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ビッチは誤報?



 デュフフ。次の日、教師の呼び出しをくらったでござる。

 担当はあのドSの女教師。二人っきりだと何をされるか、わかったものではないのでござる。

 世間的にはハイオークが女教師を襲う図になってしまうので、せめて男性教師にしてほしかったでござる。しかし今日は神妙な面持ちで蹴りつけて唾をはきかけてこない。



「あのあとも協議をしたのだが……な」

「な、なんでしょう?」

「おまえの処分が決まって、停学1週間だそうだ」

「そうでござるか。思ったより軽いでござる」

「……おまえ。本当はやってないだろ」

「ブ、ブヒィ!先生は何を言っているのでござる」



 はっきりいって、この教師も信用していないでござる。言ってしまえば配慮しますっていって、考えなしに正当性を主張してしまう。

 そうなれば委員長は周囲からビッチの扱い。それだけは避けなければいけないのでござる!



「何のために、何をかばって、何を隠している?好きな奴でもいるのか?」


 これはカマをかけているようでござるな。ボクはあえて乗ってベクトルをずらすのだ。


「デュフフゥ!ボクはいま唯一無二の女性がいるのでござる!そのためには停学でもなんでも受けて立つのでござる!」

「それは舞島のことか?」

「違うのでござる」

「誰だ?」

「先生には特別に教えてあげましょう!そう!このハーフエンジエルマニちゃん!!!彼女こそがボクの追い求めた理想でござ――」



ドガッ!



「ブヒィイイイ!」

「んふ~~~~!これこれ」



 や、ヤバいでござる……すごくいやらしい顔をしてボクを見下ろしているのでござる。完全に彼女は性的興奮を得ている。

 話がそれてくれたなら、甘んじてこのSMを受けて立つのもありといえばあり寄りのなしでござる。


「おまえ、キモいぞ」

「先生には負けるでござ――



ドガッ!



「ブヒィイイイ!」

「んあ~~~~!いい!」



 良くないのでござる!!!





 もう早々に立ち去る事にした。

 今日から停学なので、みくちゃんには休み時間に見てあげられない事だけ伝えて帰るのでござる。

 デュウフゥ!せっかくの停学ライフ。あれを実行するしかないのでござる!



「え!?停学?……うそ……なんで……」

「気にしていないのでござる。練習を見てあげられないのだけが気がかりでござる。代わりに山根氏にたの――」


「いや!たくみに見てもらいたいの!」

「そうは申しても……」

「じゃあたくみの家へいく!」

「いやいやイヤッフゥウウ!」

「どっちよ?」

「だめでござるよ?また写真を撮られるでござる!」

「……ちょっと手配するから、今晩おじゃまするね!」

「わ、わかったでござる……」



 何を手配するのか不安でござる。

 でも休み中も変わらず、相手をしてくれるならそれはそれで退屈しないで済みそうでござる。


 それに話によると5月末にアイドルの選挙があるそうだ。

 近々投票権のCDチケットの販売もあるので布教活動のお手伝いをするのも悪くはない。山根氏の出番である。


 山根氏は普通に学校があるけれど、旧知の中である彼は好敵手でありながら永遠の友!それも山根氏の大好きなアイドルmikuちゃんのためになるとあらば一週間ぐらい平気で学校を休むのでござる!

 さすがは古強者!ボク同等と言っていい程の、戦闘力を持っているのでござる!



 ボクはみくちゃんと別れて、ちょっと楽しい停学ライフの予定ができて上機嫌で帰った。

 それで済めばよかったのだけれど……。



<たくみ!今から行くから!>



 ブヒィイイ!ボクのお家へ美月ちゃんが来るってメッセがきたのでござる!!!おかしい!今は授業中のはず!


 これは不味い……ボクの部屋は今はミルちゃんやマニちゃん、それにヨミーちゃんグッズでいっぱいなのでござる!


 幸い学校からは30分くらいはかかるはず。

 今のうちに片付ける?

 いやいや、そんな格好悪いことはしないのでござる!そう逆にステキなジオラマが見えるように飾りつけるのでござる!!!!


 デュフフゥウ!!マニちゃんのフィギュアはまだ出ていないから、かわりにミルちゃんの戦闘シーンのジオラマを飾るのでござる!

 これで美月ちゃんが少しでも魅力に気が付いてくれたらよいのでござる!

 ミルちゃんのこの可動式フィギュアで、ミルちゃんの一撃必罰ドロップキックを再現するのでござるよ!!デュフフゥウ!!






ダンダンダン!!!



 プギャァアア!もう来てしまったのでござる!異常な速さ!まだ飾り付けていないのでござる!!なぜインターフォンを鳴らさないのでござるか!



