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委員長の様子



 デュフフゥ!みくちゃんのお家。

 いまは美月ちゃんといっしょにみくちゃんの練習を見ている。別にアドバイスをするわけでもなく、ただじっと見ているだけでござる。



「まだ舞島氏は戻ってきてないのでござるか?」

「ううん。今日は登校してきたよ。」

「いつも通りだったのなら良いのでござる」

「委員長……たくみがしたことになっているのを信じちゃってると思う」

「それが狙いでござるからなぁ」



 そうしないと、生徒会長グループの反撃をくらって、委員長がビッチ扱いになってしまうのでござる。



「いいの?嫌われても」

「夢を壊さないまま、毒牙も回避できるなら良いのではござらんか?」

「でもそこにはたくみの感情がはいってないよ……」

「デュフフゥ!ボクの感情はマニちゃんの――



バチン!!!



「ブヒィイイ!」

「そっちにいくな!話が進まないでしょ!」

「わ、わかったでござるよ」



 思考の中だけにするのでござる。だって、ボクはいまやや浮かれている。なんとゴスロリマニちゃんをゲットできた上に、嬉しさ勢いにミルちゃんリバイバルガチャもひいてみたら浴衣をゲットできたのでござるぅうう!!デュフフゥ!!つまり……そうスク水ミルちゃんも自動的についてきたのでござる!!

 これはもうミルちゃんと復縁をするしかない事態でござる!しかしボクにはマニちゃんが……いったいどうすればいいのでござろうか!!??



「もうちょっとうまいやり方があると思うんだけどなぁ」

「ハイオークという共通の敵がいれば、みんな仲良くやれるでござる」

「それがあたしは嫌だっていってるの!」

「美月ちゃん……ありがとうでござる。美月ちゃんはやっぱりやさしいでござる」



「……っ!」



 ボクは正直な気持ちを伝えると、美月ちゃんが息をのんで固まってしまった。これはいけないのでござる。ブサメンがイケメンのようなしぐさをしたところで、ブサメンなわけで、いやハイオークがオークジェネラルになる程度の変化しかないわけで。


 それに美月ちゃんは、ブクブク太る前のボクをご所望でござる。はっきりいってもう戻る気はないのでござる。

 だから美月ちゃんにこれ以上優しくしてもらっても、恩を返せなくなるのでござる。



「美月ちゃん。あんまりボクにかかわっていると、彼氏できないでござるよ?ハイオークが近くにいる女子なんて、いくら美少女の美月ちゃんでも男は嫌がるのでござる」


「たくみのバカァアアア!!!!」



バチン!!!



ドガァッ!!!



「ブヒィイイイイイ!!!」



 ひっぱたいたうえで、サッカーボールキックを食らわせてきたでござる!!!なんという威力!!最近食事がままならない状況のせいで、神装バリア(脂肪)の12階層から10階層が減退してしまっていたから、内部浸食が激しいのでござる!!


 ボクがのたうち回っていると、美月ちゃんは走り去って帰ってしまったようでござる。



「た、たくみ!?平気?」

「大丈夫でござ――


「お嬢様に近づくなぁ!!!!」



ドゥムウウウウウウウンン!!!



「ブヒィイイイイイイ!!!!」



ごろごろごろごろごろ……ガコーン!!



 あの黒服のお姉さんの容赦のなさは、義妹並みでござる。いままで受けてきた陣内くんや美月ちゃん、それに委員長ですらまだ「愛」があった気がするのでござる。しかし、これはもう「殺」という感情しか伝わってこないサッカーボールキックでござる!!!



「……や、やった……ね?……ぐひひひひひ」


 デュフフゥ!!!!怖いでござるぅう!!せめて格好だけはもどってからヤンデレモードになってほしいでござる!!

 その後も何度も蹴りつけられて、話が全く進まないから、みくちゃんの強権で黒服には退場してもらった。




 デュフフ。いまはこの広い運動室で二人きりでござる。

 うれしいやら恥ずかしいやら。でも練習時間以外はほとんど会わせてもらえないから、お話しするにはちょうどいいのでござる。



「た、たくみ……ご、ごご、ごめん……ね?」

「前デートした時は、存在すら感じなかったのに、なんでこんなにシビアなのでござる?」


「あ、あ、あの……ハイオーク事件」

「どれでござるか?」


 ハイオーク事件なんって、ほぼ毎日起きているでござるよ。ボクが動けば事件が起きてしまうのでござる。それはまるで名探偵〇〇ンがごとく、行く先々でハイオークと言われて事件が起きるのでござる。



「しゃ、写真、とと、とられたの……うへへ」

「思い出したのでござる」

「あ……あれから、警戒……」

「そうでござるか……それはわるいことをしたのでござる。彼女たちも仕事でござるから、怒らないでやってほしいのでござる」

「た、たくみ……」



ぴと



 プギャアアアアアアアア!!!

 みくちゃんは無防備すぎるのでござる!!そんなに潤んだ瞳でひっつかれると、ハイオークは勘違いしてしまうのでやめてほしいのでござるぅ!!

 いまはゴスロリマニちゃんとスク水ミルちゃんの二兎をおって、いや追いかけられてデュフフゥゥウウウ!!おっと脳がショートしてしまったのでござる。とにかく、ゴスロリマニちゃんとスク水ミルちゃんで手一杯になっているはずでござる!!!

 それなのに、みくちゃんにこんなに引っ付かれてしまったら、負けちゃうのでござる!!ビクンビクン!!



「た、たくみ……」

「なんでござるか?」


向き直って、真剣な面持ちのみくちゃん。アイドルモードに切り替わったようでござる。


「あたし……5月で勝ったら言いたい事があります」

「ボクにでござるかぁ?」

「うん……だから応援して?」

「もちろんでござる!!ちゃんとみてるでござるよ」

「……っん」


 みくちゃんは嬉しそうに笑って、練習にもどっていった。

こんな日常も悪くはないのでござる。はっ!!いけないミルちゃんとマニちゃんのことが脳内から消えそうになっちゃったでござる!!!





 そのあとは、美月ちゃんは来ないかとおもったのに、毎日来てボクといっしょにみくちゃんの練習をみていた。そしてぶったたく隙を伺っている気がする。


 でもあれ以来、生徒会事件について言及しなくなった。というより何かたくらんでいるようでござる。

 

 5月の末には中間テストがある。みくちゃんはあとで受けることを学校が了承しているそうだ。アイドル業も一生懸命なのに少し心配でござる。


 ボクはスマホさえあれば、勉強ができるのでミルちゃんとマニちゃんを愛でながら勉強も欠かしていない。赤点はとることもないのでござる。



 そして停学が明け――

 ボクが登校すると、驚くべき光景が広がっていた。






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