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なかなおり



 デュフフ、数日後。

 みくちゃんに避けられて、ちょっとショックなブサメン。そしてそれより重要なのがミルちゃんへの愛が冷めてしまっているのでござる。

 ボクは新たな恋を見つける必要があるのだった。



「おはよ!たくみ!」



 ブヒヒ。最近は予約受付中の新作『ハーフエンジェルマニちゃん』というヒロインものが気になっているのでござる。なにか美月ちゃんのような幻聴が聞こえるけれど、有り得ないでござる。



「……ね、たくみってば!」



 このティーザーサイトを見るだけでも、もう赤らめてしまうほどのあざとさ!ブヒッィイイイ!これはみくちゃんの非ではござらん!!!いけないでござる!あまりの可愛さに興奮してきたのでござる!!



「この娘、どうおもうでござる?山根氏」

「やや!!これはあざといですぞ!!!あざとすぎるのですぞ!!われはやはりmikuちゃんのあざとさがちょうどいいのですぞぉ!!」

「やはり古強者!相対するも共感できる対象を用意するとは!!この男、やりおる!!」



「にひひ~!こおんのブ――




ドゲッ!!



「ブヒィイイイイ!」


ぶるんぶるんぶるん……どさっ!



 脂肪(神装バリア)がのたうち回る破壊力!!これはきっと委員長でござる!



「だ、大丈夫ですかな?光圀氏?」

「ふんっ!ブサゴミ!邪魔よ!」


「お、おい……委員長、やめてやれよ……」



 委員長相手だと、すっかり蛇に睨まれたカエルになり下がった陣内くん。立場が逆転して止める方に回っている。

 それから、なぜか美月ちゃんがよこで驚いているでござる。


 きっと委員長がやらなかったら美月ちゃんにひっぱたかれていたでござる。いやもしかすると、委員長と取り合い合戦をしていたのではござらんか?

 委員長サディスティックな性癖に目覚めてしまってのでは……。





「くっ!さすがは舞島氏……ボクの神装バリアでも防ぎきれない威力に成長してやがるのでござる!!」


「キモいのよこのブタめ!!!」


ドゥゴン!!!!



「ブヒィイイイイ!」


ぶるんぶるんぶるん……どさっ!




 デュフ。さすがにつらくなってきたので、誰か委員長を止めてほしいのでござる。



「おまえら席につけ~。そこのハイオークも寝てないで早く座れ」



 よいタイミングだけど、この教師きらい。

 色気があるのにボクのことハイオークだブタだの罵って来るし、隙あらば誰かに便乗して蹴りつけて悦に浸りやがるビッチでござる。



「ふんっ!ペっ!」



べちゃっ!



 ブヒィイ!委員長はボクに唾を吐きかけて自分の席に戻って行った。これがかなりマゾヒスティックに駆られて癖になって来るからいあぶないのでござる。これいじょうはいけない。


 それより委員長にすごく嫌われてしまったようだ。最近はすこし話してくれるようになったと思ってたけれど、また否応なしに蹴られてひっぱたかれて、唾を吐きかけられるようになったでござる。






 昼休みの校舎裏。

 デュフフゥ!!どうやらマニちゃんについて調べたら明日公開日だった。いままで気が付かないなんて3次元の美少女やミルちゃんに気を取らわれていたようでござる!!



「あ、あの……たく……」



 いやいや、でも最近はみくちゃんには避けられ、委員長にはヘドロのような扱いを受けている。



「たくみ……ねぇ……」



 それに美月ちゃんは退院後はすこしだけ、ほんのちょっぴりだけ優しくなった気がするけれど、きっと気のせいでござる。今日もひっぱたかれそうになっていたでござる。



「……ぐす……」



 ……ん?ブヒィイイイイ!!!!!

 いつの間にかに、ハイオークがアイドルを強姦している図が出来上がってるでござる!!!!!!

 しかもここは人気のない校舎裏。やばいでござる!!!



