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妖怪マニアの転生ギルド生活  作者: 音喜多子平
第一章 魔法学校への入学から卒業までの生活
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第十五話

ブックマークが増えて、今朝に小躍りしました。明日もさせてください。


 それからの試験は大きな問題もなく、無事に終了した。教室に戻ると、案の定全員がボロボロでいすや机に体重を預けることで何とか自分を支えていられるような状態の奴がほとんどだった。


 試験の結果が出るまでには一週間ほどかかると言われている。今日はホームルームをして帰れるはずだったのだが、俺だけはそうもいなかったようだ。


「ヲルカ・ヲセット。君はこの後教務員室までくるように」


 先生の呼び出しに、クラス中がざわついた。やはり俺がウィアードと対峙して退けた事は周知の事実なのだろう。がやがやと帰り支度をしながらも、みんなが奇異の目で俺を見てくる。そんな中、ヤーリンだけが心配そうに声を掛けてきてくれた。


「ヲルカ・・・」

「大丈夫だよ、ヤーリン。きっと今日の怪物の事について聞かれるだけだから。一番接触していたのが俺だったって話で」

「うん・・・」

「先に帰っていてもいいよ」

「ヤダ。待ってる」

「わかった」


 かと言って、正直ヤーリンだけを残しておくのは心配だった。今日のタックス達を思えば、卒業というタイムリミットがあることも重なって、余計なちょっかいを出してくる奴も必ずいるだろう。


 俺はチラリとフェリゴを見た。フェリゴは何も言わず、ただ俺に向かって親指を立ててきた。やっぱり持つべきものは友達だな。アイツの場合は、定期的に酷い目に遭わされたりもするが、悪友だって立派な友達なのだから問題はないはずだ。


 ◇


 言われた通り教務員室に行くと、すぐに別室に案内された。会議室のような部屋の中には見た事もない十人が厳格な顔つきで腰かけており、濡れた服の代わりに体育の授業用の服を着ているのが、とても場違いで悪い事をしている様な気になってしまう。


「失礼します」

「掛けたまえ」

「・・・はい」


 そう言って、一脚だけ用意されていた椅子に腰かける。これはアレだ、就活での圧迫面接の雰囲気に似ている。怖い。


「そんなに畏まらなくても平気だよ」

「はあ」


 と、愛想笑いと共に返事をしたが、この状況で畏まらない生徒がいるんなら会ってみたい。こういう時は畏まれと、逆に説教してやる。


「今日呼ばれた理由に心当たりはあるかな?」

「・・・『ウィアード』の事ですよね?」

「やはりあれは『ウィアード』だと?」

「他に思い当たりません。少なくとも事前に聞いていた『ウィアード』の特徴は見受けられました」

「君は『ウィアード』に関心が強い生徒だと聞いているが、どこまで把握しているのか?」

「どこまで、と言われても・・・噂で聞くような事しか知らないです」


 これは真実だ。さっきのウィアードがたまたま知る妖怪・蟹坊主だっただけで、それ以外の事は何一つ分かっていない。むしろ俺が聞きたいくらいだった。


「では様々な干渉をモノともしなかったウィアードに、剣での一撃を入れられたのは?」


 それはきっと、蟹坊主の質問に答えたからだ。伝承でも問いに答えられ、独鈷(仏具の一種)を頭に刺されて絶命するという話が残っている。俺はそれを真似たに過ぎない。


けれど、それをどう説明する? まさか馬鹿正直に自分は前世で妖怪マニアだったんですという訳にはいかないだろう。俺は結局、ヤーリンの時と同じようにごまかして答える選択をした。


「・・・無我夢中だったので、よくわかりません」

「そうか・・・わかった、もう結構だ。何はともかく君の活躍によって、他の生徒に甚大な被害が広がることはなかった。今回の騒動も不測の事態とは言え、それに対応を試みた生徒は評価すべきという声が多い。試験結果を楽しみにしていなさい」

「はい・・・失礼します」


 実際には五分程度の面談だったが、体感的には三時間くらいに思えた。魔力も気力も尽きていたのが影響していたかもしれない。


「疲れた・・・コーラ飲みてぇ」


 ヱデンキアにはそんな物はないと分かっていてもあの爽快感の記憶はあるのだから仕方ない。とにかく無性に甘い物を口にしたい衝動に駆られながら、俺はヤーリンの待っている教室へ戻って行った。


読んでいただきありがとうございます。


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