。



数年後、世界中で奇病が発生する。

バタバタと人が死んでいく。

血を吐き、血便を垂れ流し、皮膚がただれる。


奇形児ばかり生まれるようなった。


人類はどんどん衰退していき、そして絶滅した。



~神話の時代よりさらに太古の時代~


フィンランドでは地下深くに核廃棄物の貯蔵する設備を作った。

地盤は数億年安定し、核廃棄物も600年分は貯蔵できる。


だが、核廃棄物が無害化するまで膨大な時間はかかる。

どうやって1万年後の子孫に、核廃棄物の危険性を伝えるのか?が問題になっていた。


いろんなアイデアが出た。


そもそも隠し、忘れ去れば、わざわざ発掘されることもないというのが有力な案ではあったが、はるか未来に古代遺跡の跡だとして坑道を発見されたら一巻の終わりである。


現代人だって、遺跡の調査しているくらいだ。未来人だって必ず行う。


それなら、危険な場所として近づかせなければよい・・・


遺伝子操作で作った怪物を闊歩させ、念を入れ、坑道の壁には放射能による被害を絵で伝えた。

警告音も流すようにしたし、扉の前には説明用ロボットが鎮座している。


これで我々の子孫も安泰である。



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