「な、なにようでござるか!?相川氏!?」

「……っ!!」



 みくちゃんがビクッとして俯いて震えている。泣いているようにしかみえない。も、もしかして……



「み、みくちゃん……?」

「~~~~~!!!!や、やっと呼んでくれた!たくみ~~!!」



 プギョアアアアアア!!!!あざとすぎるぅうう!!いまは不味いでござる!!!いまはミルちゃんからマニちゃんへの移行期間。いわゆる音楽で言うところのブリッジでござる!!!

 こんな隙だらけのボクの状態にこのあざとさはもう、2コマ即堕ちでござる!!!!

 みくちゃんはうれしそうにボクのキャノン砲のようなボンレスハムアームにしがみついて、目を潤ませながら上目遣いで喜んでいる。



「し、して、何用でござるか?」

「ま、また屋上でみててほしいの。練習に身が入らなくて、センター奪われそうなんだぁ……」

「でもニュースの記事が……」



 あの記事の内容は不味すぎる。ハイオークが付きまとってる、もしくは獣魔契約でテイムしているというだけでも、彼女のアイドル生命があやぶまれるでござる!



「あれはね、大丈夫!てか大丈夫にしないといけない!センターでいるうちはもみ消せる。だからセンター奪われるとダメなの!」

「そ、それがアイドル業界の隠ぺい体質っていうやつでござるか?」

「ふふふ、なんとでも言って!それに評判より大事なものがあるもん!」



 デュフフゥ!!「もん!」いただきましたぁ!

 なんだかわからないけれど、みくちゃんが元気になってようかったでござる!この笑顔ならもう大丈夫そう。

 それにセンターって投票制だったはず。それもある程度操作が入っているのやもしれぬ。ここは山根氏の頭脳を借りるとしよう。



「わ、わかったでござる!ボクは休み時間に屋上にいくでござるよ!」

「ほんと!やった~~!うれし――


「こおんの変態ハイオークブタめぇ!!!!!!」



ドゴォオオオオン!!!!



「ブヒィイイイイ!!!!」

「ちょっ!!??」



ぶるんぶるんぶるん……どさっ!



 急なクリティカルアタックは、さすがに神装バリア(脂肪)だけでの防御は不可能でござる……でゅふ。


 そう委員長でござる。

 この強烈なクリティカルアタックは、ただの蹴りではなく、竹刀によるものでござる。あまりに強烈で一撃で竹刀が中央からひしゃげて真っ二つになるほどの威力。



「あの記事は誤解なんだって言ったでしょ!?」

「いや、しかし!」

「アイドルmikuの名において、たくみは無罪よっ!!!」

「……う……」



 委員長は申し訳なさそうに、こちらを見ている。般若の面のようだった顔が急にしおらしく乙女の顔でござる。

 ブヒィイ!!このギャップがたまらない人も多いだろうが、ボクには騙されない!!だってマニちゃんがいるんだから!!デュフフフゥ!!


「み、光圀くん!!大丈夫!?」

「ほらぁ!いいんちょが、全力でやるから変な笑い方しておきてこないじゃん!」

「いや変な笑い方は普段と同じでしょ?」

「デュフフ……デュフフ……マニちゃん」



「「マニちゃん!!??」」



 ブヒィイイイイ!し、しまったでござる!!!誰にも悟られたことのないボクの憩いのアイドル(新規)をつい口走ってしまったでござる!!!!

 でもしかたないのだ!ボクのフレイザードのごときパトスは抑えることが出来なかったのでござる!!!!



「「くわしく、聞かせてもらおうか?」」



 デュフフゥ!!そんな良い匂いをさせながらツインデスロックを食らわせないでほしいでござる!!!

 もう目まぐるしいボクの感情を置いてけぼりにして、二人はとてもうれしそうにしている。


 ブヒィイイイ!!良い匂いなんかに負けいない!!!ビクンビクン!!ボクの心はいまはマニちゃんにすべてをかけることで、めいっぱいだっていってるでしょうが!!!






読んでいただき、ありがとうございます!

ハーフエンジェルマニちゃんが気になる人は「勇者が世界を滅ぼす日」の35~37話を参照。


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よろしくお願いします!


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