みくちゃん宅の練習
遅くなりました!
デュフフゥ!今はみくちゃんが乗って来た車の送迎で、みくちゃんの家に行くと思いきや、ボクだけ徒歩だ。
なぜかっていわれれば、狭くて乗れないからでござる。
ボクの家から一時間ほどかかってしまったから、もう夕方でござる!はっきりってもう帰りたいでござる!
しかも大きい家だから入口が、わからないのでござるぅ!!
そうしていたらメッセが届いたでござる。
<どこ?>
ボクはGPS機能をつかって地図情報を送る。そしてしばらくするとボクの目の前に大きい車がとまった。
「ブヒィイイ!!な、なんでござるか!?」
「いいから乗れこのブタ野郎!」
「いやこいつはブタというよりハイオークだ!」
「OKハイオーク捕縛」
「ハイオーク捕縛!」
なんなんでござるか!あきらかに軍用車のような車に拉致されたでござる!しかもこの人たちは特殊部隊でござるか?
や、ヤバいでござる!!!こ、殺され……いや焼かれて?……オーク飯にされてしまうのでござる!!!!異世界グルメツアーでござる!!!
目隠しをされ、ロープでぐるぐる巻きにされ、気づけば広い体育館のような場所に拉致られていたでござる。
「何なんでござるか?」
「あっ!やっときたー!たくみっ!」
みくちゃんはアイドルモードになっていた。メイクもしているし髪型もいつもの様子でかわいらしい。でもやはり作った可愛さでござる。
それに待ちくたびれていた美月ちゃんもいる。
「たくみ遅いわよ?何してたのよ……」
「いや、歩いてきたのでござるよ?それにそこで軍用車に特殊部隊に拉致されて連れてこられたでござるよ」
「……あんた、もうちょっとましな嘘つけないの!?」
バチン!!
「ブヒィイイ!!ひどいでござるよ美月ちゃん!」
「……う、うそ……ちがう……ご、ごめん……たくみ」
家だとすぐに素にもどるのか、ちょっと作ったアイドルみくちゃんのままヤンデレになるとこわいのでござる。
「い、いいのでござる!それより、来たばっかりだけどもう時間も遅いし、また今度にするでござる」
「いや!たくみ!泊って行って!一週間ここにいて!」
「ブヒィイイイ!!それはまずいのでござる!!!」
「そうよっ!いくら広い屋敷でも何かあったらどうするの!?」
何かあるわけがないのでござる。なぜならば常に2人以上の黒服おねえさんが引っ付いているのでござる。本当にボンレスハムになるから、むしろ置いていかないでほしいでござる。
「ねぇ!おねがい!!」
「お嬢様!いけません!」
それにハイオーク事件の誤解もありそうで、親御さんに会いたくないのでござる。この使用人や護衛の様子だと、よく思われていないのは明白。
「そうよ、やめなさい!」
「如月さんは黙ってて!あたしとたくみの問題だよ!」
「いいえ相川家の問題でございます。許可をいただいてまいりますので、おまちください」
デュフフそれに~!ボクはゲットしたばかりのマニちゃん猫耳スーツを、愛でる時間が欲しいのでござる!こんなよそ様の、しかも豪邸でそんなものを見ているところ見られてしまったら日には、本当にハムどころか、ポイズンスライムのようにドロドロにされてしまうのでござる!!
「さ、たくみもきたし、如月さんはかえって!」
「……う、でも学校おわったら見に来るわよ!いいでしょ!?」
「そ、それは良い考えでござる!美月ちゃんにも見てもらうとよいのでござる!」
「……た、たくみがそういうのなら」
あぶないでござる!!!あやうく妄想に夢中でスルーしそうになったけど、外の世界と隔絶したままここにいたら、きっとオークジェネラルもただのオークへと降格するのでござる!……それはそれでいいきがしたでござる。
「み、美月ちゃん気を付けて帰るのでござる」
「……あ、うん。あんたこそ気をつけなさいよね!いろいろ」
「あ、気にしてくれるんでござ――
バチン!!
「ブヒィイイ!」
「……ふん!」
「今のはひっぱたくタイミングじゃないのでござる!!」
ボクにだってひっぱたかれるタイミングというのがある。そのタイミングに合わない突然の攻撃には必要以上のダメージをおってしまうのでござる!
美月ちゃんは、ひっぱたいて去って行った。でもちょっと寂しそうな表情だった。でもこればっかりはみくちゃんを無視して、引き止めるわけにはいかないのでござる。
「さっ夕飯まで、ちょっと練習するからみていてね!」
「わ、わかったでござる!」
みくちゃんはいつもの屋上と同じように練習している。今日は自分のお家の体育館?ということもあって、曲に合わせて練習している。
そういえばボクは、山根氏に無理やり渡されたブルーレイディスクの奴しか見たことがないから、知らな曲の、しかも生で聞くのは初めてだ。
みくちゃんのおどりは本当にすごい。努力していることがよくわかる。それに人間業とも思えないふりつけをやってのける。ボクはみくちゃんの踊りに完全に魅了されてしまったのでござる。はっ!!!!いやいやマニちゃんの癒しスマイルと同等程度だからね!
でも何度か練習しているけれど、サビまえの振りが苦しそうでござる。
「はっ……はっ……はっ……こんなんじゃ……」
「み、みくちゃん……大丈夫でござるか?」
「……だ、大丈夫……じゃないかも」
「ボ、ボクがいうのもおこがましいんだけれど……」
「いいの!きかせて?」
プギャュウウウ!!やっぱり反則でござるぅうう!!頭の中が真っ白になってマニちゃんがきえちゃうのでござるぅ!!はっ!変な顔しているとまたあの女護衛が、ジャマダハルを向けてくるのでござる。
「サビ前がくるしそうでござるよ。その前に予備動作をいれておけばサビがらくになるのではござらんか?」
「……うそ……なんでそんなに的確に……うん!やってみる!」
そういうと、なんども練習してできなかった箇所をボクのアドバイスどおりに試すと、スムーズな動きになったでござる。
「……これだ!すごい……そんなに見ていてくれたなんて……うれしい!」
「す、すとっぷでござる!!!くっついたらボクがボンレスハムになっちゃうでござるぅ!」
「……むぅ」
ブヒィイイイ!!!もうみくちゃんが抱き着きそうになった瞬間に、ボクの首にはジャマダハルの刃が光を放っている。
「……これを練習すればきっと勝てる!」
今日の練習は満足して終われたようだ。なんとも自信に満ち溢れた顔をしていて、見ているボクもきもちがいい。
でもこれから食事をするそうだけれど、もしかしてご家族と対面しなければならないのでござるか?それこそボクの戦場になりそうな予感でござる……。
最悪死地への旅立ちに……いや人魔大戦に……なってしまうのでござる。
ブヒィイイイ!!これはいけないのでござる!!!ちょっとおといれにこもって、マニちゃん成分を補給するのでござるぅうう!!ついでに一回裏切られたミルちゃん成分もつかいするのでござるよ!!!!!
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