「たくみ!いるんでしょ!?はやくあけなさい!」



ダンダンダンダン!!!



「ブヒィイイ!ご近所迷惑でござる!」



 ボクは急いで玄関のドアをあけて美月ちゃんを招き入れた。この調子で廊下で話をされたら、ここにも住めなくなってしまうのでござる。



「ねぇ。こっちは初めて来たけれど、せまい」

「仕方ないのでござる。人を呼ぶ予定はなかったのでござる」

「なんで停学?」

「え?委員長を襲ったからでござる?」

「……うそ。本当の理由は言えないの?」



 あのクソビッチ先生は信用できないけれど、美月ちゃんなら大丈夫でござる。たぶんボクのことを生ごみ程度にしかおもっていないので、余計な事もしないはず。



「本当は、イケメンの生徒会長だったのでござる。それに副会長とほかの生徒会メンバーもいたのでござる」

「……え?」



 ボクは美月ちゃんくらいは知っておいても良いと思って、全部を正直に話した。



「じゃあ正直に言えばいいじゃない!」

「そういってイケメン生徒会メンバーとただのクラス委員とハイオーク。どちらの意見が通ると思うでござるか?」

「……なんでたくみばっかり、嫌な思いするの……」


 い、いけないでござる!美月ちゃんが泣きそうでござる!!

 この部屋はすでに二人きり。

 お隣さんに見られたら、巣穴に村からさらってきた村娘を、今まさに食さんとばかりに襲い掛かっているの図でしかないのでござる!



「み、美月ちゃん?いいのでござるよ?」

「……ハイオークじゃぁ。マイナス100にみられるねっ」

「……容赦がないのでござる」



 ごまかすように、話を戻す。

 美月ちゃんは、以前は地に足が付いていなかったし、委員長からそのころはビッチだったと聞いていた。

 けれど今は自分を持っている。ちゃんと周りを見れるようになったきがする。だからボクは話す気になったのだ。



「だいたい分かった」

「そうでござるか!じゃあたった一週間でござるから大人し――



バッチーン!!



「ブヒィイイイイ!」



ドンッ!



『うるせーぞ!!』



「ブヒィイイイイイ!」




ドンッ!



『なんで余計にうるさくなった!!』




 おとなりさんから2回連続で壁ドンをもらってしまったのでござる!!ちなみに一般世間の壁ドンは、恋人がやるものだといわれているけれど、こっちの壁ドンが正解でござる。でもブサメンも恋人への壁ドンをされて、いやしてみたいでござる!



「ぷっ!あはは……ちょっと元気でた?」



 デュフフゥ!!!美月ちゃんがドSらしくない笑顔をボクに向けているのでござる!!綺麗な黒髪でツインの彼女は、逆光が眩しくあたって、さらに可愛くボクの心を激しくえぐる。

 プギャァアア!なにこれ?ラブコメでござるか!?



「な、なんとか言いなさいよ!」



 いやしかしラノベでも『幼馴染は実はハイオークにデレデレだったでござる!』というようなタイトルは存在しないのでござる!!



「……ね、ねえ?」



 デュフゥ!!ボクは現実を理解している。ブサメンが幼馴染の美少女に笑顔を向けられるわけがないのでござる!!!



「ここなら誰も見てないからいいよね……にひひ!えい!」



ぴとっ



 プギャュyyyyy!!いったい何が起こったのでござるかっ!?

 こともあろうに美月ちゃんが、mikuちゃんのごとくあざとい行動にでたのである!

 おかしい!



「……毎日遊びにくるから覚悟しなさいよ!」



 デュウィッフー!!美月ちゃんは超絶ドSビッチだったはず!!それが純真無垢な乙女の仕草をしているではないか!?


 ドSというのは既成事実であり、ボクがつね日ごろ体感していることである。しかしビッチに関しては委員長のしかも間接的な噂が情報ソースでござる!つまりビッチというのは誤情報だったのではござらんか!?そう思うと少し安心したのでござる。



 しかし毎日遊びに来るとなると、困るでござる。

 みくちゃんがボクの停学ライフについて何か企んでいたはず。

 これは波乱の予感……。




 デュフゥ!今日はマニちゃんデーだったはずがすっかり美月ちゃんデーになってしまいそうでござる!!!

 しまった!!そういえば、このあとみくちゃんも来ると言っていたでござる!!


 ヤ、ヤバいでござる!!早くマニちゃん養分を摂取せねば、二次元から三次元へとひきもどされてしまうでしょうが!!!




読んでいただき、ありがとうございます!


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