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アイドル襲来



 デュフフ。今日は蹴られていないぞ。


 ボクが登校しても、ひそひそ話をするだけで誰も近寄ってこない……。それは当たり前だけれど、サッカー部のイケメン陣内くんだけは蹴りにやってくるはずなのに。



「おいブタオ!キモイんだよ!……じゃなかった。昨日なんかしたの!?」

「ブヒィ!美月ちゃ――



バチン!



「ブヒィ!!」

「下の名前で呼ぶんじゃないわよ!このブタ!!」



 かわりに幼馴染のビンタを食らったでござる。ラブコメとかだと、幼馴染って最高のワードだけど、ボクの辞書では最凶のワードでござる。



「あやや!光圀氏?大丈夫ですかな?」

「デュフフ!山根氏!聞いて下され!幼馴染なのに昔みたいに名前で呼ぼうとすると、ビンタされるんでござる!」

「あっ!山根っち!おは……おはよ!」

「……おは、おはようですぞ!如月氏」



 この差である。ちなみに美月ちゃんはこの山根氏にホの字でござる。みててほほえましい気もするけれど、きっとうまくいかない。だって山根氏はアイドルというステータス以外に興味がない。

 可能性があるとしたら、美月ちゃんが彼を強引に襲うしかない。そうなれば童貞である山根氏は屈するしかない。彼もボクと同じで非力だ。


 そんな二人を見ていたボクの前に委員長が立っていた。



「ちょっとキモブ――いえキモ国?……うーんブタ国?……いいやちょっといいかしらブタ?」

「も、もしかして、ボ、ボクのことかな?舞島氏……」

「キモイ……いやしかし……やっぱりキモい……」



 名前を覚えてないうえにブタ呼ばわり。そのうえ罵声を浴びせ続けるなかなかのドSっぷりの委員長。



「昨日、校舎裏でハイオークに遭遇したっていう生徒がいたんだけれど、何か知らないかしら?」



 ハイオーク?なぜそれでボクに真っ先に声をかけるのか不思議だ。



「し、しらないなぁ?なにか知ってる山根氏」

「しりませぬぞ!光圀氏!しかしハイオークとは燃える展開!」

「デュフフ……。これはボクの暗黒剣が炸裂しちゃうんでござる」



 左手で右目をパーにして隠して、ポージングする。



「おおお!かっこいい!!かっこいいですぞ!!」

「ちょっと山根っち……どこがかっこいいのよ」

「あやや!このカッコよさが、わからないとは如月氏は、根本的に合わないのですぞ!」

「ガーーーーン!!」



 つい口にでた山根氏の言葉に、美月ちゃんがショックを受けている。わかっていたけど、美月ちゃんは相手のことを理解しようとしないデリカシーがない人間なのだ。

 いくら美少女って言われてるからって、これはないでござる。


 早くこのやり取りが終わらないかなと考えてると、またややこしい人がきてしまった。昨日の件のmikuちゃんである。

 なぜかこっちに向かってきている。席は反対側のほうだから。こっちはハイオークしかいないから。



「キモっ――じゃなかった光圀くん……だったからしら?」

「……そ、そうでござるが?」

「……あの……きょうのお昼、一緒に食べない?」


「「「え~~~~~~!!!???」」



 クラス中の大音量。全員が声をそろえておどろいている。その中にボクも含まれている。だって彼女は日本中が羨むアイドルグループの人気メンバー。

 かたやブサメン、キモオタ、二次元オンリー。


 天地がひっくり返っても、ありえないと自他ともに認めてしまう出来事だった。



「……いいのでござるか?相川氏の評判が落ちるでござる」

「……い、いいの!……あたしがブサ……光圀くんと一緒に食べたいの!」



 そういってボクの腕をつかんで、胸を押し付けてくる。あざとい!さすがにあざといアイドル。これに勝てる男なんて居るわけがない。ましてやボクは童貞ブサメン、キモオタ、二次元オンリー。



 ブヒィ!そうだ!ぼくにはミルちゃんがいるじゃないか!?



「で、でも……ボク学食に……」

「……お・べ・ん・と。作って来たから!ねぇ~おねがい!」

「……わ、わかってでござるよ」

「やった!……たのしみにしてる!」



 納得するとやっと離れてくれた。彼女の残りがが、ふわっと舞ってボクは参ってしまいそうになる。なんで女の子はあんなに良い匂いがするんだ……。



いやっ!ボクにはミルちゃんが……でも、いいにおいだったなぁ



「さ、さすがは光圀氏……あのアイドルのmikuちゃんすら魅了したのですぞ!」

「……デュフフ。や、やはりボクの暗黒オーラが彼女に伝わってしまったようでござる」

「どうしました!光圀氏!いつもの切れがないのですぞ!!」


「あたしにはいつもと同じにみえるキモさだけど……」

「もう如月氏は、男心の分からないオナゴですなぁ!」

「ガーーーン!!」



 美月ちゃんざまぁ……。は置いて、これは波乱が起きそうでござる……。

mikuちゃんは学校中の人気者。それに幼馴染の美月ちゃん。そして今目の前にいる委員長と、近場に学校三大美少女が集結してしまっているでござる。



 ンモ~~~!ボクがミルちゃんへ愛を注ぐ時間が削られていくのでしょうが!!










読んでいただき、ありがとうございます!


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